ものづくり補助金平成26年度製造業高知県

生産能力・精密加工技術の向上による既存市場深耕と新市場開拓事業

有限会社高橋工作所

この事例のポイント

  • 大型ギアなどの精密カム類について、既存取引先から増産の引合いが増えていたが、対応できる生産能力が不足していた。
  • 2015年12月に東芝機械株式会社製の立旋盤を設置した。
  • 孔加工を内製化したことで、コスト削減や納期の余裕が生まれ、県外企業に流れていた仕事を受注する機会が増え、シェアを奪還・獲得できる可能性が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社高橋工作所
所在地高知県 南国市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数5人
資本金500万円
設立1991年

事業の背景

当社は切削加工を主業とし、自動車・船舶・風力発電等の金属部品製造を担ってきた。2008年に会長が高度熟練技能者に認定されたことをきっかけに、県外大手金属加工商社からのリング加工の受注を開始した。高知県では大型旋盤を保有する会社が少なく、大型機械の軽量化・低コスト化のニーズが年々高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型ギアなどの精密カム類について、既存取引先から増産の引合いが増えていたが、対応できる生産能力が不足していた。
  • コスト・採算孔加工を外注していたため、外注先の稼働状況によって約1週間の余分なリードタイムが生じていた。
  • 納期・工程孔加工を県外企業に発注する場合が多く、発注元から孔加工の内製化を強く要望されていた。
  • 品質・精度設備不足により精密度を満たせず、失注することがあった。

やったこと

2015年12月に東芝機械株式会社製の立旋盤を設置した。旋盤と孔開の複合型機械で、幅広い回転数と高剛性コラムを採用し、高性能ミーリング機能も備えている。直径1,000mm、厚さ10mmまでの孔加工に対応し、要求の孔加工精度は±1ミクロンまで求められる。既に保有する同メーカーの小型立旋盤と同じメーカーのものを選んだことで、操作に慣れやすかった。従来手作業だった完成品の検査工程や検査票類も設備により機械化が可能になった。

加工機東芝機械株式会社製 立旋盤

事業の効果

孔加工を内製化したことで、コスト削減や納期の余裕が生まれ、県外企業に流れていた仕事を受注する機会が増え、シェアを奪還・獲得できる可能性が高まった。力作業が不要になり労働環境が改善し、雇用の幅も広がった。検査工程の機械化により品質アピールにも対応できるようになり、新たな部品加工にも対応可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大型旋盤加工を主業とし、既存取引先の増産ニーズに応えるため立旋盤を導入したと書かれており、事業の一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    1,200mmの大型ギアで14mmまで薄肉化に成功、県外大手商社とのパイプがあると書かれ、強み・弱みと競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    外注先の稼働により1週間程度のリードタイムが生じ県外企業に発注が流れていた課題を、孔加工の内製化で解決すると具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の増加や賃上げの数値目標は書かれておらず、受注機会が増えるという定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    高度熟練技能者である会長からの技術移転や、従業員がすぐ操作に慣れた点は書かれるが、体制や事務処理能力の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    精密カムの±1ミクロン精度や直径1,000mm・厚さ10mmの孔加工対応など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    切削を近隣の大型旋盤保有3社へ外注する想定や新規取引先の開拓方針が書かれるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    市場が求める薄肉化加工を1,200mmの大型ギアで14mmまで実現したと書かれ、同分野で高水準の加工を行う点が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    高知県のサプライチェーン構築への貢献や新たな雇用の創出に触れているが、波及効果の規模は示されていない。

  • 費用対効果2

    コスト削減や県外流出の取り戻しに触れるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    孔加工の内製化による地域サプライチェーン貢献の可能性がうかがえるが、先端デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    高知県の大型加工拠点として県外企業からの受注を取り戻し、新たな雇用を生むと具体的に書かれ、地域経済への貢献が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県外大手金属加工商社グループとのパイプが強みだが、同社の受注状況に業績が左右されるため、新規取引先への販路開拓を強化しリスク分散を図る。また、新たな部品加工の研究を重ね精度を高めていく。年齢性別を問わず意欲ある技術者を採用し、会長から次世代への技術移転を進める。

  • 目標:1,200mmの大型ギアにおいて14mmまで薄肉化することに成功している

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。