ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

極め細やかな顧客ニーズ対応による新しい高級清酒市場の開拓

株式会社 浜千鳥

成果1検体の分析時間 30分→10分

この事例のポイント

  • 従来の分析では1検体に30分以上かかり、商品開発で多数のサンプルを分析する際の負担になっていた。
  • 当社が製造する高級清酒をブレンドして新商品を開発するため、日本酒の味わいの指標となる「アルコール度数」「日本酒度(比重)」「酸度」「アミノ酸度」の4項目を一度に自動で測定できる分…
  • 1検体の分析時間 30分→10分。新しい分析器の導入により分析時間が短縮され、数値のデジタル表示によって測定者による差や経験による誤差がなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 浜千鳥
所在地岩手県 釜石市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
従業員数15人
資本金1,400万円
設立1923年

事業の背景

当社は1923年(大正12年)創業の造り酒屋で、地域の酒米と地元の水を使い、昭和60年代以降は特定名称酒(高級清酒)を主体とした生産体制に移行した。社内で生産する清酒のうち高級清酒の比率は7割を超え、コンテストや鑑評会で高い評価を得ている。国内の日本酒市場は減少傾向にある一方、和食関連の飲食店は減り、フレンチやイタリアンなど洋食の店が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の分析では1検体に30分以上かかり、商品開発で多数のサンプルを分析する際の負担になっていた。
  • 品質・精度目盛りや溶液の色の変化を目視で計測していたため、測定者による差や経験による誤差が生じていた。

やったこと

当社が製造する高級清酒をブレンドして新商品を開発するため、日本酒の味わいの指標となる「アルコール度数」「日本酒度(比重)」「酸度」「アミノ酸度」の4項目を一度に自動で測定できる分析器を新たに導入した。ブレンド前の酒とブレンド後のサンプルの分析に活用している。導入後は1検体の分析が30分以上から10分に短縮され、数値がデジタル表示されるようになったことで測定者による差や経験による誤差がなくなった。昨年7月の導入以降、複数のサンプル品を製作し、消費者、料理人、飲食店関係者に試飲してもらい、そのアンケート結果やヒアリング内容を商品開発に反映させている。

検査測定日本酒の味わいの指標(アルコール度数・日本酒度・酸度・アミノ酸度)を自動測定する分析器

新しい製品・サービス:外国料理(洋食)に合う日本酒としての、高級清酒をブレンドした新たな「ブレンド清酒」

事業の効果

  • 1検体の分析時間 30分→10分

新しい分析器の導入により分析時間が短縮され、数値のデジタル表示によって測定者による差や経験による誤差がなくなった。詳細で正確な分析は商品の再現性にもつながり、多数のサンプルを作成する商品開発に大きな力を発揮している。この分析により高級清酒をブレンド酒の材料としてさらに利用拡大でき、新分野の開拓で日本酒市場の拡大やブランドイメージの向上にも寄与すると考えられる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    大正12年創業で地域の酒米・水を使う味わい追求が続き、高級清酒比率7割超という実績から、既存の取組との延長線上にある計画と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    和食関連店の減少と洋食店の増加、インバウンド増加という外部環境と、高級清酒の比率7割超という強みへの言及がある。競争優位の定量的な説明は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    日本酒市場の減少という課題に対し、洋食に合う新分野の開拓で対応する方向は示されるが、売上や付加価値の目標値は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    商品開発を進める体制や人員の記載は見当たらず、サンプル製作と試飲アンケートを行っていることがわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    洋食に合う日本酒という新分野で、消費者・料理人・飲食店関係者の試飲アンケートを反映している点から、ターゲットとニーズの裏付けが具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    昨年7月の分析器導入後に開発を継続し、来年中の新商品発売を目指すという時期の記載はあるが、課題解決の段取りは概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    日本酒の味わいを洋食に合わせる新分野で、既存の和食イメージを覆す高級清酒のブレンド開発という点が明確に示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    日本酒市場の拡大や高級清酒の利用拡大、ブランド向上への寄与が述べられるが、地域経済や雇用への波及は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    分析時間が1検体30分以上から10分へ短縮され、測定誤差もなくなるとあるが、投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    分析器によるデジタル表示とデータ採取の活用はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国内日本酒市場の減少と外食の業態変化を踏まえた新市場開拓とあり、構造転換への意図がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    地域で採れた酒米と地元の水を使う地域性の記載があるが、地域の雇用や経済成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

来年中の新商品発売を目指し、開発を継続している。

事業者の声

「4項目の数値だけでは計れないのが日本酒の難しさ」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。