ものづくり補助金平成25年度製造業鳥取県

新たな加工方法による「原板パネルの製作」と、それを活用した「新商品の開発」を間伐材で

株式会社新木コーポレーション

成果従来工法と新工法の比較で約85%の時間短縮

この事例のポイント

  • 特注品・オーダー品のコストが高く、国内生産品はコストが市場価格に合っていない。
  • 従来チップ原料や合板芯材にしか使われていない国内の杉・檜の間伐材を、高付加価値の板材(原板パネル)に加工する新工法を開発した。
  • 従来工法と新工法の比較で約85%の時間短縮。新工法により従来工法と比べて加工時間が約85%短縮されることを検証サンプルで確認した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新木コーポレーション
所在地鳥取県 北栄町
業種家具・装備品製造業
技術分野材料製造プロセス,接合・実装,表面処理
従業員数38人
資本金3億円
設立1969年

事業の背景

国内家具市場では、ヨーロッパの高品質製品やアジアの低価格輸入家具が広く浸透し、海外製品との価格競争が厳しい。更なるコストダウンと品質向上など多様なニーズへの対応が求められている。当社は家具全般を製造し、特に造付家具・ベッドフレーム・現代仏壇の売上が増加している。10年前から特注家具部門を設け、ホテル・福利厚生施設・学校などの備え付け家具を県内から関西圏まで手掛けている。主な取引先は大手家具店、小売店、百貨店、全国展開のホームセンター、ネット販売会社、ゼネコン等である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算特注品・オーダー品のコストが高く、国内生産品はコストが市場価格に合っていない。
  • 販路・情報発信家具販売店が需要の減少や海外品の取り扱いにより国内メーカーの扱いを減少させてきた。
  • 集客・繁閑住環境・消費者のライフスタイルの変化により家具離れが起きている。
  • 生産能力製造部門の1人当たりの生産性が低下している。
  • 販路・情報発信既存得意先・既存商品群では売上増加が見込めない。
  • 販路・情報発信婚礼メーカーは淘汰されたが、供給よりも需要がさらに減少している。

やったこと

従来チップ原料や合板芯材にしか使われていない国内の杉・檜の間伐材を、高付加価値の板材(原板パネル)に加工する新工法を開発した。間伐材の表面に銘木単板を貼る工程と、パネル部分の縁を貼る工程を、ホットプレス機と自動直線縁貼り機で行う設備を導入した。天然のウォールナットを貼り合わせた加工済み材料の試作品を作成し、床板のデザインを工夫した改良版も製作した。展示会に出展して、バイヤーの評価を得た。

加工機ホットプレス
加工機自動直線縁貼り機

新しい製品・サービス:間伐材を原板とし、天然銘木を貼り合わせた原板パネルを用いた家具・内装材の新商品(試作品フェアリー、改良版ドイル)

事業の効果

  • 従来工法と新工法の比較で約85%の時間短縮

新工法により従来工法と比べて加工時間が約85%短縮されることを検証サンプルで確認した。高価な銘木材を少ない体積だけで使うため、デザインや場所・品種の制限がなくなり、多種多様な商品に活用できる。再生した原板で付加価値の高い商品を企画販売し、売上拡大と付加価値向上につなげる。展示会のバイヤーからは新たな取組として高い評価を得て、今後の商品化の手応えを得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    家具の企画・製造や特注家具への注力、過去の高級婚礼箪笥からの変遷が記載されるが、事業計画との位置付けは具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外製品との価格競争や特注品コストの課題、国産家具の需要増を踏まえ、間伐材を高付加価値板材に加工する差別化が具体的に記載されている。

  • 課題の認識と解決4

    特注品コスト高や生産性低下の課題を挙げ、間伐材を原板に銘木を貼る加工で高付加価値化を図る計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    約85%の時間短縮という数値は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されておらず、実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制2

    従業員38名や展示会出展の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    展示会のバイヤー評価や、天然杢ウォールナットを用いた試作品の特徴が示され、ニーズと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展開として商品開発や展示会参加、原木供給減少への対応が挙げられるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    間伐材を銘木単板で覆う高付加価値化により、同分野での高水準の高価格化を図る点が具体的に記載されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    資源の有効利用や日本の森林保全に役立つこと、新たな需要創出への言及があるが、経済波及効果の定量的記載はない。

  • 費用対効果3

    加工時間を約85%短縮する結果が示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新工法による加工時間の短縮は示されるが、先端デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの貢献はわずかにうかがえる程度。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国産家具の市場ニーズ増加や原木減少を見据えた再生木材活用が示され、構造転換への言及はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    鳥取県産檜の間伐材を用いる地域資源活用が記載されるが、地域経済の成長や雇用創出への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国産家具の市場ニーズが高まっており、今後もその傾向は続くと思われるため、この波に乗り国産家具の需要増加と海外製品との差別化を図る。原生林からの木材供給が減少する見込みのなか、間伐材・繊維板を用いた家具の需要増加が期待できる。新規商品の開発を行うとともに、全国の展示会へ積極的に参加し新たな販路を開拓していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。