ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

新世代マルチカッティングマシン導入による小ロット・多品種・短納期能力の拡大化計画

株式会社アイシン産業

成果1回の加工での生産量 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 既存のMCM機2台では受注の消化に手一杯で、小ロット・多品種・短納期の提供が困難になっていた。
  • CAD/CAMを利用した新世代MCMを新規に導入した。
  • 1回の加工での生産量 1倍→2倍。新世代MCMの導入により1回の加工での生産量が2~3倍に増え、余力が生まれて新規受注に対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイシン産業
所在地広島県 福山市
業種プラスチック製品製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数27人
資本金1,200万円
設立1983年

事業の背景

当社は、マルチカッティングマシン(MCM)を用いてウレタンなどの発泡樹脂に複雑で高精度な加工を行っている。他社には真似のできない高い品質が評価され受注が増えていた。一方で既存のMCM機2台では受注の消化に手一杯の状態だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存のMCM機2台では受注の消化に手一杯で、小ロット・多品種・短納期の提供が困難になっていた。
  • 生産能力既存設備は作業エリアが小さく、1m×1mの原反しか設置できないため、製品によっては1回の加工で製品が1個しか作れなかった。
  • 品質・精度顧客の求める高い精度を満たすには既存のMCM機では常時熟練工による工程チェックが欠かせず、2度の検品作業が必要だった。
  • 納期・工程切削は深さ25mm、カット加工は厚さ50mmが限度で、それ以上は素材を2層・3層に接着して積層しており、接着剤の乾燥に1日を要し納期が遅れていた。

やったこと

CAD/CAMを利用した新世代MCMを新規に導入した。従来の2倍となる1m×2mの原反を設置できるようにし、1回の加工での生産量を増やして材料の歩留まりを上げた。機械の位置精度・反復精度を大幅に向上させ、熟練工の工程チェックを軽減するとともに品質を向上させて検品工程を効率化した。最大加工厚は掘削加工30mm、カット加工86mmを達成し、当社の全製品で接着・乾燥の積層工程を省略した。

加工機新世代マルチカッティングマシン(MCM)
ソフトCAD/CAMシステム

新しい製品・サービス:発泡品でも高精度な加工ができる製品・加工サービス。本事業のMCMと高精度スライサーを組み合わせ、従来の常識を超えた高精度の切削・カット等の加工を可能にした。

事業の効果

  • 1回の加工での生産量 1倍→2倍
  • 検品回数 2回→1回
  • 最大加工厚(カット加工) 50mm→86mm
  • 最大加工厚(切削加工) 25mm→30mm
  • 原反サイズ 1m²相当(1m×1m→1m×2m)→2m²相当(1m×1m→1m×2m)

新世代MCMの導入により1回の加工での生産量が2~3倍に増え、余力が生まれて新規受注に対応できるようになった。機械の加工精度が上がり熟練工のチェックが軽減され、検品も2回から1回に減った。接着・乾燥の積層工程が省略されたことで納期が大幅に短縮された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業40年近くの発泡品加工の実績と、既存MCM2台の受注対応限界から新機導入へ至る流れが読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社には真似のできない高い品質が評価され受注増、既存機の限界とWEB受注拡大の方針が書かれており、強みと外部環境を踏まえた内容がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    課題として作業エリア1m×1m、熟練工チェック、接着・乾燥1日、2度の検品が挙げられ、積層省略や検品簡略化で対応する具体策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1回の加工での生産量が2~3倍に増加し、検品2回を1回に簡略化したと具体的な効果が書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員27名、資本金1,200万円の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は小ロット・多品種・短納期を求める層で、発泡品でも高精度に加工できることを訴求し、用途として緩衝材や防音材などが挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    製品開発の内容や効果は明確だが、中長期の検証や遂行スケジュールについては事例紹介の文章に詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    発泡品の高精度加工は他社が真似できない水準と書かれ、発泡品に寸法精度を求めることをあきらめていた顧客に向けた高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    用途としてクッション材や制振・防音材、梱包緩衝材などが挙げられるが、国が補助する理由となる波及効果や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果3

    生産量の2~3倍増、検品回数の減少、接着工程の省略など効果は数字で示されているが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CAD/CAMを利用した新世代MCMの導入とWEB受注拡大は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    広島県福山市の企業で東京営業所を開設し関東から問い合わせを受けたとあり、地域の強みを活かした成長がうかがえるが、雇用創出への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

WEBと東京営業所の開設により「発泡品でも高精度な加工ができる」ことを広く発信し、関東方面から問い合わせを受けてユーザーとの連携を深めている。発泡品の用途はクッション材、制振・防音材、梱包緩衝材、ホビー・スポーツ用品など多彩であり、当社の加工技術でさらなる可能性を引き出す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。