ものづくり補助金平成26年度製造業福岡県

オリジナルアートワークの開発

株式会社エレガントウッドコーポレーション

この事例のポイント

  • パネル事業は商業施設の建設や改修の件数に需要が左右されるため、物件が減ると売上も減る。
  • 切削工程の負担を減らすため、新しいNCルーターを購入した。
  • アクリルを加工したアートワークが、ホテルや商業施設の空間のアクセントとして提案できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エレガントウッドコーポレーション
所在地福岡県 福岡県大川市
業種木材・木製品製造業
技術分野デザイン
従業員数13人
資本金2,000万円
設立1994年

事業の背景

同社は大川市で天然木のツキ板を販売していたが、地元の会議室やホールなどで実績を上げた後、商業施設向けの不燃材料を使った内装デザインパネルの製造販売を主力事業とした。現在は売上高の7割を関東で占め、直近3年は増収増益が続いている。提供するパネルは建築物の設計段階から設計者に提案するもので、東京等都市部の商業施設や公共施設、建築物などが主な納入先である。2020年の東京オリンピックに向けて、ホテルや旅館の客室の新築・改築需要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術パネル事業は商業施設の建設や改修の件数に需要が左右されるため、物件が減ると売上も減る。
  • 新製品・新技術新しい事業や製品を開発して新市場を創り、経営を安定させる必要があった。
  • 生産能力アートワークは多品種小ロット生産になるため、切削工程の負担が大きくボトルネックになっていた。
  • 人手・技能アクリルのNCルーター加工では、回転数の調整が難しく、途中で止まったり加工後に白く濁ったりして外注加工できないことがあった。
  • 販路・情報発信アートワークを設計者やデザイナーに提案して市場を開拓する必要があった。

やったこと

切削工程の負担を減らすため、新しいNCルーターを購入した。購入したNCルーターでアクリルを切削したところ、想定以上に加工の難易度が高いことが分かった。アクリル加工の外注先と協議を重ね、2か月ほど改善を繰り返して、美しく仕上がる加工の技術とノウハウを習得した。切削する方向、加工順、切削の深さによって凹凸のデザインが変わるため、ピンクやグレースモークのアクリルを使い、張り合わせた状態での加工や切削深さを変えた様々な試作品を作り、研磨仕上げも試みた。その結果、アクリルの加工表現の可能性を見出し、サンプル数も充実させた。

加工機NCルーター

新しい製品・サービス:アクリル製のアートワーク(壁を飾る装飾パネル)

事業の効果

アクリルを加工したアートワークが、ホテルや商業施設の空間のアクセントとして提案できるようになった。設計者からも高い評価を得てサンプルが充実し、ホテルからの問い合わせも増えている。既存のパネル製品の売上も伸び、相乗効果で収益拡大につながっているという。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    地元のツキ板販売から内装デザインパネルへ展開し、直近3年増収増益と売上の7割を関東で占める成長を記載しており、事業の一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    アクリルをNCルーターで切削する技術は国内でも希少な事例と分析されており、他社との差別化の強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    物件減少で需要が減る課題を認識し、切削工程がボトルネックだと特定して新NCルーターを導入した経緯が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    業績は好調と書かれているが、付加価値額や賃上げに関する具体的な目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    加工外注先と2ヶ月かけて改善を重ねた経緯は読み取れるが、体制や人材の具体的な配置は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    設計者に直接提案し、使用例カタログや3DCADで完成イメージを示すなど、顧客と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    アクリル試作やアートワークの販売拡大、海外展開の構想は書かれているが、具体的なスケジュールや期限は示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金2,000万円と増収増益は記載されているが、資金調達の計画や金融機関からの調達見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    アクリルの切削技術は国内でも希少な事例と分析されており、新しい分野での差別化と高付加価値化をうかがわせる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    東京の商業施設や五輪関連需要に触れているが、川上・川下への波及効果や雇用創出の具体的記述はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    3DCADで完成イメージを具現化して提案する手法は書かれているが、先端的デジタル技術による業界イノベーションとしての位置付けは薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    アートワーク分野への新市場開拓や海外展開の構想が書かれているが、日本経済の構造転換に資する根拠は示されていない。

  • 地域経済への波及2

    大川市の天然木ツキ板を出発点とする点は地域性がうかがえるが、地域の雇用や経済成長への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ホテルのアートワークで実績を上げて認知度を高めるとともに、デザイナーへの提案で市場開拓に注力する。将来的には照明を当てた提案や他素材との組み合わせを計画し、海外の様々な国や施設への展開も図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。