ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

義肢装具設計製造の職人技術と3Dデジタル技術の融合による次世代プロセス構築

株式会社 岩手テクノ

成果製作工程を短縮することが可能になった

この事例のポイント

  • 義肢装具は金型で大量生産できず、採型から加工・組立て・縫製・塗装まで手作業で製作に時間もコストもかかるという課題があった。
  • 3Dハンディスキャンシステム、デジタル処理ソフト、3Dプロッタ(切削加工機)、3Dプリンタなどを導入した。
  • 製作工程を短縮することが可能になった。3D機器の導入により、義肢装具の製作コストと作業時間を大幅に削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 岩手テクノ
所在地岩手県 花巻市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工,接合・実装,立体造形
従業員数15人
資本金366万円
設立2007年

事業の背景

当社は義肢装具の製作と適合、福祉用具の販売を行っている。義肢装具は使用者ごとに作るオーダーメイド製品で、国家資格を持つ義肢装具士が在籍し高い技術を発揮できることが強みである。近年は温泉入浴や水泳に対応する義肢など使用者のニーズが多様化している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力義肢装具は金型で大量生産できず、採型から加工・組立て・縫製・塗装まで手作業で製作に時間もコストもかかるという課題があった。

やったこと

3Dハンディスキャンシステム、デジタル処理ソフト、3Dプロッタ(切削加工機)、3Dプリンタなどを導入した。3Dスキャナで部位を3次元デジタル撮影し、編集ソフトで修正してから3Dプリンタに出力する。機器の操作経験がなかったため講習を受け、操作トレーニングに相当な時間を費やして研修を重ねた。入浴時に使う義足を想定し、義足利用者にモデルを依頼して要望を把握した上で、3Dプリンタ義足の試作品を製作し強度試験も行った。

検査測定3Dハンディスキャンシステム
ソフトデジタル処理ソフト
加工機3Dプロッタ(切削加工機)
加工機3Dプリンタ
ソフト3次元CADソフトウェア

新しい製品・サービス:3Dプリンタを用いて製作した義足ソケットおよび義肢装具製品

事業の効果

  • 製作工程を短縮することが可能になった
  • 人件費の大幅カットに成功した

3D機器の導入により、義肢装具の製作コストと作業時間を大幅に削減できた。機器の作動中は他の作業ができるため人件費の大幅カットに成功した。3Dプリンタの導入で素材の原価が下がり、義肢装具を安価に提供できるようになった。デジタルデータが残るため再現性が高まり、早期人材育成にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    義肢装具の手作業製作という既存事業の課題に対し、3D機器導入で対応する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    オーダーメイド製品の強みや国家資格を持つ専門職の在籍は書かれているが、市場動向との関係での競争優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    製作に時間もコストもかかるという課題に対し、3D機器で製作工程の短縮と人件費の大幅カットを図る点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    人件費の大幅カットや工程短縮と書かれているが、具体的な数値目標や付加価値額、賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    操作方法の講習や相当な時間の操作トレーニング、義足利用者へのモデル依頼など、体制と進め方が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質で安価、デザイン性の高い義肢、石膏アレルギーや外傷部位への対応など、顧客ニーズと選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    試作、強度試験、利用者要望の把握、医療用装具への展開など、段階的な遂行方法と課題の解決が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    義肢装具への3D技術応用は、同分野で高水準の高付加価値化を図る取組とうかがえるが、一般的な普及度に関する記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    公費の負担軽減や使用者の生活の質向上に触れているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    製作コストと作業時間の大幅削減、人件費カットと記述されているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナ、3Dプリンタ、CADを組み合わせ、製作モデルデータの再現性を確保する点は、デジタル技術の活用として具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療現場の治療用装具や更生用装具への展開が触れられているが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    花巻市の事業所であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済の成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療現場における治療用装具、更生用装具などへの製品展開を図り、シェアの拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。