ものづくり補助金平成27年度建設業岩手県

インフラ長寿命化を実現するコンクリート維持補修システムの構築

株式会社栄組

成果噴射能力 500気圧→2,500気圧

この事例のポイント

  • 既存の500気圧のウォータージェットは出力が不足し、構造物の劣化部分を除去するにはパワーが足りなかった。
  • 最大噴射圧力2,500気圧の噴射能力を持つトレーラーウォータージェットを新規に導入した。
  • 噴射能力 500気圧→2,500気圧。2,500気圧のトレーラーウォータージェットの導入により、課題だったコンクリート劣化部の処理が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社栄組
所在地岩手県 遠野市
業種総合工事業
従業員数35人
資本金5,000万円
設立1955年

事業の背景

建設業界は新規公共事業が減少し、既存の建造物を補修して長寿命化を目指す傾向が強まっている。コンクリート構造物補修の受注増加が見込まれたため、劣化部の処理技術の確立に着手した。当社は昭和30年の創業以来、土木・建築・舗装工事やコンクリート構造物の劣化調査、補修・補強施工などを手がけ、特許工法SAPISで国内外から評価を得ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の500気圧のウォータージェットは出力が不足し、構造物の劣化部分を除去するにはパワーが足りなかった。
  • 品質・精度健全なコンクリートや鉄筋を傷つけずに、劣化した部分のみをピンポイントで取り除く方法が必要だった。

やったこと

最大噴射圧力2,500気圧の噴射能力を持つトレーラーウォータージェットを新規に導入した。超高圧水の噴射により、劣化したコンクリート部分のみを選択的に除去できるようにした。ノズルを操作する人材(ノズルマン)の技量が重要となるため、日本ウォータージェット施工協会の操作技術研修に従業員を派遣し、定期的に研修を受講させて噴射技術と安全に関する技能の向上を図っている。

加工機トレーラーウォータージェット(2,500気圧)

事業の効果

  • 噴射能力 500気圧→2,500気圧

2,500気圧のトレーラーウォータージェットの導入により、課題だったコンクリート劣化部の処理が可能になった。健全なコンクリートや鉄筋を傷つけずに劣化部だけを除去できるようになった。高速道路会社ネクスコも同型機を採用するなど、同機種の実効性は多方面で認められている。今後の受注増加が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成26年度補正ものづくり補助金でウォータージェットを導入し、今回は2,500気圧機を追加したと経緯が具体的に書かれ、継続的な取組として読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ネクスコが同機種を採用し実効性が認められたとあるが、市場規模や競合との比較に関する数字は書かれておらず、優位性は一部のみ読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    劣化部だけを除去できず健全部を傷つけていた課題を挙げ、2,500気圧機で処理可能になったと解決策が明確に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていないが、今後の受注増加の期待が述べられている程度である。

  • 事業を進める体制4

    ノズルマンを日本ウォータージェット施工協会の研修に派遣し定期受講させる体制が具体的に書かれ、人材面の確保がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ピンポイントで劣化部を除去できる製品価値と、全国から引き合いがある点は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    販路を国内から世界へ広げる方針は示されているが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    既存構造物の補修分野で高い技術を確立したとされ、新市場性は読めるが普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    道路や橋梁などインフラ長寿命化という社会的必要性が述べられているが、雇用や波及効果の数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値額の増加に関する数字は書かれておらず、効果は定性的にしか読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    ウォータージェットによる劣化部処理技術とインフラ維持補修マネジメントの構築が述べられ、イノベーションの方向性はうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    インフラの長寿命化が建設業界の大きなテーマであり、既存建造物の補修傾向が増加すると述べられ、構造転換との関連がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    岩手県遠野市に本社があり県外からの受注が増えたとあるが、地域経済への波及効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存建造物の補修需要の拡大を見込み、SAPIS工法の国際特許を現在申請中であることを機に、販路を国内から世界へ広げ、インフラメンテナンスの専門会社を目指す。

事業者の声

機械装置は日進月歩。コンクリート補修専門会社として、設備投資や人材育成に注力したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。