ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

3Dモデル活用による金型の生産性向上事業

三光化成株式会社

この事例のポイント

  • 試作金型の製作に加工工程が多く、製作時間が300〜400時間かかるため、試作金型を失注することも多かった。
  • 光造形方式の3Dプリンターを導入し、試作金型を樹脂化した。
  • 試作金型を樹脂化して短納期かつ低コストで供給できる体制が整い、試作金型の失注を減らして量産金型の受注につなげることを目指している。

事業者のプロフィール

事業者名三光化成株式会社
所在地岩手県 一関市
業種プラスチック製品製造業
技術分野情報処理,精密加工,立体造形
従業員数27人
資本金9,734万円
設立1965年

事業の背景

当社は1965年の創立以来、プラスチック部品の設計から製作、評価、出荷までの一貫生産を行ってきた。顧客は自動車、電気・電子、事務機器、衛生機器、鉄道など幅広い業界に及ぶ。アジアの金型メーカーの台頭により、国内の金型メーカーは激しい競争にさらされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能試作金型の製作に加工工程が多く、製作時間が300〜400時間かかるため、試作金型を失注することも多かった。
  • 納期・工程試作金型の短納期化とコスト削減が求められていた。
  • 新製品・新技術エンジニアリングプラスチックの業界では短納期で廉価な金型やプラスチック部品の製造が不可欠になっている。

やったこと

光造形方式の3Dプリンターを導入し、試作金型を樹脂化した。光硬化樹脂にレーザーを照射して固化させる方式で、精細な造形物を作れる。樹脂出力品は積層過程で形状安定化のためのサポート部が必要になるため、最終仕上げでそのサポート部を削り取る3D切削加工機も併せて導入した。切削には加工精度を確保するため3D切削加工機が不可欠だった。樹脂素材は金型としての強度や耐熱性が求められ、樹脂素材の耐久性を試験し、金型素材として信頼性が確認された後に試作金型の受注につなげる取り組みを進めている。

加工機光造形方式の3Dプリンター
加工機3D切削加工機

新しい製品・サービス:試作金型の樹脂化による短納期・低コストの試作金型

事業の効果

試作金型を樹脂化して短納期かつ低コストで供給できる体制が整い、試作金型の失注を減らして量産金型の受注につなげることを目指している。多品種小ロット品の受注にも対応できるようになり、売上拡大と利益増加が期待される。3Dプリンターの導入により設計者や技術者のスキルアップも進み、人材育成にも成果が出ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    金型の設計・製作を40年以上手がけ、3D CADへの移行や一貫生産体制という過去の取組から3Dプリンター導入を位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    試作金型の失注が多いことや短納期・低コスト化の必要性は書かれるが、市場動向と自社の強み弱みを比較した記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    試作金型の製作時間が300〜400時間かかる課題を示し、3Dプリンター導入で短納期化とコスト削減に取り組むと述べている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上増や利益増を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    設計者や技術者のスキルアップや人材育成の成果に触れるが、体制や人員数の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    試作金型を早く安価に供給でき、量産型に相当する精度があることや、多品種小ロット品に対応する点を示している。

  • 事業化までの道筋3

    素材の耐久性試験を進め、信頼性確認後に試作金型受注につなげる段階的な進め方が書かれるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    光造形3Dプリンターによる樹脂製試作金型は国内で実績がまだ少ないと記され、新規性と優位性が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内金型メーカーの競争激化や製品ライフサイクル短縮の背景は触れられるが、波及効果や雇用創出への言及は読み取れない。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値増加の数値は示されず、費用対効果を判断できる記述は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    3D CADや3Dプリンターによるものづくりのデジタル化への対応が述べられるが、サプライチェーンへの貢献は具体的ではない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    ものづくりのデジタル化への対応は書かれるが、日本経済の構造転換に資する点は明確には書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作金型の失注を減らし、量産金型の受注につなげて売上拡大と利益増加を目指す。数ヶ月間の限定生産や数十個から数百個の1ロット限定生産などの条件で金型を提供し、量産受注の足がかりとする。

  • 目標:試作金型の製作時間は300〜400時間を必要としていた

事業者の声

3Dプリンター出力品を射出成形金型に応用する取り組みは、国内では実績がまだ少なく、事業の成果に生かすことにより、当社の優位性を高めることができます

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。