ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

ポーラスとスチロラムダの発泡スチロール体多層成型ボードの新開発計画

東北資材工業 株式会社

成果金型の可動域により10mm〜200mmの間で変更可能

この事例のポイント

  • 漁獲高の減少により、売り上げの7割以上を占める魚箱の需要が落ちつつあり、魚箱に依存しない事業開発が急務だった。
  • 通水・通気ができるポーラス層と、カーボン原料を添加して断熱性能を高めたソリッド層を組み合わせた発泡スチロール体多層成型ボードを開発した。
  • 金型の可動域により10mm〜200mmの間で変更可能。世界初の発泡スチロール体多層成型ボードの技術を確立し、断熱効果が高く排水層も備えた新しい湿式外張断熱材を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名東北資材工業 株式会社
所在地岩手県 花巻市
業種プラスチック製品製造業
技術分野機械制御,複合・新機能材料
従業員数145人
資本金1億円
設立1966年

事業の背景

当社は発泡スチロール成型品を製造販売しており、売り上げの7割以上を魚箱が占めている。近年は漁獲高が減少傾向にある。一方、2020年に住宅の改正省エネ基準の義務化が決まり、ゼロエネルギー住宅推進の後押しもあって、住宅の高断熱化は不可欠になりつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力漁獲高の減少により、売り上げの7割以上を占める魚箱の需要が落ちつつあり、魚箱に依存しない事業開発が急務だった。
  • 新製品・新技術魚箱に依存しない新事業として、住宅建材としての発泡スチロール活用法を開発する必要があった。

やったこと

通水・通気ができるポーラス層と、カーボン原料を添加して断熱性能を高めたソリッド層を組み合わせた発泡スチロール体多層成型ボードを開発した。その製造のため、固定側の凹型を可動させる可変型の金型を試行錯誤の末に開発し、搭載した成型機で金型内に追加の新素材を入れられるようにした。可動域によりソリッド層とポーラス層の厚さを10mm〜200mmの間で変更可能にした。ボードの密着性を高めるためメッシュ模様も施した。ソリッド層にはポーラス層でできた通気穴を配置し、4箇所の穴で一体成型を可能にした。

金型可変型の金型(多層成形金型凹型)
加工機成型機

新しい製品・サービス:発泡スチロール体多層成型ボード(ポーラス層とソリッド層を組み合わせた高断熱の住宅建材。層の厚さを自由に設定でき、通気・通水性と断熱性を併せ持つ)

事業の効果

  • 金型の可動域により10mm〜200mmの間で変更可能

世界初の発泡スチロール体多層成型ボードの技術を確立し、断熱効果が高く排水層も備えた新しい湿式外張断熱材を実現した。雨水や結露による柱や下地材の腐食・劣化を防ぎ、住宅の長寿命化に貢献する。居住しながら施工できるためリフォーム市場でも大きな需要が見込める。成型精度の向上と、市場ニーズに合わせた製品づくりが可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    魚箱依存からの脱却が急務とされ、住宅建材への展開が新事業として位置づけられている。過去の取組との連続性は明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    住宅の改正省エネ基準義務化やゼロエネ住宅推進を外部環境として挙げ、断熱・排水性能を持つ世界初の技術で差別化している。

  • 課題の認識と解決3

    魚箱売上が7割以上で漁獲減少という課題は示されている。ただし高付加価値化の定量的な計画は書かれていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    断熱・通気排水の機能、10〜200mmの厚み可変、リフォーム需要など、製品価値と顧客像が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    構造と防火認定を取得次第、展示会出展や営業活動で販売促進を進めるとの順序は示されているが、期限や詳細なスケジュールは不明。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    世界初の発泡スチロール体多層成型ボード技術で、ソリッド層とポーラス層を一体成型し、厚み10〜200mmの可変金型を開発している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    住宅の高断熱化や長寿命化という社会的要請への対応が示されるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    可変金型と多層一体成型というデジタル化ではない技術革新が示される。サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは限定的。

政策面60%
  • 成長分野への進出4

    住宅の省エネ基準義務化やゼロエネ住宅推進を背景に、断熱材市場という成長分野へ進出する内容が具体的に書かれている。

  • 地域経済への波及2

    岩手県花巻市に所在することはわかるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出については記述が乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

構造と防火認定を取得次第、展示会への出展や営業活動を展開し、販売促進を進めていく。

事業者の声

今後は製品の良さのPRに力を入れて行きたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。