ものづくり補助金平成26年度製造業愛媛県

発泡性酒類市場の需要に対応する為の製造設備の強化

水口酒造株式会社

成果製造力 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 首都圏及び海外の需要増(繁忙期を含む)に対して、設備保有状況が十分ではなかった。
  • ピーク時生産量への対応のため、冷蔵貯蔵タンク(サーマルタンク密閉2000型/容量2,241ℓ)を導入した。
  • 製造力 1倍→2倍。貯蔵タンクにより移動時間と冷蔵庫の電気量コストが減少した。

事業者のプロフィール

事業者名水口酒造株式会社
所在地愛媛県 松山市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数65人
資本金2,000万円
設立1895年

事業の背景

当社は明治28年創業で、道後温泉エリアに居を構える日本酒メーカーである。国内の日本酒販売の低迷を背景に、平成8年より地ビールの製造・販売を始め、その後も焼酎や発泡酒等を手掛けてきた。近年は低アルコールの発泡酒人気が高まり、大手をはじめ各メーカーが同商品群へ主力をシフトする動きを見せていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力首都圏及び海外の需要増(繁忙期を含む)に対して、設備保有状況が十分ではなかった。
  • 人手・技能新製品投入による工程ごとのムダが生じ、就業時間の延長を余儀なくされていた。
  • 人手・技能生産環境の見直しとともに、適正な就労環境を構築する必要性に迫られていた。

やったこと

ピーク時生産量への対応のため、冷蔵貯蔵タンク(サーマルタンク密閉2000型/容量2,241ℓ)を導入した。また、新型の瓶詰機(半自動カウンタプレッシャ充填機)を導入した。貯蔵タンクは容量増加に加え、冷蔵機能と温度制御機能を併せ持つ。瓶詰機は液押し圧力を強くしても瓶口のバルブ機能を維持でき、圧力制御により一定に保つことで液垂れを大幅に軽減した。

加工機冷蔵貯蔵タンク(サーマルタンク密閉2000型/容量2,241ℓ)
加工機半自動カウンタプレッシャ充填機(瓶詰機)

新しい製品・サービス:道後ジン(酒粕由来の清酒の旨みある新商品)

事業の効果

  • 製造力 1倍→2倍
  • 販売可能数量 1倍→2倍
  • 廃棄率 3%→0%

貯蔵タンクにより移動時間と冷蔵庫の電気量コストが減少した。瓶詰機により液垂れによる廃棄が解消された。2つの設備で約2倍の製造力を実現し、大手酒類問屋への出荷量は倍増、百貨店・大手スーパー・輸出関係の商社との取引にも柔軟に対応できる生産基盤を構築した。繁忙期も従業員に負荷を掛けない就業体制につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    当社の歴史と地ビール・焼酎等の製品展開が書かれ、市場動向に応じて業容を維持してきたとあるが、経営戦略上の位置付けは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    首都圏・海外需要の増加と設備不足が書かれ、競争優位への言及はあるが、自社の強み・弱みの具体的な分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    設備不足や工程ムダ、就業時間延長という課題が明記され、貯蔵タンクと瓶詰機の導入で約2倍の製造力を実現したと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造力が約2倍になり、大手酒類問屋への出荷量が倍増したと数字で示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    担当者は経理担当の和田と記載されているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的説明はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    低アルコール飲料の市場拡大や多品種化、首都圏・海外需要が書かれ、顧客ニーズの裏付けはあるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の販路開拓やアジア展開、柑橘とのタイアップが述べられるが、スケジュールや課題解決方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    低アルコール発泡酒は大手も参入する分野とあり、同分野での高付加価値化・高価格化を示す記述はうかがえない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    観光活性化や地域柑橘とのタイアップによる来県者増への貢献が書かれるが、雇用創出や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    2〜3%の廃棄を解消し、製造力約2倍を実現したと具体的な効果が示されている。投入額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    冷蔵・温度制御機能や液垂れ軽減といった設備の工夫は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    道後温泉エリアの地域特性や地元柑橘とのタイアップ、観光活性化への貢献が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

低アルコール飲料は市場規模の増加が見込まれ、全国の酒類商社・デパート・通販業者とのタイアップや、アジア等の海外展開に注力する。地元柑橘類とのタイアップ製品で愛媛への来県者増にもつなげ、地域観光活性化に貢献しながら企業価値を高めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。