建築部材の製造リードタイム短縮による神社仏閣工事の工期短縮化

島根県の建設業が、ものづくり補助金で大型の縦軸付自動かんな盤を導入し、神社仏閣工事の工期短縮を目指した採択事例です。

有限会社金田建築

成果最大加工幅 500ミリ→650ミリ

この事例のポイント

  • 従来の自動鉋盤では最大幅500ミリの木材しか加工できず、それを超える大型部材は手作業で加工せざるを得ませんでした。
  • 業界最大級の縦軸付自動かんな盤(形式:ADR-651CP)を導入しました。
  • 最大加工幅 500ミリ→650ミリ。2面同時に削れる大型の縦軸付自動かんな盤の導入により、大型建築部材の加工が可能になりました。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社金田建築
所在地島根県 大田市
業種総合工事業
技術分野表面処理
従業員数12人
資本金750万円
設立1975年

事業の背景

同社は松江城や出雲大社の工事にも携わってきた歴史があり、宮大工を抱えて社寺建築や修理に高い評価を受けています。一方で、価値観の多様化や人口減少により社寺の新築修繕が減り、宮大工も減少しています。

新建材の普及や低コスト化、短納期化が進み、木造住宅も減ってきています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の自動鉋盤では最大幅500ミリの木材しか加工できず、それを超える大型部材は手作業で加工せざるを得ませんでした。
  • 生産能力1面ずつしか削れないため手間がかかり、ロスも出ていました。

やったこと

業界最大級の縦軸付自動かんな盤(形式:ADR-651CP)を導入しました。この機械は2面同時に削ることができ、最大幅650ミリまで対応可能です。

これにより大型建築部材の加工が可能になりました。導入後は板材の歩留まりが10%からゼロに減少し、1棟あたりの木材加工に費やす平均時間も大幅に減少しました。

重要文化財の材料加工にも使われ、高い評価を受けています。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • 縦軸付自動かんな盤形式:ADR-651CP設備の種類:木工機械

事業の効果

  • 最大加工幅 500ミリ→650ミリ
  • 板材の歩留まり 10%→0%

2面同時に削れる大型の縦軸付自動かんな盤の導入により、大型建築部材の加工が可能になりました。板材の歩留まりが改善し、木材加工の平均時間も大幅に減りました。

これにより、神社仏閣の保存・修繕工事の工期短縮と受注拡大につながっています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち11観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性従来機の最大500ミリを超える最大650ミリに対応し、板材の歩留まりが10%からゼロに減ると示され、宮大工の技術と設備を組み合わせた強みが明確。
  • 4
    事業を進める体制1級建築士や2級建築士、1級大工技能士、文化財建造物木工技能者、1級古民家鑑定士など有資格の技術者を抱え、補助事業を遂行する人材が確保されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け重要文化財の材料加工を担い高い評価を受けた実績があり、神社仏閣の保存修繕需要と選ばれる理由が整理されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標加工時間の大幅減少とあるが具体的な付加価値額や賃上げの目標値が示されておらず、実現可能性を数字で判断できない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    祖先が松江城や出雲大社の工事に携わり、社寺建築の実績を重ねてきた歴史があり、伝統技術を生かした受注拡大という一貫した方向性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    従来機の最大500ミリを超える最大650ミリに対応し、板材の歩留まりが10%からゼロに減ると示され、宮大工の技術と設備を組み合わせた強みが明確。

  • 課題の認識と解決3

    社寺の新築修繕減少や宮大工の減少という課題を認識し、大型部材の加工時間短縮で保存・修繕工事の受注拡大につなげる計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工時間の大幅減少とあるが具体的な付加価値額や賃上げの目標値が示されておらず、実現可能性を数字で判断できない。

  • 事業を進める体制4

    1級建築士や2級建築士、1級大工技能士、文化財建造物木工技能者、1級古民家鑑定士など有資格の技術者を抱え、補助事業を遂行する人材が確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    重要文化財の材料加工を担い高い評価を受けた実績があり、神社仏閣の保存修繕需要と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    設備導入で受注拡大の体制が整ったと述べるが、スケジュールや課題解決の具体的な進め方は記載されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    業界最大級の縦軸付自動かんな盤を導入し、最大幅650ミリ対応は同分野で高水準の加工能力を示し、高付加価値化につながる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    石見地方の社寺建築の対応会社が限られる中、文化財や古民家再生の需要に応え地域全体の実績づくりにつなげる点は地域の社会的意義がある。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    大田市の伝統的建築技術を活かし、県内から中四国地方へ受注を広げる計画で、地域の特性を生かした事業として具体性がある。

今後の展望

中四国地方などからの受注拡大を目指し、古民家再生の需要にも対応していく考えです。

事業者の声

建築部材の製造リードタイムが短縮し、文化財や神社仏閣の保存・修復工事の受注拡大への体制が整いました

和室に床の間がないどころか、片流れの屋根が増え、棟すらない家も。建物が簡易化し、職人の数も技術も失われつつあります

培ってきた伝統技術と、新設備を活用し、県内だけでなく中四国地方などからの受注も担っていきたい。同時に木で造る建物の魅力も伝えていければ

地域全体として実績を重ねていくことができれば

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。