ものづくり補助金平成26年度製造業愛媛県

CNC制御の加工装置を利用したCLT部材の加工体制とデザインプロセスの確立

三王ハウジング株式会社

この事例のポイント

  • 環境負荷が小さい新建築素材であるCLTの部材加工を行うための加工体制が十分に整っていなかった。
  • CLTを用いた建築物の木造躯体を設計できる建築設計CADソフトウェアと、全体の設計図からCLTパネルを部品として設計するCADソフトウェアを導入した。
  • CAD、CAMを一貫導入したことで既設のCNC加工装置での加工が可能となり、今後成長が期待されるCLTを使用した中・大規模建築市場へ、愛媛県内で他社に先駆けて参入できることとなっ…

事業者のプロフィール

事業者名三王ハウジング株式会社
所在地愛媛県 新居浜市
業種木材・木製品製造業
技術分野デザイン,材料製造プロセス,情報処理
従業員数40人
資本金2,000万円
設立1988年

事業の背景

建築向けプレカット材の製造卸販売を手がけ、大手ハウスメーカーを主力として販売している。営業エリアは愛媛県を中心に香川県、徳島県、兵庫県で、各地の工務店へも販路を開拓している。国内ではCLTの認知度はまだ低いが、欧米では普及しつつあり、中高層建築物にも使われるようになっている。一方、四国エリアは人口・住宅着工件数ともに全国平均を上回る比率で減少しており、市場の縮小が懸念されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術環境負荷が小さい新建築素材であるCLTの部材加工を行うための加工体制が十分に整っていなかった。
  • 生産能力用途別に要求される加工や新たなデザインに対応できる生産体制を確立する必要があった。
  • 集客・繁閑四国エリアの人口減少と住宅着工件数の減少により、市場の縮小が懸念されていた。

やったこと

CLTを用いた建築物の木造躯体を設計できる建築設計CADソフトウェアと、全体の設計図からCLTパネルを部品として設計するCADソフトウェアを導入した。あわせて、設計部品図を既設のCNC加工装置で加工するためのCAMシステムを導入し、データ作成から部材加工まで一貫して行える情報システムを整えた。CAD、CAMを一貫導入したことで既設のCNC加工装置による加工が可能となり、用途別や新たなデザインに対応できる生産体制を確立した。今後は従業員へのOJTを進めて設計分野と加工分野の技能レベルを高めていく計画である。

ソフトCLT建築設計CADソフトウェア
ソフトCLTパネル部品設計CADソフトウェア
ソフトCAMシステム

新しい製品・サービス:CLT部材の加工

事業の効果

CAD、CAMを一貫導入したことで既設のCNC加工装置での加工が可能となり、今後成長が期待されるCLTを使用した中・大規模建築市場へ、愛媛県内で他社に先駆けて参入できることとなった。CLTの部材加工はもともと想定より時間がかかったが、新しいCAD、CAMの操作やCLTパネルの加工実績を積むごとにリードタイムは短くなると見込んでいる。CLT加工の問合せも増加しており、受注拡大と新たな技術者の雇用につなげたいと考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既設のCNC加工装置とプレカット製造の実績を活かし、CAD・CAMを一貫導入してCLT加工に展開しており、事業の延長線上にあることが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    四国の人口減少と住宅着工の減少が懸念されると述べ、中四国トップクラスの生産能力と大断面プレカット加工の技術を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決3

    市場縮小の懸念を課題として認識し、CLT加工の受注拡大に向けて従業員の資格取得や研修を進める方針が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    リードタイムが短くなると考えていると述べるのみで、数値の目標や付加価値向上の具体的な数字は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員へのOJTや資格取得・研修による人材育成の方針が示されているが、人数や体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手ハウスメーカーなどへの販売実績があり、CLT加工の問合せが増加しているとして、ニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    OJTや研修による技能向上と新規雇用の方針は示されているが、遂行スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    CLTは国内では認知度が低いが欧米で普及しつつあると述べ、大断面プレカット加工の技術が国内で屈指とされ、高付加価値の分野であることがうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    官民挙げた支援体制の整備に触れ、CLT加工技術の向上と新規雇用の創出につなげる方針が示されている。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD・CAMを一貫導入して設計から加工までデジタルで連携させているが、地域やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    CLTは中高層建築や中大規模建築への採用が広がるとされ、新建築素材への進出が構造転換に関わることがうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    愛媛県で他社に先んじて参入し、新規雇用につなげたいとしているが、地域経済への波及効果の数値は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

従業員の資格取得や研修による人材育成を進め、新たな技術者の新規雇用につなげたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。