ものづくり補助金平成27年度製造業福島県

NC旋盤設備導入による、冷間鍛造製品の生産性向上とコスト競争力強化

日吉工業株式会社

成果製品サンプル「FAH03001」の生産効率 1倍→2.8倍

この事例のポイント

  • 切削仕上げ工程の設備能力を高め、生産性を上げる必要があった。
  • 先々の市場展開を見越して、技術的な課題を解決するために必要な要素を検討し、望ましいスペックを備えた最新型のCNC旋盤を選定して発注した。
  • 製品サンプル「FAH03001」の生産効率 1倍→2.8倍。CNC旋盤の導入により、切削加工工程を1台の機械設備で対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名日吉工業株式会社
所在地福島県 喜多方市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数287人
資本金4.147億円
設立1960年

事業の背景

当社は昭和35年創業の会社で、油圧・高圧ゴムホースのアセンブリー製品と精密冷間鍛造製品を建設機械・産業機械・農業機械・自動車などに供給している。精密冷間鍛造部品を用いたホースのアッセンブリー製品では高いシェアを持つ。市場が成熟し、品質やコストへの要求水準は高まりを見せていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力切削仕上げ工程の設備能力を高め、生産性を上げる必要があった。
  • 品質・精度取引メーカーからの品質やコストに関する要求レベルが高まっていた。
  • 人手・技能従来の6軸旋盤は一定方向への同時加工機のため、切削工具の取り付けや寸法調整の際にバリ不良が起きていた。

やったこと

先々の市場展開を見越して、技術的な課題を解決するために必要な要素を検討し、望ましいスペックを備えた最新型のCNC旋盤を選定して発注した。導入前に技術指導や生産実務を担う社員を対象に基本的な仕様や性能に関する事前研修を行った。導入後はホース部品の製品サンプル(品番FAH03001)を用いた加工テストを行い、現場スタッフが操作に習熟することを目指した。このCNC旋盤は多段積みパレタイジングストッカーを備え、自動化生産システムに対応できるため、24時間稼働が可能になった。生産効率を検証するため製品サンプル3点を作成した。

加工機最新型CNC旋盤(多段積みパレタイジングストッカー付き)

事業の効果

  • 製品サンプル「FAH03001」の生産効率 1倍→2.8倍
  • 月産数量 10,000個→30,000個
  • 2名分の人件費削減

CNC旋盤の導入により、切削加工工程を1台の機械設備で対応できるようになった。加工時間が短縮され、生産効率が大きく上がった。月産数量は3倍に増え、2名分の人件費削減にもつながった。バリ不良や搬送時の不良リスクも抑えられ、品質改善と生産性向上によりコスト競争力が高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    ホース部品で高いシェアを持ち、一貫生産の強みを踏まえ切削仕上げ工程の設備能力向上を図る方針が明記されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客要求の高度化に応えるため、一貫生産体制という強みを活かし生産性とコスト競争力を高める内容が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    課題は切削仕上げ工程の設備能力不足と明示され、NC旋盤導入で月産3倍、2名分の人件費削減など具体的な成果を見込んでいる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月産数量が3倍、加工時間が約2.8倍効率化と数値目標があり、導入後の成果として実現性が示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    導入前後に現場スタッフへの研修を実施し、技術指導担当と生産担当を育成したことは書かれているが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は取引メーカーで品質・コスト要求が高まっていることは書かれているが、選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋4

    仕様検討、発注、事前研修、導入後の実践的研修と段階的な進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    同分野で高精度化・チップレス加工に挑戦すると述べられているが、高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する積極的理由として、地域への波及効果や雇用創出の記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    投資に対し月産3倍、人件費抑制などの効果が示されるが、補助金額と付加価値額の対比は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動加工システムや24時間稼働は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は明確でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高精密化やチップレス加工への挑戦が述べられ、成長分野への進出がうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    福島県喜多方市の企業で地域特性への言及は会社情報に限られ、地域経済の牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高精密化・チップレス(無切削)への挑戦を続け、新しい工法の開発に意欲的である。

事業者の声

「時代のニーズを作りこむ」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。