ものづくり補助金平成27年度建設業青森県

「かんな盤」導入による木材加工の生産性向上

株式会社大山建工

この事例のポイント

  • 南部アカマツはひずみや比重が大きく、従来のかんな盤では寸法・角度が正確に仕上がらない。
  • 自動四面、オートリターン機能、マイコン制御、自動位置決め装置の四項目を満たす機種を条件に、マルチ自動四面かんな盤を導入した。
  • 南部赤松の床材6坪の作成が1時間30分短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大山建工
所在地青森県 五戸町
業種総合工事業
技術分野立体造形
従業員数400人
資本金7,000万円
設立1984年

事業の背景

当社は木造軸組工法による注文住宅の施工を業としており、茶室や数寄屋建築などの和風建築にも力を入れている。木造住宅は年々減少しているが、東京オリンピック・パラリンピックの開催を機に和風建築の需要が増えると想定されている。青森県の特産品である「南部アカマツ」を和風建築に利用したいが、従来の素材に比べてひずみや比重が大きいという欠点がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度南部アカマツはひずみや比重が大きく、従来のかんな盤では寸法・角度が正確に仕上がらない。
  • コスト・採算寸法・角度を補正するために多くの工数を要する。
  • 生産能力一面ずつ加工を繰り返すため、四面の加工が仕上がるまでに時間がかかる。
  • 人手・技能作業員の負担が大きく、腰痛・膝痛を発症する危険性が高い。

やったこと

自動四面、オートリターン機能、マイコン制御、自動位置決め装置の四項目を満たす機種を条件に、マルチ自動四面かんな盤を導入した。導入機は、セレクトスイッチによるかんな面数の自動設定、オートリターン機能、加工幅・加工厚の自動設定記憶機能、送りロールの自動位置決め機能、送り速度の自動変速機能を備えている。従来設備と比較検証を行い、南部アカマツの木材加工の生産性向上と品質安定を図った。

加工機マルチ自動四面かんな盤

事業の効果

南部赤松の床材6坪の作成が1時間30分短縮された。年輪がきれいにカットされ凹凸がなく仕上がり、90度の南部赤松角材もひねりがなく正確にできるようになった。寸法・角度の正確な木材が四面同時に仕上がり、作業員の負担も少なくなった。加工品の修正作業がなくなり、コスト削減、工程短縮、品質向上に寄与している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    和風建築への注力と南部アカマツ利用という過去からの方向性は読めるが、経営戦略上の位置付けは文章中で明確に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    南部アカマツの八角丸太の家づくりは当社だけが提供できると明記され、外部需要と自社の強みを結びつけた優位性が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    従来かんな盤での寸法・角度の不正確さや補正工数、腰痛・膝痛リスクという課題を示し、導入で解決する計画になっている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    床材6坪の加工時間を1時間30分短縮と数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    南部アカマツの八角丸太の家づくりという製品と、これまで利用をためらっていた建築主という対象は読めるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備と効果は示されるが、中長期の課題検証や遂行スケジュールについての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    八角丸太の家づくりを提供するのは現在当社だけとされ、同分野で高付加価値化を図る内容であることが読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域資源の南部アカマツ利用や青森県の特産品活用は読めるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    床材6坪で1時間30分短縮、工数削減やコスト削減の記述はあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    かんな盤の自動化は示されるが、先端的デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献はわずかにうかがえる程度。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    青森県の特産品である南部アカマツを活用し、丸太から部材まで使い切る地域資源利用が具体的に記述されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

建築事業に南部アカマツを用いた八角丸太生産と八角丸太の家づくりをメニューとして追加し、現在これを行えるのは当社だけであるため、売上増加を図る。丸太から梁材を採り、周りの材から床材、壁材、天井材を製作して木材を余すところなく使い切ることで、コストの低下と資源の有効利用を実現する。これにより、高価で工期がかかることから利用をためらっていた建築主の南部アカマツ利用を促進していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。