ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

製品形状と金型構成の高度化提案によるコスト競争力向上と受注数拡大

ヒロボー 株式会社

成果金具挿入作業工数(1セット当たり) 12秒→5秒

この事例のポイント

  • 金具挿入後に位置決めピンが金具の位置決め穴に入るため金具がズレやすく、潰れによる品質不具合が発生していた。
  • ブラシホルダの成形における金型への金具挿入について、製品を逆立ち方向にレイアウトする新工法を採用した。
  • 金具挿入作業工数(1セット当たり) 12秒→5秒。金具挿入の成形工数は1個当たり5秒削減し、従来比40%削減に当たる成果を得た。

事業者のプロフィール

事業者名ヒロボー 株式会社
所在地広島県 府中市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数147人
資本金8,000万円
設立1949年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力金具挿入後に位置決めピンが金具の位置決め穴に入るため金具がズレやすく、潰れによる品質不具合が発生していた。
  • コスト・採算金具挿入時のズレ補正の作業ロスが発生し、サイクルアップが大きな課題となっていた。
  • 品質・精度客先の自動組立装置でマグネットブラシのリード線を挿入する際、穴の裏面の金具の露出部の段差に引っ掛かり、チョコ停の原因となっていた。

やったこと

ブラシホルダの成形における金型への金具挿入について、製品を逆立ち方向にレイアウトする新工法を採用した。試作金型を製作し、製品の逆立ちレイアウトと、客先の自動組立装置でリード線を挿入する樹脂と金具の段差の形状変更を検証した。試作金型で1サイクル40秒の削減が見込めたため量産金型を製作した。高速サーボ制御による最新鋭の堅型成形機を導入し、安定した寸法精度と、金具のずれや潰れの防止をめざした。導入した堅型成形機で新工法の量産金型を用いて製品の試作を行い、品質と出来栄えを評価した。

加工機堅型成形機(高速サーボ制御)
金型量産金型(新工法金型構成)

事業の効果

  • 金具挿入作業工数(1セット当たり) 12秒→5秒
  • 月当たり成形工数 278時間→167時間
  • 不良率が90%の改善となった。

金具挿入の成形工数は1個当たり5秒削減し、従来比40%削減に当たる成果を得た。月当たりの成形工数は111時間削減され、不良率も大きく改善した。その結果、製造コストは40%以上削減された。客先での自動組立装置のリード線トラブル発生回数も大幅に減少し、客先の信頼を得ることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    樹脂加工の事業内容は読み取れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは記載がなく、わずかにうかがえる程度。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    客先の自動組立装置トラブルや受注拡大に触れ、コスト競争力向上を狙うが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決5

    課題はサイクルアップとズレ不良で、新工法により作業工数12秒から7秒、月間成形工数278時間から167時間の削減など数字で具体的に示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    成形サイクル40秒短縮(従来比▲40%)の目標に対し、試作で40秒の削減が見込めたとあり、実績として1個5秒削減・不良率90%改善と数字が示されている。

  • 事業を進める体制2

    試作や量産金型の製作、導入設備の記載はあるが、担当人材や事務処理体制、社内の推進体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブラシホルダの課題と客先組立装置のトラブル防止が示され、客先の信頼獲得や受注増という顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    試作検証、量産金型製作、堅型成形機導入、生産転用、量産金型の増面と増設という段階的な遂行方法と今後の展望が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ブラシホルダは車載部品の成形で、同分野の高付加価値化や高価格化を図る記述は乏しく、新市場性はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    客先の自動組立装置や受注拡大への言及はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果5

    補助事業で導入した堅型成形機で工数111時間/月の削減、製造コスト40%以上削減と、投入額に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    高速サーボ制御の最新鋭成形機の導入はあるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンのイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    広島県府中市の企業であることはわかるが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用・地域経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

品質向上と生産性・コスト競争力の向上に一定の改善は見いだせたが、改良の余地も残るため、量産に向けて試作実績を積み重ね成形技術の高度化に取り組む。試作評価で大幅な生産効率向上が見込まれることから、導入した堅型成形機を生産転用する。今後の受注増に対応するため、量産金型の増面と堅型成形機の増設を計画している。

  • 目標:成形サイクルとして8個取りの量産金型で40秒の短縮(従来比▲40%)を目標とした。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。