ものづくり補助金平成26年度製造業徳島県

剣山引き茎カットわかめの開発、製造、販売事業

株式会社阿波市場

この事例のポイント

  • 原藻から塩蔵わかめやカットわかめを作る際に廃棄されるメカブと茎を有効利用し、漁師の収入増につなげたい。
  • 裁断機、専用釜、加熱装置、濾過機を導入した。
  • メカブのフコイダンを活かした保存料・合成着色料フリーの天然由来化粧品と、新食感の茎加工品という2つの新商品が生まれた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社阿波市場
所在地徳島県 鳴門市
業種食料品製造業
従業員数20人
資本金1,000万円
設立2008年

事業の背景

原藻から塩蔵わかめやカットわかめを作る過程で、栄養価の高いメカブと茎が廃棄されていた。わかめの残渣を入浴剤やトリートメントとして使っている加工所の女性たちの肌や髪が艶やかなことから、メカブエキスの化粧品利用を思い立った。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他原藻から塩蔵わかめやカットわかめを作る際に廃棄されるメカブと茎を有効利用し、漁師の収入増につなげたい。
  • コスト・採算メカブと茎の廃棄をなくして、処理コストも削減したい。
  • 新製品・新技術古くからの茎の加工法を今に蘇らせ、新商品を開発したい。

やったこと

裁断機、専用釜、加熱装置、濾過機を導入した。協力会社とノウハウを共有しながら試行錯誤を重ね、透明で純度の高いエキスの抽出・精製に成功し、化粧品としての品質レベルをクリアして商品化を図った。茎の部分は自社開発の剣山で細密な細削りにし、乾燥・風力選別から自動軽量・袋詰めまでを独自の加工法で行うことで、処理量の倍増も実現した。

加工機裁断機
加工機専用釜
加工機加熱装置
加工機濾過機
その他剣山(自社開発)
加工機自動軽量・袋詰め機

新しい製品・サービス:メカブエキス配合化粧品と剣山引き茎カットわかめ

事業の効果

メカブのフコイダンを活かした保存料・合成着色料フリーの天然由来化粧品と、新食感の茎加工品という2つの新商品が生まれた。処理量も倍増し、廃棄されていたメカブと茎の有効利用が進んだ。商品は関東の生協やセレクトショップ、自社オンラインショップで販売され、リピーターが増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    鳴門わかめの残渣を活用する取組で、古くからの茎の加工法を今に蘇らせる点に一貫性がうかがえる。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大学や製薬会社の協力、鳴門わかめのブランド力を生かす点に触れるが、市場動向や自社の経営資源の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    廃棄されるメカブと茎の有効利用、処理量の倍増という課題認識はあるが、高付加価値化の計画の具体的数値は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    処理量の倍増という表現はあるが、高付加価値創出や賃上げの目標値や数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    協力会社や大学、製薬会社との連携がうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    フコイダンによる美白効果、保存料・合成着色料フリー、生協やセレクトショップでの販売など、製品価値と販路が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試行錯誤の末に抽出・精製に成功したとあり、研究開発の進め方はうかがえるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    メカブエキスの化粧品利用や茎の細削り加工は市場にない付加価値の高い商品と記され、新分野への取組が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    漁師の収入増や地域資源の有効活用に触れており、地域への波及はうかがえるが、雇用創出や経済波及の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    処理量の倍増と処理コスト削減に触れるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動軽量・袋詰めまでの独自加工法や堆肥化による循環型農業への着手がうかがえるが、先端デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    健康飲料や化粧品など新分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    鳴門わかめの地域資源を活かし、新食感の茎加工品や化粧品で付加価値を生み、漁師の収入増につなげる地域事業として読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

健康飲料の研究開発や、堆肥化による循環型農業の提案にも着手している。残渣ゼロをめざして、さらに新しい利用法を開発していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。