ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業長崎県

玉葱生産の収穫支援と機械化による売上拡大と付加価値向上

株式会社大地のいのち

成果取引量 800トン→1,000トン

この事例のポイント

  • 玉葱の収穫時に必要な人手の確保が困難になり、賃金も高騰している。
  • 一農家では機械化の導入が難しいため、同社で玉葱茎葉切収穫機、玉葱根切掘上機、玉葱収穫機、オニオンタッピングマシーンを導入し、収穫作業を代行する収穫支援サービスを展開した。
  • 取引量 800トン→1,000トン。収穫作業の機械化により生産者の労力が軽減され、他品目の野菜も作るようになるなど農家の技術継承に貢献した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大地のいのち
所在地長崎県 西海市
業種飲食料品卸売業
従業員数50人
資本金2,500万円
設立2007年

事業の背景

大地のいのちは遊休農地の活用を目指し、農家に農作物の生産を委託して収穫支援、卸、加工販売を行っている。取り扱う玉葱は年間800トン程度の取引がある。近年は生産者の所得減少と人手不足・賃金高騰により、生産現場が縮小を余儀なくされていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能玉葱の収穫時に必要な人手の確保が困難になり、賃金も高騰している。
  • 生産能力小さな畑が点在する長崎県では一農家が機械を導入するのは厳しく、収穫は手作業に頼らざるを得ない。
  • 生産能力生産者の所得が減り、規模拡大もできず縮小せざるを得ない状況になっている。
  • 販路・情報発信玉葱は根切り・葉切りの流通が主流で、加工・業務用でも根付き・葉付きの販路が広がっていなかった。

やったこと

一農家では機械化の導入が難しいため、同社で玉葱茎葉切収穫機、玉葱根切掘上機、玉葱収穫機、オニオンタッピングマシーンを導入し、収穫作業を代行する収穫支援サービスを展開した。農家は同社に委託する形で作業負担が軽減され、生産規模を広げられる仕組みとした。あわせて、加工・業務用では根切り・葉切りを省いた根付き・葉付きの流通形態を広めた。2018年5月に完成した崎戸新工場では、さつまいもを使った干しいも・焼きいもの製造も始めた。

加工機玉葱茎葉切収穫機
加工機玉葱根切掘上機
加工機玉葱収穫機
加工機オニオンタッピングマシーン

新しい製品・サービス:干しいも・焼きいも(崎戸新工場で製造)

事業の効果

  • 取引量 800トン→1,000トン
  • 収穫作業の機械化により所得が3倍になった農家もいる。

収穫作業の機械化により生産者の労力が軽減され、他品目の野菜も作るようになるなど農家の技術継承に貢献した。生産規模を広げ、所得が3倍になった農家もいる。取引量は1,000トンまで拡大し、加工・業務用では根付き・葉付き玉葱が当たり前になった。「農業がやっと楽しくなった」との声も聞かれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    遊休農地の活用と農家からの委託、収穫支援・卸・加工販売の事業構成が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    根付き・葉付きで安く提供できる流通形態へのシフトや主婦向けカット玉葱の需要に触れるが、市場分析と自社の強み・弱みの関係は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    人手不足と賃金高騰で生産者の所得が減ったという課題を明示し、機械化による収穫支援と販路改善で所得が3倍になった農家もあると結果も示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    取引量が年間800トンから1,000トンに拡大したと実績が示されるが、今後の付加価値向上や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    崎戸新工場の完成や収穫支援の運営は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    根付き・葉付きを加工・中食・外食向けに展開し、カット玉葱の需要も挙げているため顧客ターゲットは読めるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は加工による付加価値化と販路拡大を狙うとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    玉葱の根付き・葉付き流通を業務用で当たり前にしたとあるが、同分野での高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    農家の所得向上と遊休農地の活用、農家の技術継承への貢献が書かれ、地域の雇用や生産基盤への効果がうかがえる。

  • 費用対効果4

    収穫作業の機械化で取引量が800トンから1,000トンに拡大し、農家の所得が3倍になった例もあると具体的な数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による収穫支援と販路改善は読み取れるが、先端的なデジタル技術の活用は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    加工品の製造や業務用流通への展開から、農業の構造転換への一端がうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    長崎県の小さな畑が点在する地域特性を踏まえ、農家の所得向上と雇用の維持に取り組んでいることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は農作物そのものだけでなく、加工により付加価値をつけて販路をさらに広げたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

福岡県卸売業、小売業平成27年度

糸島産ミルク牡蠣の輸出事業の展開

加工場に、カキをコンベヤーに乗せた後にカキを別々に分けるばらし機と、内部が回転する洗浄機を導入した。

効果:1時間当たりの処理能力が約2~3倍に高まっている。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。