ものづくり補助金平成24年度岩手県

生産スケジュール高密度化による短納期受注の拡大

株式会社小林精機

この事例のポイント

  • 毎月約6000点の部品の生産スケジュールを手作業で組み、多い時には1日500枚にも上る作業指示書をエクセルに手入力してスケジュール表と生産計画表を作成していた。
  • 生産スケジューラ(生産スケジュール専用ソフト)を導入するにあたり、柔軟性、GUI操作による分かりやすさと見やすい画面、初期導入費用の安さの3点を選定基準とした。
  • 約1年かけて部品のマスター登録を終え、生産計画の立案と工場での実運用が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小林精機
所在地岩手県 滝沢市
業種業務用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数100人
資本金2,000万円
設立1953年

事業の背景

当社は精密機械部品の加工、医療・化学分析機器の部品加工と組み立て、自動機や省力化機器の設計製作を行っている。自動車部品、光学部品、食品製造装置部品など取り扱う分野は広く、取引先は岩手県内外の約100社にのぼる。試作品から量産品まで毎月約6000点の部品を生産、管理している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能毎月約6000点の部品の生産スケジュールを手作業で組み、多い時には1日500枚にも上る作業指示書をエクセルに手入力してスケジュール表と生産計画表を作成していた。
  • 納期・工程各担当者が自分の機械の生産計画表だけを見て作業を始めるため、他工程の混み具合に気づかず、納期遅れが多発していた。
  • 生産能力工程間の影響を把握できないため、部材の入荷遅れや加工の混み具合を各工程が常時確認できる仕組みが必要だった。

やったこと

生産スケジューラ(生産スケジュール専用ソフト)を導入するにあたり、柔軟性、GUI操作による分かりやすさと見やすい画面、初期導入費用の安さの3点を選定基準とした。生産スケジュールを専門に開発している会社のソフトを選定し、自社で行っていた生産スケジュールをこのソフトに組み込んで想定通りの動作を確認した後、マスターデータの登録を始めた。本格運用には加工部品の70%以上にあたる約4000点の部品登録が必要で、工程順、使用設備、作業担当者、作業工数、材料、生産数、在庫数などを生産管理課で調査表にまとめて登録した。あわせて、生産スケジューラと既存の生産管理システムのデータを連動させるため、15年間稼働したAccessデータベースを最新のSQL Serverに切り替えて生産管理システムを全面改修し、処理能力も強化した。

  • ソフト生産スケジューラ生産スケジュール専用ソフトSQL Server生産管理システムのデータベース

事業の効果

約1年かけて部品のマスター登録を終え、生産計画の立案と工場での実運用が可能になった。各担当者が工場全工程の現在の状況を瞬時に確認できるようになり、納期厳守の意識が高まることが期待されている。機械設備の空き状況を詳細に把握できるため、短納期品の受注機会の喪失が減り、積極的な営業活動につながると見込まれている。今後は各機械の稼働状況から設備ごとの生産金額を可視化し、社員一人ひとりの作業量の把握にも役立てる予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    手作業の生産計画で納期遅れが多発し課題だったと書かれ、既存の生産管理システム自社開発の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    取引先約100社、毎月約6,000点の部品を扱う規模は示されるが、市場動向や競争優位との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    納期遅れの原因を工程間の混雑把握不足と特定し、生産スケジューラ導入で解決をめざすと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、納期品の受注機会喪失の減少が期待されるとあるのみ。

  • 事業を進める体制3

    社内で約4,000点の部品登録を約1年かけて行い、生産管理課と企画情報室が担当した体制が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    試作品や小ロット受注に対応する点は触れられるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は書かれていない。

  • 事業化までの道筋4

    マスター登録を段階的に進め、全部品完了まで12年かかる見込みと具体的な遂行方法と期間が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性20%
  • 新しさ・高付加価値1

    公開されている事例からは読み取れません。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    生産金額の可視化で作業改善につながると述べるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    既存システムをSQLServerへ切り替え、スケジューラと連動させるなどデジタル活用が具体的に書かれている。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

マスター登録は部品ごとに進めており、全部品の登録完了までには1〜2年かかると予想されている。登録完了後はスケジューラの本格稼働により、工場全体の納期厳守意識の向上や生産金額の可視化が期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。