ものづくり補助金平成27年度製造業宮城県

低温制御による、貯蔵管理技術を開発し、高品質な吟醸酒を製造する

株式会社一ノ蔵

成果設定温度到達までの日数 3.5日→2日

この事例のポイント

  • 火入れ後の貯蔵工程で、高温状態からの冷却が従来設備では仕様上難しく、貯蔵中にマイナスの香りや味が付きやすかった。
  • ものづくり補助金を活用し、既存の貯蔵タンク3基を速やかな冷却が可能なネオサーマルタンクとして導入した。
  • 設定温度到達までの日数 3.5日→2日。ネオサーマルタンクの導入により、火入れ後の清酒を速やかに冷却できるようになり、貯蔵中に熟成由来のおいしさを保ったまま、…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社一ノ蔵
所在地宮城県 大崎市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数160人
資本金1.5億円
設立1973年

事業の背景

株式会社一ノ蔵は昭和48年創業の酒造会社で、宮城県産米を用い手造りによる高品質な酒造りを続けている。平成4年の清酒級別制度廃止後は吟醸酒・純米酒・本醸造酒の製造に特化した。清酒市場では高品質商品への再評価が進み、純米酒や吟醸酒の販売量は全国的に緩やかな上昇傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度火入れ後の貯蔵工程で、高温状態からの冷却が従来設備では仕様上難しく、貯蔵中にマイナスの香りや味が付きやすかった。
  • コスト・採算スペース効率が悪く手間を要する瓶貯蔵に頼っており、価格面での競争力が十分でなかった。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、既存の貯蔵タンク3基を速やかな冷却が可能なネオサーマルタンクとして導入した。水を清酒に見立てたテストでは、従来は設定温度に下がるまで3〜4日を要していたが、ネオサーマルタンクでは目標温度に2日で達することを確認した。その後、平成29年2月から純米吟醸酒「蔵の華」の貯蔵を同タンクで開始した。火入れ後の高温状態からすばやく冷却することで、瓶貯蔵ではなくタンク貯蔵で同様の品質を確保した。

その他ネオサーマルタンク

事業の効果

  • 設定温度到達までの日数 3.5日→2日

ネオサーマルタンクの導入により、火入れ後の清酒を速やかに冷却できるようになり、貯蔵中に熟成由来のおいしさを保ったまま、マイナスの香りや味を抑えられるようになった。純米吟醸酒「蔵の華」では品の良い香りと軽快な味わいに、より一層のフレッシュ感が加わった。瓶貯蔵をタンク貯蔵に置き換えたことで価格面の競争力も高まった。品質向上は他商品への波及効果や高級酒ブランドの牽引にもつながると期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1972年創業・手づくりの高品質酒という一貫した姿勢は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    純米吟醸の再評価や海外需要増への言及はあるが、競争優位の根拠となる数値的な市場分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    課題は火入れ後の冷却に時間がかかり瓶貯蔵で価格競争力が弱いこととして明確に示され、タンク貯蔵で価格面の競争力を得たとある。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    冷却日数が3〜4日から2日へ短縮されたことを確認と具体的数値で示すが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    フレッシュ感や品質向上を訴求する点は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    既存タンク3基の改造と発売済みの商品への適用はうかがえるが、中長期の遂行スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    純米吟醸は販売量が緩やかに上昇し、高グレード商品の品質向上を図るとあるが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    宮城県産米の利用や地域の高級酒ブランドイメージ牽引への言及はあるが、経済波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    タンク貯蔵で瓶と同等品質を確保し価格競争力を得たとあるが、投入額と付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ネオサーマルタンクの導入で貯蔵管理を高度化した点はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    宮城県産米や大松沢丘陵の地下水を使う地域密着の酒造りが書かれ、地域活性化を目的とする点が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も商品に応じて貯蔵タンクのネオサーマル化を進める展開が考えられている。

事業者の声

お酒は造りが2カ月に対して、貯蔵は半年から1年という長い時間がかかります。しぼりたてのようなフレッシュな香りと味をお客様に届けていくためにも、貯蔵工程における品質管理は今後も力を入れていきたい部分です。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。