ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業佐賀県

マイナス35℃の不凍液が付着した袋詰冷凍食品の製造環境改善事業

岩田屋フード 株式会社

成果1回当たりの冷凍能力 100袋→280袋

この事例のポイント

  • 受注の増加に伴い、厳しい環境下で作業する従業員の負担が増している。
  • 冷却方法を、冷たい気体による一般的な方法から、液体(エチルアルコール)を用いた急速冷凍に変更した。
  • 1回当たりの冷凍能力 100袋→280袋。冷却方法を気体から液体に変更したことで冷却時間が大幅に短縮され、チャーシューの加熱後包装商品の試作では細胞破壊が防がれ…

事業者のプロフィール

事業者名岩田屋フード 株式会社
所在地佐賀県 鳥栖市
業種各種商品卸売業
技術分野製造環境
従業員数50人
資本金1億円
設立1983年

事業の背景

食肉加工品を不凍液で冷凍する方法は、お客様から高い評価を得ており、販売量は年々増加している。受注の増加に伴い、厳しい環境で作業する従業員の負担が増えていた。一方で、この作業環境を改善する機械はなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能受注の増加に伴い、厳しい環境下で作業する従業員の負担が増している。
  • 人手・技能マイナス35℃の不凍液が袋表面に付着して水切れが悪く、作業員がタオルで拭き取る作業が発生している。
  • 新製品・新技術この厳しい環境を解決する機械が存在しなかったため、作業改善を目的とした機械設備の開発・製造が必要だった。

やったこと

冷却方法を、冷たい気体による一般的な方法から、液体(エチルアルコール)を用いた急速冷凍に変更した。約マイナス35℃でアルコール65%の不凍液とその混合気体を用い、工場1階に下部缶体を設置し、その上に上部缶体を載せて作業場を取り付けた。電動横行式ローヘッド式電気チェーンブロックで、商品を入れた傾斜台車を上下にスライドさせる方式を採用し、既製籠を斜めにセットできる台車を製作した。霜の発生を防ぐため厚さ100mm程度の発泡ウレタン断熱材を施工し、断熱材が使えない開閉箇所には電熱ヒーターを取り付けて結着を防いだ。引き上げた食品袋の付着液については、圧縮気体やファンで飛ばす実験を行い、吹き出しの強さや吹き出し口の角度を調整して最適な方法を導いた。

その他アルコール冷凍装置
その他電動横行式ローヘッド式電気チェーンブロック
その他傾斜台車

新しい製品・サービス:アルコール冷凍装置

事業の効果

  • 1回当たりの冷凍能力 100袋→280袋

冷却方法を気体から液体に変更したことで冷却時間が大幅に短縮され、チャーシューの加熱後包装商品の試作では細胞破壊が防がれ、ドリップが滲み出ず品質劣化が生じないことが確認された。新規に開発した冷凍装置により冷凍数量が増え、生産性が2~3倍に向上した。袋表面の不凍液を圧縮空気で除去する機能により拭き取り作業を廃止でき、作業員の労働環境が改善された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    受注増加と作業負担の課題は書かれているが、過去の事業活動との一貫性や経営戦略上の位置付けは読み取れません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    不凍液冷凍食肉の品質に高い評価があり販売量が年々増加している点はうかがえるが、競争優位の分析は具体的に書かれていません。

  • 課題の認識と解決4

    拭き取り作業と冷凍時間の課題を特定し、冷却時間短縮で100袋から280袋へ生産性2~3倍と具体的な効果が示されています。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    2~3倍の生産性向上と残業抑制が述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていません。

  • 事業を進める体制2

    従業員50人、設立昭和58年とわずかに体制はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記述はありません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質を保ったまま冷却時間を短縮できる点や食肉業界への普及を目指す点は読めるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄いです。

  • 事業化までの道筋4

    液体冷媒への変更、断熱材や電熱ヒーターの対策、圧縮気体の実証など、課題の解決方法と検証の流れが具体的に書かれています。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    食肉の不凍液冷凍は一般的でない手法とうかがえるが、普及度や高付加価値化の水準を示す記述は少ないです。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    食肉業界への装置普及で社会貢献すると述べられているが、経済波及や雇用創出の数値は書かれていません。

  • 費用対効果4

    投入額は書かれていないが、冷凍数量100袋から280袋へ2~3倍の生産性向上と残業抑制など効果が数値つきで示されています。

  • イノベーションへの貢献3

    機械化による食肉カットやパッキング効率化の展望は読めるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献の記述は薄いです。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    佐賀県鳥栖市の地域企業とわずかにうかがえるが、地域の特性を活かした成長や雇用創出の記述はありません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

品質を保ったまま急速冷凍技術を活かし、増加する受注に対応できる体制を構築する。作業負担の軽減や高効率化により残業などの負担を抑え、休日の確保にも貢献する。今後は装置製作に関する特許を取得し、同様の悩みを抱える食肉業界へ普及させたいとしている。また、食肉カットの機械化後の工程であるパッキング化の効率化にも取り組む予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。