ものづくり補助金平成26年度製造業大分県

研削盤の導入による研磨工程の精度向上と生産性向上を通じた受注拡大

玖珠中央発条工業株式会社

成果再加工を繰り返していた工程が、新しい研削盤では一度の研磨で済むようになり、実際の工程も3分の1となった。

この事例のポイント

  • 既存の平面研削盤は旧式のため製品の品質にばらつきがあり、CP値が1.0から1.33の間を行き来して不安定だった。
  • 工差0.015ミリという超精密な品質が求められるシム(自動車部品)の加工に使うため、高精度な立軸ロータリー平面研削盤を導入した。
  • 再加工を繰り返していた工程が、新しい研削盤では一度の研磨で済むようになり、実際の工程も3分の1となった。新しい立軸ロータリー平面研削盤の導入により、CP値が常に1.33を上回る安定した品質を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名玖珠中央発条工業株式会社
所在地大分県 玖珠郡玖珠町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数80人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

玖珠中央発条工業は昭和47年設立の金属製品メーカーで、金型設計・制作によるプレス加工、レーザー加工機を使った板金加工、業務用冷蔵庫の部品生産の三本柱で事業を行っている。プレス加工では国内の大手自動車メーカーなどと取引している。平成21年度は東日本大震災の影響で大きく落ち込んだが、その後は市場が回復しており、今後のさらなる市場拡大が期待されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の平面研削盤は旧式のため製品の品質にばらつきがあり、CP値が1.0から1.33の間を行き来して不安定だった。
  • 人手・技能CP値が1.33を下回ると、すべての部品を一つずつ測定して規格適合を確認しなければならず、大変な時間と根気を要していた。
  • 生産能力金属製品の研磨には高い精度が求められるが、既存設備では作業に時間がかかり生産性が低いことが問題だった。

やったこと

工差0.015ミリという超精密な品質が求められるシム(自動車部品)の加工に使うため、高精度な立軸ロータリー平面研削盤を導入した。新しい機械はデジタル制御により一度の研磨で求める寸法に仕上がるようになっており、再加工が不要になった。導入後はCP値が常に1.33を上回る安定した稼働を実現している。

加工機立軸ロータリー平面研削盤

事業の効果

  • 再加工を繰り返していた工程が、新しい研削盤では一度の研磨で済むようになり、実際の工程も3分の1となった。
  • CP値 1→1.33

新しい立軸ロータリー平面研削盤の導入により、CP値が常に1.33を上回る安定した品質を実現した。CP値が1.33より上なら検査なしで次の工程に進めるため、作業時間が大幅に削減された。デジタル制御により再加工が不要となり、作業時間と工程自体が削減され、すべての面で作業効率が格段に向上した。取引先の高精度化する要求にも応えられる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    プレス・板金加工の既存事業と取引先の要求増加に触れているが、研削盤導入が経営戦略上どう位置付けられたかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先からの高精度要求の増加や同業他社に対する強み(一度に加工できる量が多い)が書かれ、競争優位性がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    CP値が1.0〜1.33を行き来していた課題に対し、CP値1.33超の安定化と工程が3分の1になったことが数値で示されている。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    CP値1.33超の安定や工程3分の1という結果はあるが、導入前の目標値や付加価値・賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先の高精度ニーズや信号機・自動車部品向けの製品特性は書かれているが、顧客ターゲットの整理や選ばれる理由の裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は技術を社内の別部門に展開すると述べられているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    シムの工差0.015ミリという高精度品の製造で、同分野の高水準化を図る内容がうかがえるが、高価格化の記載はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品など国内大手メーカーとの取引や信号機部品の製造に触れるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業時間の大幅削減や工程3分の1という効果は読み取れるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル制御の研削盤導入というアナログからデジタルへの転換は書かれているが、地域やサプライチェーンへの貢献は述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大分県玖珠町の地域企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への牽引効果の記載は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はこの技術を社内の別の部門にも展開し、取引先の要求を100%満たせるような高度な金属加工技術へ昇華させたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。