ものづくり補助金平成27年度建設業岩手県

三次元計測技術を利用したBIMモデルの作成による施工プロセスの省力化

株式会社近藤設備

成果現場調査、図面化業務の所要時間が半減

この事例のポイント

  • 既存建物の設備改修に必要な図面作成は現地で手作業のスケール計測とCAD化が必要で、多大な労力と費用がかかっていた。
  • 三次元計測技術を使う3Dレーザースキャナーを導入し、構造物の寸法や形状を非接触で計測して三次元座標データとして記録し、モデル化した。
  • 現場調査、図面化業務の所要時間が半減。現場調査と図面化の所要時間が半減し、施工時図面の作成は手作業の1週間から10日ほどが3〜4日ほどに短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社近藤設備
所在地岩手県 北上市
業種設備工事業
従業員数84人
資本金3,000万円
設立1992年

事業の背景

1974年に雪深い西和賀町で創立した会社で、サブコンの下請けとして冷暖房空調や給排水衛生、消火、プラント配管などの設備工事を手がけてきた。2010年に三次元CADを導入して図面作成や加工管製作の時間を短縮していた。しかし既存建物の改修図面は依然として手作業の測量に頼っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算既存建物の設備改修に必要な図面作成は現地で手作業のスケール計測とCAD化が必要で、多大な労力と費用がかかっていた。
  • 人手・技能高所や狭所、暗所など現場環境が厳しく、脚立や足場を使う測定には危険が伴い、経験や資格を持つスタッフが必要だった。
  • 生産能力調査の回数が多く、採寸に時間がかかり、お客様のいない時間に作業するなどの時間的制約もあった。

やったこと

三次元計測技術を使う3Dレーザースキャナーを導入し、構造物の寸法や形状を非接触で計測して三次元座標データとして記録し、モデル化した。カメラで撮影したポイントは1個ずつファイルになり、6ポイントのスキャンは1時間程度で、スキャン範囲は1ポイント直下を除く360メートル全方位とした。取り込んだデータから不要なものを削除し、施工時図面を作成する。既存のBIM作成用の3DCAD「Rebro」と連動させて活用を広げた。

検査測定3Dレーザースキャナー
ソフト3DCAD(Rebro)

事業の効果

  • 現場調査、図面化業務の所要時間が半減
  • 施工時図面作成の時間 10日→4日
  • 従来と比較し時間・人材にかかるコストが半減

現場調査と図面化の所要時間が半減し、施工時図面の作成は手作業の1週間から10日ほどが3〜4日ほどに短縮された。時間・人材にかかるコストも半減し、品質向上・コスト削減・工期短縮による施工プロセスの省力化を実現した。現場での作業が減ってスタッフの安全も確保され、県外の遠方でも日帰りから2日ほどで調査を終えられるようになり、東京でも受注が増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    2010年に3DCADを導入し設計~加工~施工一貫体制を確立、今回の3Dレーザースキャナー導入は既存の3DCADと連動させる流れで、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社との差別化ができたことや東北で3Dスキャナーを使う企業が少ないことは書かれるが、市場動向の分析は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    現地採寸の手作業の労力・費用・危険という課題を明示し、スキャナー導入で調査回数や時間が減ったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    施工時図面作成が1週間から10日を3~4日に、時間・人材コストが半減、遠方調査は日帰りから2日ほどと数字で目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    専務取締役や配管工を専業とする経験・ノウハウに触れるが、補助事業を遂行する人員体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既存建物の改修図面化を関東の研究所から依頼され受注増の成果があり、ニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    3DCADのRebroとの連動やクラウド的なデータ送付など今後の展開は示されるが、スケジュールや中長期の検証は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dスキャナーによる既存建物の図面化は地域の業界で導入が少ないとあり、一定の希少性はうかがえるが定量的根拠は薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    地域の設備工事会社として貢献すると書かれるが、雇用創出や波及効果の記述は限定的でわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    時間・人材にかかるコストが半減、調査時間が半減と具体的な効果が示されており費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dレーザースキャナーで点群データを作りBIMモデル化し、CADと連動させるデジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    BIMやデジタル化による施工プロセスの省力化はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    岩手の地域企業が県外や関東の依頼に対応する点は読み取れるが、地域特性を活かした雇用拡大の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

関東圏の研究所から老朽化した建物の図面化の依頼に取り組んでいる。配管の長さや履歴を読み込むシステムとの提携を始め、今後も省力化と簡素化で現場環境を少しでも変えようと模索している。

事業者の声

3Dスキャナーを導入したことにより新たな仕事を受注することにもつながった。東北では3Dスキャナーを使用している企業が少ないため、強みを活かしたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。