ものづくり補助金平成27年度製造業山形県

最新木材加工機導入による鳥海組子製品製作の高度化と市場の拡大

有限会社福増建具店

この事例のポイント

  • 住宅の受注がハウスメーカー主体となり、既製品の大量生産に押されて製作建具の需要が減り、市場が狭まっている。
  • 組子の骨となる部分の深さ調整や切削を自動で行える機械を導入し、縦と横の切込みを機械で切削することで、伝統的な手作業の組子に比べて時間短縮とコストダウンを図った。
  • 組子製造の核となる部分を手作業から機械化したことで、削りと切込みの精度が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社福増建具店
所在地山形県 飽海郡遊佐町
業種家具・装備品製造業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数4人
資本金300万円
設立1995年

事業の背景

創業以来40年以上、住宅のドア、障子、襖などの木造建具製造を主な事業としてきた。近年は住宅受注がハウスメーカー主体となり、建具も大量生産された既製品に押され、製作建具の需要が減って市場が狭まっている。一方で、木の温もりや健康志向、オリジナリティの面から木製建具を求める声もあり、その需要に応えて市場開拓と受注拡大を図る必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信住宅の受注がハウスメーカー主体となり、既製品の大量生産に押されて製作建具の需要が減り、市場が狭まっている。
  • コスト・採算伝統的な組子は細やかな手作業のため時間とコストがかかり、納期と価格の両面で課題があった。
  • 生産能力現有設備では手作業の工程が多く、新規設備の導入による時間短縮とコストダウンが必要だった。

やったこと

組子の骨となる部分の深さ調整や切削を自動で行える機械を導入し、縦と横の切込みを機械で切削することで、伝統的な手作業の組子に比べて時間短縮とコストダウンを図った。木材をセットして切断する機械も導入し、切削前の材料準備を機械化した。仕上げにはカンナ機を導入し、仕上がりの精度を高めた。切削した木は着色せず、木そのものの色のまま組み上げて「鳥海組子」として製品化した。

加工機骨の深さ調整・切削を自動で行う機械
加工機木材をセットして切断する機械
加工機仕上げカンナ機

新しい製品・サービス:縦と横の切込みを機械で行い、様々な種類の木の色をそのまま活かして組み上げる現代風組子「鳥海組子」

事業の効果

組子製造の核となる部分を手作業から機械化したことで、削りと切込みの精度が向上した。木の色を活かして絵画からキャラクターまで自由にデザインできるようになり、製品のオリジナリティも高まった。短納期・低コスト化が可能になり、酒田市の公認マスコットキャラクターを製作して市役所の新庁舎市長室に納入するなど、新たな取引先の獲得につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業40年以上の建具製造という既存事業を背景に、木製建具需要の回復を狙う製品開発と位置づけられているが、経営戦略上の明確な位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ハウスメーカー主体の受注や既製品の増加という外部環境を示し、伝統的組子は手作業で時間とコストがかかるという課題を、機械化で短納期・低コスト化する強みとして整理している。

  • 課題の認識と解決4

    納期とコストの課題を認識し、切削機の導入で時間短縮とコストダウンをめざす計画で、高付加価値化につながる内容が読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    短納期・低コスト化の方向性は書かれているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員4名で既存技術を持つことはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    木の色合いだけで組む鳥海組子という製品特徴と、絵画やキャラクターを自由にデザインできる点、酒田市の公認マスコット製作の実績が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の課題として認知度向上と新規市場開拓を挙げ、展示会やカタログ等の方法を模索するとあるが、スケジュールや遂行方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    組子の伝統的手法と異なり、木の色そのままで絵画やキャラクターを表現する独自製品で、既製品が多い中での差別化が示されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域の鳥海山や酒田市と連携した製品として地域性はうかがえるが、波及効果や雇用創出の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    短納期・低コスト化が実現したとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鳥海山の麓という地域性を活かした鳥海組子のブランド化を進めており、地域の特性を活かす取組として読み取れるが、経済成長への寄与の具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

鳥海組子としてオリジナリティの高い製品を市場に提供できるようになった。今後の課題は認知度を上げ、新規市場を開拓することである。展示会への出展やカタログ、ホームページでの広報を進め、各地のキャラクターを活かした鳥海組子を提案して普及を図る方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。