ものづくり補助金平成24年度奈良県

桶の側板(くれ)の自動木取り機の開発

ダイワ産業株式会社

この事例のポイント

  • 桶の側板(くれ)の木取りは丸のこを使った職人の手作業に依存し、微細なくるいも許されない熟練を必要とするため人件費も高い。
  • 丸のこを使った職人の手作業で行っていた桶の側板(くれ)の切出し作業を自動機械化し、熟練作業を代替した。
  • 側板の切出し作業を自動機械化したことで、職人の熟練作業を代替し、データ制御により高精度を維持しつつ工程を簡素化して小ロット・短納期対応が実現できた。

事業者のプロフィール

事業者名ダイワ産業株式会社
所在地奈良県 高取町
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野組込みソフトウェア
従業員数32人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

桶の市場は、家庭用品では寿司桶(飯台)やおひつ、外食産業では寿司・刺身盛り付け桶や釜揚げうどん桶、温泉旅館・ホテルの湯桶が中心である。外食産業では海外への広がりも出ている。どの市場でも海外(中国)製品との競合は避けられず、価格では劣るため、小ロット・短納期・品質における優位性で競争している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能桶の側板(くれ)の木取りは丸のこを使った職人の手作業に依存し、微細なくるいも許されない熟練を必要とするため人件費も高い。
  • その他側板の木取り作業には怪我の危険性がある。
  • その他側板は24枚の場合に側面へ7.5度の角度とテーパーをつけるが、その仕上げ精度が微妙にずれることがあり、原因がなかなか分からなかった。

やったこと

丸のこを使った職人の手作業で行っていた桶の側板(くれ)の切出し作業を自動機械化し、熟練作業を代替した。データ制御により高精度を維持しつつ工程を簡素化し、小ロット・短納期に対応できるようにした。切出し精度のずれは、材質の産地の違い(堅さの違い)や目の粗さ等により丸のこのセンターが微妙にぶれることが原因と突き止めた。丸のこの歯は、メーカー、直径、厚さ、材質、あさり(材料との抵抗を減らすため、のこぎりの歯の先端を一歯ごとに左右に開くこと)等を変えて20数種類を試し、ぶれのない歯を絞り込んだ。歯の絞り込みにより作業スピードも向上した。

加工機桶の側板(くれ)自動木取り機

事業の効果

側板の切出し作業を自動機械化したことで、職人の熟練作業を代替し、データ制御により高精度を維持しつつ工程を簡素化して小ロット・短納期対応が実現できた。自動化により怪我の危険性を払拭し、パート社員でも操作できるようになったため全体的なコストダウンが可能になった。丸のこの歯の絞り込みにより作業スピードも向上した。今後の目標は桶製品の年間売上増加額を1年目1000万円、3年目5000万円、5年目1億円とすることである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    桶市場の国内・海外拡大と中国製品との競合を背景に木取り機械化を位置付けているが、既存事業との過去の取組の連続性は示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット・短納期・品質の優位性を活かす方針と、木取り工程の自動化による非価格競争力の強化が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    木取り工程の職人依存と怪我の危険を課題とし、1日200~250個の手作業を自動化して工程簡素化と量産化を図る計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間売上増加額を1年目1,000万円、3年目5,000万円、5年目1億円と数値で示しており、2台目の機械で増産する計画も書かれている。

  • 事業を進める体制2

    事業化課題の解決で丸のこの歯20数種類を試行した記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記載はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小ロット・短納期・高品質を強みとする顧客価値は読み取れるが、ターゲット顧客やニーズの裏付けは具体的に整理されていない。

  • 事業化までの道筋4

    丸のこの歯の種類を20数種類から試して絞り込んだ過程と、ズレの原因を特定した経緯が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    桶市場は寿司桶や湯桶など既存の分野であり、高水準の高付加価値化を示す記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外市場への拡大や怪我の危険性の払拭はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明記されていない。

  • 費用対効果3

    1日200~250個の手作業の自動化や売上目標は示されているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    データ制御による高精度化は読み取れるが、サプライチェーンや地域のイノベーションへの貢献は記述されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良県高市郡の木製品製造企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用や成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

3年目以降は2台目の機械設備で増産を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

沖縄県平成24年度

CAM・CAD導入による裁断作業等の効率化

ものづくり補助事業により、アパレルCAMシステム(New P-CAM181L)とアパレルCADシステム(SDS-ONE APEX3-2、P…

効果:裁断作業の人員 3人→2人

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。