ものづくり補助金平成27年度製造業茨城県

オリジナルブランド木工品製造のためのNCルータの導入と試作

成果月産製造数 1点→10点

この事例のポイント

  • 従来のやり方では月産数点の製造が限度で、納期に製造できる点数が限られていた。
  • 新型のNCルータを導入し、コンピューター制御により複雑な曲線の加工や、従来の機械ではできなかったデザインの加工を可能にした。
  • 月産製造数 1点→10点。NCルータの導入により、月産数点から数十点を製造できる態勢が整い、納期に応じた製造が可能になって失注の解消につながった。

事業者のプロフィール

所在地茨城県 城里町
業種家具・装備品製造業
技術分野デザイン,精密加工,製造環境
従業員数9人
資本金300万円
設立1945年

事業の背景

同社は1945年に創業し、一般住宅や店舗向けの木製家具・建具などを製造してきた老舗メーカーである。安価な輸入品や大手ハウスメーカーのユニット家具が普及し、熟練の職人が1点ずつ手作りする家具やドアの需要は減少を余儀なくされた。登山やキャンプなどの人気の高まりを追い風に、市場規模が拡大しているアウトドア用の木製家具製造に本格進出した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のやり方では月産数点の製造が限度で、納期に製造できる点数が限られていた。
  • 人手・技能熟練の職人が1点ずつ手作りする家具やドアの需要が、安価な輸入品や大手ハウスメーカーのユニット家具の普及により減少していた。
  • 新製品・新技術アウトドア用の独自ブランド品で求められるより高精度な切削加工が、従来の機械では難しかった。
  • 納期・工程製造が追いつかず失注するケースがあり、新商品の販売戦略上の大きな難点となる可能性があった。

やったこと

新型のNCルータを導入し、コンピューター制御により複雑な曲線の加工や、従来の機械ではできなかったデザインの加工を可能にした。導入により月産数点の製造が限度だった態勢が、数十点を製造できる態勢に整った。導入したNCルータを使い、オリジナルブランド「Bay Laurel」の新製品「LaurEL FURNITURE SYSTEM」の試作開発と製造を行った。フレームはホワイトオークを使用し、ネジ穴の正確な位置など高い精度の切削加工を実現した。

加工機NCルータ

新しい製品・サービス:オリジナルブランド「Bay Laurel」の「LaurEL FURNITURE SYSTEM」(フレームを椅子・テーブル・ラックなどに組み合わせて拡張できる家具)

事業の効果

  • 月産製造数 1点→10点

NCルータの導入により、月産数点から数十点を製造できる態勢が整い、納期に応じた製造が可能になって失注の解消につながった。手作業では難しい複雑な曲線や従来の機械ではできなかったデザインの加工も可能になり、新しいオリジナルブランド品の試作開発・製造がしやすくなった。同業他社との競争力は飛躍的に向上した。また職人の高齢化や人手不足、製品の短納期化といった問題の解決にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業70年の木製家具製造と一般住宅・店舗向け製品の実績が書かれ、NCルータ導入の経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    輸入品やハウスメーカーのユニット家具の普及による需要減と、アウトドア市場の成長が書かれ、熟練職人の手作業の強みと組み合わせた戦略が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    月産数点から数十点への増産、失注の解消、職人の高齢化や人手不足への対応が書かれ、課題と解決の方向が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    月産数点から数十点の製造態勢と同業他社との競争力向上は書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員9名、職人による自社工房でのオーダー家具製作が書かれ、体制の一端はうかがえるが、事務処理能力などの詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    アウトドア×リゾート×ホームのコンセプト、ホワイトオーク使用、折りたたみ椅子などの製品特徴と販路の見込みが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作開発や新ブランドの展開、ワークショップによる販路開拓の方針は書かれるが、スケジュールや中長期の課題検証は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    アウトドア用木製家具は市場規模が拡大中と書かれ、高付加価値のオリジナルブランド品として高価格帯を目指す点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    城里町のブランドやアウトドア家具と地域活性化の結びつき、地域の木材資源の活用が書かれるが、波及効果の定量的説明はない。

  • 費用対効果2

    投入額や費用対効果の数値は書かれておらず、生産点数の増加などの成果のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    NCルータというデジタル工作機械の導入は書かれるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    伝統的な木工からアウトドア用品市場への進出という方向性がわずかにうかがえるが、構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    城里町の自然や地域ブランドを活かし、雇用や地域活性化につなげる考えが書かれ、地域特性の活用が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

アウトドア用品の市場規模は成長を続けており、ELNEST社とのコラボ商品が雑誌等に掲載されることで加藤木工オリジナルブランドの知名度向上が期待できる。設計事務所からの高度な技術やデザインの依頼にも応え、販路の拡大を見込んでいる。ワークショップの開催などで若い世代に木工の魅力を伝え、木工ファンを増やしたいとしている。

事業者の声

made in Japan の Hand made

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。