ものづくり補助金平成27年度製造業山梨県

木工技術の分業化を目指し、作業工程の短縮と品質向上を実現する

株式会社シンゲン家具工業

成果作業時間 54分→10.2分

この事例のポイント

  • 従来の木工機械は型が古く精度が低いため、目視や手作業で補う工程が多かった。
  • 最新のパネルソーとNCルーターを甲西工場に導入した。
  • 作業時間 54分→10.2分。新しい機械により切断や削孔の精度が上がり、手作業や目視で補っていた工程が減って作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シンゲン家具工業
所在地山梨県 甲府市
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数24人
資本金4,000万円
設立1986年

事業の背景

同社は県内外の木工所や工務店などからの受注を中心に家具を製造しており、売上は造り付け家具が約8割、工場引き渡しの置き家具が約2割を占める。建築現場では短納期やコストダウン、完成品での納入が求められており、特注家具の高品質と短納期へのニーズは高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の木工機械は型が古く精度が低いため、目視や手作業で補う工程が多かった。
  • コスト・採算特に「アール加工」と呼ばれる家具の縁の丸み付けに多くの時間と手間を要していた。
  • 人手・技能熟練の職人の手作業に頼る作業があり、女性が作業しにくい状況だった。

やったこと

最新のパネルソーとNCルーターを甲西工場に導入した。パネルソーは材料をデータ通りの寸法で早く正確に切断でき、切断寸法は所定の精度±0.1mmを満たす。最長3メートルまで切断できる。NCルーターはCAD図面を自動で読み込み、プログラム入力の工程を省けるようになった。3,000mmの板材に定位置で削孔する検証では、作業時間が従来の54分から10.2分に短縮された。

加工機パネルソー(NC制御切断装置)
加工機NCルーター(加工装置)

事業の効果

  • 作業時間 54分→10.2分
  • 切断・削孔位置・削孔深の精度は造り付け家具に必要な±0.3mm/mを大きく上回る±0.1mm/mで切断できる
  • 5年計画で売上高27.9%の増大を見込む
  • 5年計画で付加価値額20.3%の増大を見込む
  • 5年計画で経常利益1766.5%の増大を見込む

新しい機械により切断や削孔の精度が上がり、手作業や目視で補っていた工程が減って作業時間が大幅に短縮された。製作期間が短くなることで、取り付け施工を含む高付加価値の製品供給が可能になり、少量品の受注獲得や同業他社との差別化、競争力強化が期待されている。また、自社で図面を作成できるようになり、加工データを蓄積して親会社の販売ルートを活用した販売戦略を実施できるようになる。女性も作業しやすい環境が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    タンス納入からの家具製造への転換や、特注家具を得意とする来歴が書かれ、一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県外発注が仕事の7割、対応力の高さ、材料屋の親会社から材料調達できる点など、強みと外部環境が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    作業時間を54分から10.2分に短縮、切断精度±0.1mm/mといった現状課題と解決の数字が具体的に示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    5年計画で売上高27.9%、付加価値額20.3%、経常利益1766.5%増の目標値が数字で示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員24人、親会社との連携、社長の現場への言及はあるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    学校や保育所、ホテル、官公庁など幅広い受注実績と、納期対応と技術対応が選ばれる理由として具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の加工データ蓄積や販売戦略の実施が述べられるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    多品種少量の特注家具と丸み加工の強みはうかがえるが、高付加価値化の水準や分野の普及度は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    公共事業縮小や地域の家具工場としての役割はうかがえるが、波及効果や雇用創出の具体的数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投資に対する付加価値額20.3%増、経常利益1766.5%増など費用対効果を示す数字が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD図面の自動読み込みや加工データ蓄積による技術融合は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山梨県甲府市・甲西工場を拠点に県内最大規模の造り付け家具工場として、地域の特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

5年計画で売上高27.9%、付加価値額20.3%、経常利益1766.5%の増大を見込む。

事業者の声

新しい機械によって精度が上がりました。手間と時間がかかっていたアール加工も早くきれいに仕上がります。また最長3メートルまで切断できるので、今までより大きい家具を作りやすい体制になりました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。