ものづくり補助金平成26年度製造業高知県

4軸対応マシニングセンタ導入での差別化による利益率の向上と新分野進出

有限会社 澤工作所

この事例のポイント

  • 既存の3軸マシニングセンタでは回転を加える4軸加工ができず、熟練職人が目視で位置決めと高度補正を行うため1製品に2時間以上かかり、1日4~5個しか完成できなかった。
  • 回転を加える4軸加工に対応するため、ヤマザキマザック株式会社製の4軸対応立形マシニングセンタを導入した。
  • 4軸加工を内製化したことで、取引先の一貫生産の要望に応えられるようになり、受注の機会ロスが解消された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 澤工作所
所在地高知県 香南市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数5人
資本金500万円
設立1999年

事業の背景

創業50年を超える部品加工メーカーで、鉄、銅、ステンレスなど様々な金属を扱ってきたが、近年はアルミ加工が主流となっている。液晶や半導体業界から精度の高さで高い評価を受けてきた一方、業界ではより高い技術による精密加工と、今まで以上の精密さとスピードが求められている。少量多品種、短納期の要望も多くなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の3軸マシニングセンタでは回転を加える4軸加工ができず、熟練職人が目視で位置決めと高度補正を行うため1製品に2時間以上かかり、1日4~5個しか完成できなかった。
  • 納期・工程短納期の要望に応えられず、4軸加工のほとんどを外注するか元請け会社が他社に発注する状況で、受注の機会ロスが生じていた。
  • 新製品・新技術先進医療機器分野など利益率の高い精密加工の引き合いがあったが、より高い精度とスピードが求められ、現状の設備では対応が難しかった。

やったこと

回転を加える4軸加工に対応するため、ヤマザキマザック株式会社製の4軸対応立形マシニングセンタを導入した。あわせて対象物を回転させるインデックステーブルを購入し、マシニングセンタとセットで高精度・スピード・量産に対応できる体制を整えた。設備は平成28年6月に納品・設置され、同年7月に3日間のオペレータ研修を受けて操作方法を習得した。工場内のレイアウトと総合的な加工工程は社内で協議・検討して決めた。

加工機4軸対応立形マシニングセンタ(ヤマザキマザック株式会社製)
加工機インデックステーブル(立形)

事業の効果

4軸加工を内製化したことで、取引先の一貫生産の要望に応えられるようになり、受注の機会ロスが解消された。信頼獲得にもつながり、精密加工の幅が広がった。高速で精巧な加工により品質が大幅に向上し、量産も可能になった。制御装置がパソコンとリンクしているため経験の少ない新入社員でも短期間で習得でき、早期のスキルアップが期待できる。従来と変わらぬ人数で新規顧客の獲得と既存顧客の深耕拡大を実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業50年超の部品加工から液晶・半導体の精密加工へ続く流れと、4軸加工の内製化を経営上の取組として具体的に説明している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    液晶・半導体業界で精度の評価を得ている強みと、3軸では対応できず外注していた弱みを具体的に挙げ、4軸導入で差別化する根拠を示している。

  • 課題の認識と解決4

    4軸加工1製品に2時間以上、1日4~5個しか完成できず、外注で機会ロスが生じていた課題を明示し、内製化で解消する計画としている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1日4~5個から量産対応へ、受注の機会ロス解消が成果として書かれているが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    平成28年6月納品、7月に3日間のオペレータ研修を受けた事実はあるが、人材や事務処理の体制全体についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    先進医療機器分野の検査機器部品やLED分野の引き合い、精度とスピードが選ばれる理由として具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    設備導入後の工程検討や研修には触れるが、中長期の課題検証や導入後のスケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    先進医療・LED分野は利益率が高いと説明され、超難度の精密加工で高水準の高付加価値化を図る内容として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    液晶・半導体・医療分野の雇用や需要創出への言及はあるが、国が補助する積極的な理由を示す記述は限定的である。

  • 費用対効果3

    1日4~5個の生産効率が改善し従来と変わらぬ人数で受注増を実現したとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    制御装置による熟練度に依存しない操作や、新人の早期習得が挙げられているが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    先進医療・LED分野への進出が示されているが、日本経済の構造転換に資するという観点での記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    高知県香南市の町工場として地域で重宝されていることや、移転・新工場計画が記載されているが、地域経済への波及効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

注文がありながら受注に至らなかった案件をすべて取り込み、受注を拡大していく計画である。先進医療分野やLED分野など利益率の高い部品加工への進出を目指す。組立部門の受注が増加しており、移転・新工場建設を計画・推進している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。