ものづくり補助金平成27年度製造業茨城県

外国人が好む和的木工製品への進出と国内向け仏具の新商品開発

有限会社 光洋工芸

この事例のポイント

  • 主力の仏具・葬祭用木工品の市場は安定しているが、将来に備えて付加価値の高いオリジナル木工品を開発し、ものづくりの基盤を整備する必要があった。
  • 木材用の三次元加工機械と職人の技を組み合わせてオリジナル木工品を作る取り組みを行った。
  • 電池式とLED光源を採用した木製の和風インテリア照明「光の郷」を完成させ、2017年7月下旬に第1弾の販売を開始した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 光洋工芸
所在地茨城県 小美玉市
業種家具・装備品製造業
従業員数10人
資本金300万円

事業の背景

同社は仏具・葬祭用木工品を主に製造・販売しており、白木を使った盆灯籠を中心に、桐箱や幼児向け木工玩具なども手掛けている。主力製品は新盆用お迎え木製灯籠、盆棚、祭壇、葬祭用木工品である。これらの市場は安定しているが、創業以来のノウハウを生かして新たに付加価値の高いオリジナル木工品を開発したいと考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術主力の仏具・葬祭用木工品の市場は安定しているが、将来に備えて付加価値の高いオリジナル木工品を開発し、ものづくりの基盤を整備する必要があった。
  • 販路・情報発信海外市場や国内で新たな販路を開拓するための基盤がなかった。

やったこと

木材用の三次元加工機械と職人の技を組み合わせてオリジナル木工品を作る取り組みを行った。プロダクトデザイナーに依頼し、10種のデザインから2種を選定して、形状・大きさ・購買層・商品名・コンセプトを検討した。大きさと電源を検討し、電池式とLED光源を採用した木製の和風インテリア照明を試作を繰り返して完成させ、商品名は「光の郷」とし、蔵と灯殿の2種類をそろえた。曲線を組み合わせた複雑な形状は三次元加工機械だけでは加工できず、職人が一つずつ仕上げるとコストと時間がかかるため、機械加工担当者と木工職人が互いの利点を融合させて量産可能な体制を構築した。国内向けの組み立てが簡単な新しい形状の仏具も試作段階まで進めた。

加工機木材用の三次元加工機械

新しい製品・サービス:和風インテリア照明「光の郷」(蔵・灯殿の2種類)および国内向けの組み立てが簡単な新しい形状の仏具

事業の効果

電池式とLED光源を採用した木製の和風インテリア照明「光の郷」を完成させ、2017年7月下旬に第1弾の販売を開始した。外国人を主なターゲットとしているが、旅館や和食店なども購買層として有望と判断している。三次元加工機械と職人の技を融合させ、量産が可能な体制を構築した。国内向けの新しい形状の仏具は試作段階まで進んでおり、販売戦略や販路の検討は今も続けている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    仏具用木製品の製造技術を生かした新商品開発と記載があり、既存の仏具・葬祭用木工品事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    外国人好みの和風照明への進出と、旅館や飲食店も購買層と見込むと書かれているが、競争優位の根拠となる市場データや自社の強み分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    曲線や複雑形状の加工課題を、機械加工担当者と職人の協働で解決し量産体制を構築したと書かれている。課題認識は読み取れるが、付加価値額等の数値目標は見当たらない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の向上や賃上げについての目標値は記載がなく、短期間で利益が出る方法を検討中とあるのみで、数値目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    木工職人と機械加工担当者の共同作業による体制や、専門家への販売戦略依頼が記載されているが、人員配置や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    外国人向けの和風インテリア照明「光の郷」の2種類、訪日外国人のお土産需要や旅館・飲食店の購買層など、ターゲットと製品の特徴が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    2017年7月の第1弾販売開始、キャッチコピーや販売戦略の検討中といった段階は書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    木製の和風インテリア照明は既存の仏具市場とは異なる分野で、製品の特徴も明示されている。一般的な普及度が高いとは書かれておらず、新分野への挑戦として読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域の旅館・飲食店への波及や新たな雇用の記載はわずかにうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    三次元加工機械と職人技の融合による量産体制の構築は記載されるが、デジタル技術の活用を地域やサプライチェーンに広げる内容は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    小美玉市の地域企業が伝統的な木工の技を生かして新商品を開発する点は読み取れるが、地域の経済成長を牽引する具体的な効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外市場だけでなく国内市場も開拓していく考えで、機械加工と職人技の利点を融合させた木製品のさらなる可能性を信じて取り組みを重ねていく。

事業者の声

新たに付加価値の高いオリジナル木工品を開発し、将来を見据えたモノづくりのベースを整備したいと考えました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。