ものづくり補助金平成27年度製造業福島県

車載用高精度カメラケーブルの 新規開発による競争力強化

アサヒ通信株式会社

この事例のポイント

  • 外部の借用先で品質評価試験を行っていたため、借用先の設備の空き状況に左右され、試験実施までの時間が不透明で、製品化までに時間がかかっていた。
  • 高周波測定器一式(ネットワークアナライザー)を導入し、車載用高精度カメラケーブルの高周波における伝送特性測定が可能かどうかの検証を実施した。
  • 自社で高周波計測と高精度化に対応できるようになり、自社開発製品の信頼性と品質が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名アサヒ通信株式会社
所在地福島県 福島市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装,測定計測
従業員数170人
資本金2.2億円
設立1969年

事業の背景

業界でいち早く自動機械を導入し、完全自動化と省力化に取り組んできた。カーステレオ用ハーネス加工から始まり、エレクトロニクス分野を中心に技術開発を重ねてきた。車載用カメラは、リアカメラにとどまらず車の前方や運転席・助手席などにも取り付けられ、自動走行装置へ応用される方向に用途が広がっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程外部の借用先で品質評価試験を行っていたため、借用先の設備の空き状況に左右され、試験実施までの時間が不透明で、製品化までに時間がかかっていた。
  • コスト・採算試験費用が膨大で、外部設備を借りた場合は1製品あたり約90万円が必要だった。
  • 新製品・新技術設備を所持していないため、積極的な自社開発ができずにいた。

やったこと

高周波測定器一式(ネットワークアナライザー)を導入し、車載用高精度カメラケーブルの高周波における伝送特性測定が可能かどうかの検証を実施した。導入により自社で高周波試験が行えるようになり、打合せ・段取りの時間が、設備導入前の1週間から数か月かかっていたものが不要になった。性能不十分の場合はすぐに中断・分析でき、再試験を最小限の費用で行えるようになった。

検査測定高周波測定器一式(ネットワークアナライザー)

新しい製品・サービス:車載用高精度カメラケーブル

事業の効果

自社で高周波計測と高精度化に対応できるようになり、自社開発製品の信頼性と品質が高まった。試験時間の短縮により納期も短くなり、顧客に新たな技術を提案しやすくなった。外部設備の借用代がかからなくなり、試験費用は社内の電気代程度に抑えられる見込みとなった。設計情報を社内で管理でき、機密情報漏洩のリスクも排除できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    カーステレオ用ハーネス加工から電子機器分野へ展開し、同軸ケーブル設備を自社開発してきた経緯が書かれ、一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    車載カメラの用途拡大という外部環境と、自社開発・高精度測定への取組が書かれているが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    外部委託で試験時間が不透明だった課題を挙げ、高周波測定機導入で解決する流れが書かれている。計画の数値的裏付けは薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    試験時間が1週間から数か月から大幅短縮され、1製品約90万円の外部借用代が電気代程度になると具体的に書かれている。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力に関する記述は見当たらず、わずかに技術者の存在がうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    車載用リアカメラから周囲モニター、自動走行への用途拡大という顧客ニーズと、高周波対応の必要性が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試験時間短縮、再試験の最小化、機密情報管理など導入後の運用効果は書かれるが、中長期の遂行スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高周波対応の車載用カメラケーブルは、同分野で高水準の高付加価値化を図る位置付けがうかがえるが、具体的な価格や市場シェアの記載はない。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    メイド・イン・福島の製品開発や地域の事業者としての取組が書かれているが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    外部借用代約90万円が電気代程度に抑えられ、再試験も最小限の費用で可能になると費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    高周波測定器の導入により、車載カメラケーブルの高周波伝送特性を自社で測定できるようになったと、新技術の活用が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    車載カメラから自動走行装置への応用など成長分野への関わりがうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    メイド・イン・福島の製品開発という地域性は書かれているが、地域経済を牽引する規模や雇用の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

車載用カメラケーブルは高速化・高精度化が進み、今後は軽薄短小化、高密度化、高周波対応化、複合連携化が求められると考えられる。自社で評価試験ができる体制により、顧客からの信頼を得て競合企業との差別化を図れると期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。