ものづくり補助金平成26年度製造業徳島県

厚紙和紙製造工程における定寸カットシステム導入による生産体制の確立

富士製紙企業組合

この事例のポイント

  • 芸術分野で厚い和紙(200g/㎡以上)の需要が高まったが、和紙の生産工程は薄い紙を作るための設備のため、厚い紙を作ると不具合が起きやすい。
  • 前工程の乾燥ドライヤーと同期したロータリーカッターで、紙を紙管に巻かずに定寸で切断して自動で積層する設備を導入した。
  • 紙を巻かずに定寸で自動裁断・積層できるようになり、手作業だった工程が自動化されて効率的な生産が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名富士製紙企業組合
所在地徳島県 吉野川市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野機械制御,材料製造プロセス
従業員数32人
資本金3,900万円
設立1952年

事業の背景

和紙は薄くて丈夫なことが特徴だったが、美術家の画材用紙や写真家のインクジェット用途が広がり、厚い和紙への需要が高まってきた。従来の生産方法では効率が悪く品質も安定しないため、市場の需要に対応できる安定生産の体制が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度芸術分野で厚い和紙(200g/㎡以上)の需要が高まったが、和紙の生産工程は薄い紙を作るための設備のため、厚い紙を作ると不具合が起きやすい。
  • 生産能力紙管への巻取りで発生する巻きカールが厚い紙では顕著になるため、巻かずに単版に裁断する対応を手作業で行っており、手間がかかって生産性が悪い。
  • 品質・精度手作業での裁断は品質が安定しないことが課題だった。

やったこと

前工程の乾燥ドライヤーと同期したロータリーカッターで、紙を紙管に巻かずに定寸で切断して自動で積層する設備を導入した。60cmから2mまでの定寸に裁断できるシステムを構築した。生産スピードや生産数などのデータをメインコンピュータに集約し、進捗管理や生産状況のデータベース化を図った。社内にプロジェクトチームを結成して課題解決に取り組んだ。

加工機NC シングルカッター&テーブルリフター

新しい製品・サービス:厚手の和紙(200g/㎡以上)

事業の効果

紙を巻かずに定寸で自動裁断・積層できるようになり、手作業だった工程が自動化されて効率的な生産が可能になった。品質も向上し、60cmから2mまでの定寸に対応できるようになったことで、多様化する需要に応えられる体制が整った。生産データの一元管理により進捗や生産状況を把握しやすくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来の薄い和紙から厚い和紙への需要変化への対応と書かれるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性は読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    美術家・写真家など芸術分野の厚い和紙需要の高まりに触れており、市場動向と自社の対応は読み取れるが、強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業での裁断が手間で生産性が悪く品質も安定しないという課題を示し、定寸自動裁断の導入で解決する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    効率生産や品質向上が図れたとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制2

    プロジェクトチームを社内に結成したとあるのみで、人材や事務処理能力についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    厚い和紙(200g/㎡以上)を画材・インクジェット用途の顧客に供給する点や、60cmから2mの定寸対応が明記されている。

  • 事業化までの道筋3

    前工程の乾燥ドライヤーと同期したロータリーカッターの導入と、生産データの集約による進捗管理が書かれるが、スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    厚手の和紙は一般的な需要が少ない分野で、厚い和紙(200g/㎡以上)を高付加価値の用途に展開している点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    和紙のユネスコ文化遺産認定や和への関心の高まりに触れ、多彩な用途への展開可能性はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    生産データのメインコンピュータへの集約や進捗管理のデータベース化が書かれるが、サプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    徳島県吉野川市の和紙製造事業者である点は読み取れるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

和紙のユネスコ文化遺産認定や東京オリンピックの開催などで和への関心が高まっており、和紙は芸術分野にとどまらず多彩な用途への展開が見込めるため、新たな市場を開拓すべくマーケティングに注力していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。