ものづくり補助金平成27年度製造業山形県

本人確認証明書の偽造等を確認する判定装置の小型化

株式会社松村エンジニアリング

この事例のポイント

  • 顧客から既存の本人確認装置をより小型化してほしいとの要望が多くあった。
  • 既存の本人確認装置を小型・軽量化するため、通信データの解析や放射電波の測定に必要な設備等を導入した。
  • 小型・軽量化し価格も抑えた本人確認装置はODM先のブランド製品として好評を得て、量産体制を組んで出荷している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社松村エンジニアリング
所在地山形県 米沢市
業種業務用機械器具製造業
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

当社は創業時にU.S.ドル紙幣鑑別機の開発・製造を世界に先駆けて販売し、世界が認める偽造紙幣鑑別機ブランドとして地位を確立している。運転免許証やマイナンバーカードなどに対応する本人確認装置は官公庁・金融機関等で使用されており、顧客から小型・軽量化の要望が多くあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術顧客から既存の本人確認装置をより小型化してほしいとの要望が多くあった。
  • 品質・精度従来の本人確認では確認した履歴を残せず、装置を使う担当者によって判断基準がまちまちだった。

やったこと

既存の本人確認装置を小型・軽量化するため、通信データの解析や放射電波の測定に必要な設備等を導入した。基本性能は変更せず、小型・軽量化および高速処理化の要望に対応するため、試作製作に必要な設備を購入した。これらの設備を使って試作を行い、小型・軽量化した新しい本人認証装置を開発した。

検査測定通信データ解析設備
検査測定放射電波測定設備

新しい製品・サービス:小型・軽量化した本人確認装置(大手企業のODM先のブランド製品として製品化)

事業の効果

小型・軽量化し価格も抑えた本人確認装置はODM先のブランド製品として好評を得て、量産体制を組んで出荷している。確認対応の時間も短縮され、金融機関や官公庁の窓口業務の時間短縮にもつながっている。新たに開発した装置では確認の履歴を残せるようになり、担当者による判断基準のばらつきも統一できた。その場で確認でき履歴が残ることで、免許証等を他人に渡すことへの不安も解消されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業時のU.S.ドル紙幣鑑別機から本人確認装置へと事業を広げ、既存製品の顧客要望を受けて小型化に取り組んだ経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    世界が認める偽造紙幣鑑別機ブランドという強みは示されるが、市場動向の分析や競合との比較は事例に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    顧客からの小型・軽量化要望という課題を認識し、基本性能を変えず小型化と高速処理化を図る解決策が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。ODM製品として量産出荷し好評を得たとの記述がわずかにうかがえるのみである。

  • 事業を進める体制3

    従業員18名の体制と、大手企業のODM先による量産・出荷の体制が書かれているが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小型・軽量化と価格を抑えた点、金融機関や官公庁の窓口業務の時間短縮、顧客情報の履歴を残せる点など、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望としてパスポート判定装置の製品化やセンサー技術を活かした改良開発の方向性が書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    偽造紙幣鑑別機で世界に先駆けた地位を確立し、小型化と履歴保存を備えた本人確認装置を開発した点はうかがえるが、普及度の数値は示されない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    官公庁や金融機関の窓口業務の時間短縮と、本人確認による偽造等の抑止効果が社会的な意義として書かれている。

  • 費用対効果2

    窓口の確認時間が短縮されたとの記述はあるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    通信データの解析や電波測定の設備を導入し、パソコン接続で履歴を残せる新しい本人認証装置を開発した点が書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    2020年の東京オリンピック・パラリンピックによる訪日外国人増加を見込み、パスポート判定装置へ展開する方向がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    米沢工場を拠点とする事業であることは書かれているが、地域の特性を活かして雇用や経済成長を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小型・軽量化した本人確認装置はODM先のブランド製品として継続して製造していく。併せてパスポートを判定する装置の製品化を行っていく。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて訪日外国人の増加が予想されるため、インバウンド需要に対応し、当社のセンサー判定技術を活かして今までにない市場ニーズを満たす製品の改良・開発を行っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。