ものづくり補助金平成27年度運輸業、郵便業茨城県

ITを活用した24時間利用可能な内陸コンテナターミナル建設事業

吉田運送 株式会社

この事例のポイント

  • ドライバー不足が深刻な運送業界で、運送の効率化を進める必要があった。
  • ITを活用した車両入退場管理システムを導入し、事前に発行したパスワードで車両とコンテナの入退場を確認する仕組みとした。
  • インランドデポが24時間体制で輸送事業者がいつでも支障なく利用できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名吉田運送 株式会社
所在地茨城県 坂東市
業種道路貨物運送業
従業員数40人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

同社は1973年に野菜や原乳の配送会社として創業した。約11年前に香港に本社があるOOCLと契約し、海外からの輸送コンテナを一時保管するインランドデポとして坂東市のコンテナターミナルを使用する形で、コンテナラウンドユース事業に参入した。ドライバー不足が深刻な運送業界では、コスト削減や長距離運転などハードな業務が敬遠されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能ドライバー不足が深刻な運送業界で、運送の効率化を進める必要があった。
  • 生産能力港を出入りするトラックの渋滞や空コンテナの輸送が課題となっており、物流が滞ることへの危機感があった。

やったこと

ITを活用した車両入退場管理システムを導入し、事前に発行したパスワードで車両とコンテナの入退場を確認する仕組みとした。ゲートに警備員を配置せず、省力化と手続きの簡素化を図った。施設内の各所に夜間照明を設置し、24時間利用できる環境を整えた。防犯カメラと監視システムも導入し、遠方からパソコンの画面上でインランドデポ内の様子を逐次監視できる体制を構築した。

ソフトITを活用した車両入退場管理システム
その他防犯カメラ
その他夜間照明
ソフト監視システム

事業の効果

インランドデポが24時間体制で輸送事業者がいつでも支障なく利用できるようになった。事業により企業価値が高まり、大手船会社を含む11社と新規契約の成約にこぎつけた。体力に不安のある女性やベテランドライバーが業務に従事しやすい労働環境が整い、業務の効率化によって運送業界の安定につながると同社は考えている。また「第1回めぶきビジネスアワード」の地域創生賞を受賞した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    CRU事業への参入と24時間インランドデポ構築を経営の流れとして示すが、過去の取組との一貫性は明示が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    圏央道開通や国道4号・6号・294号に近い立地を物流拠点の強みとし、市場動向と立地資源を結びつけている。

  • 課題の認識と解決4

    ドライバー不足や港湾渋滞という課題を示し、24時間利用の入退場管理で解決する方向が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    月250本超のコンテナ輸入や11社の船会社との契約など実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    指定管理者の実績や従業員40名、女性ドライバー2名の記載はあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    輸出入業者や運送会社に利点がある点、船会社との契約実績が具体的に書かれ、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    佐野インランドポートの完成予定など次の展開は書かれるが、遂行スケジュールや課題の解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    CRUは脚光を浴びている手法とされるが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    CRUで空コンテナ輸送を減らし、渋滞緩和・ドライバー不足解消・CO2削減など社会的効果が挙げられている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や費用対効果の数値は書かれておらず、効果は定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    ITによる入退場管理や遠隔監視を導入しているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は限定的に読める。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    物流の効率化と内陸拠点の整備に触れるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    坂東市の立地を活かし、地域の物流拠点として栃木県でも展開するなど地域経済への寄与が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

佐野市の「佐野インランドポート」が完成予定で、坂東インランドデポと同様に24時間体制でコンテナの管理を行い、栃木県での新しい物流スタイルを発信していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。