ものづくり補助金平成26年度製造業福岡県

高周波接着機導入による生産能力強化と新たな販路の開拓

株式会社筑紫工業

成果接着剤の塗布量は2/3ですむ。

この事例のポイント

  • プライマーの乾燥に夏4時間、冬6時間かかり製造リードタイムが長い。
  • 改装額縁構造の工法「リマド」の製造に、高周波フラッシュ接着機を自社に合うよう設計して導入した。
  • 接着剤の塗布量は2/3ですむ。高周波接着機の導入により、芯材の乾燥時間が不要になって製造リードタイムが大幅に短縮され、仕掛品もなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社筑紫工業
所在地福岡県 那珂川市
業種木材・木製品製造業
従業員数28人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

同社は昭和48年に創業し、昭和58年からVカット工法による化粧シート貼り内装造作材を製造している。大手メーカーの参入で価格競争が厳しくなったため、低価格帯を避けて付加価値を追求する分野へ注力してきた。生産は全て受注生産で、小ロット多品種に対応するためVカットマシーンを使い続けてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力プライマーの乾燥に夏4時間、冬6時間かかり製造リードタイムが長い。
  • 品質・精度製品に反りやねじれが発生することがある。
  • コスト・採算特殊な接着剤を使うためコストがかかる。
  • 人手・技能接着技術は長年の経験を要するが、技術の伝承が難しく多能工化が進んでいない。
  • 納期・工程仕掛品が多い。

やったこと

改装額縁構造の工法「リマド」の製造に、高周波フラッシュ接着機を自社に合うよう設計して導入した。接着剤の乾燥に代わり高周波で内部の水分を発熱させ、養生時間を入れても1本当たり40秒ほどで仕上がるようにした。気温や湿度、材質に応じたプレス時間のデータを集計して高周波接着機に入力し、新人でも長年の経験を積んだ職人と同じような接着ができるようにした。これにより芯材の乾燥時間が不要になり、仕掛品がなくなった。

加工機高周波フラッシュ接着機

新しい製品・サービス:改装額縁構造を形成する工法「リマド」

事業の効果

  • 接着剤の塗布量は2/3ですむ。
  • 高価なプライマーから一般のボンドに変更になったので、キロ当たりの単価を半分ほどに削減することができた。
  • 高周波接着機により1本当たり40秒ほどで仕上がる。

高周波接着機の導入により、芯材の乾燥時間が不要になって製造リードタイムが大幅に短縮され、仕掛品もなくなった。接着剤の使用量と単価が下がり、反りなどの変形もほぼ生じなくなった。新人でも熟練者と同じような接着ができるようになり、作業負担が軽減されて労働環境も改善した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和58年からのVカット内装造作材製造が基盤で、高周波接着機導入は既存事業の延長として位置付けられるが、経営戦略上の明確な位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手参入で価格競争が厳しくなり付加価値分野へ注力したと記載あり。小ロット多品種対応やリマド販路開拓など強みを示している。

  • 課題の認識と解決4

    接着工程の養生時間が夏4時間・冬6時間かかっていた課題を挙げ、1本当たり40秒ほどに短縮された数字も示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    接着剤使用量2/3、単価半減などの数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員28人、新人でも接着可能になったと記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ドア枠・窓枠の化粧シート貼り材をリフォーム用に投入する計画と、ゼネコン・不動産管理業者などへの顧客拡大が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    リフォーム用商品投入や全国販路拡大など今後の方向は書かれているが、スケジュールや課題解決の具体的方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ラッピング主流の中で小ロット多品種向けVカット工法を維持し高付加価値分野へ注力したと記載があり、同分野での高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    職人不足の企業から評価されると記載があるが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    接着時間や剤コストの削減数字はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    データを高周波接着機に入力し新人でも接着可能にした点はわずかにデジタル活用がうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    福岡県の企業で九州・山口を中心に事業を行うとあり地域性はうかがえるが、地域経済成長を牽引する記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

リマドを全国販売し、リフォーム用商品としてドア枠・窓枠の化粧シート貼り内装造作材の投入を考えている。顧客は建設会社やリフォーム業者に加え、不動産管理業者、ハウスクリーニング業者など新たな顧客にも広げる計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。