ものづくり補助金平成27年度製造業群馬県

ロボット産業向け「大流量・ステンレス仕様」流体回転継手の試作開発

アイ・フィールド有限会社

成果流量 25L/min→28L/min

この事例のポイント

  • 流体回転継手において大流量・ステンレス化が課題となっていた。
  • 市場ニーズに応えるため内空域を増やす構造を検討し、試作品の詳細設計を行った。
  • 流量 25L/min→28L/min。内空域の確保により大流量化を達成し、ステンレス化による製品強度の向上も実現した。

事業者のプロフィール

事業者名アイ・フィールド有限会社
所在地群馬県 富岡市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数6人
資本金300万円
設立2002年

事業の背景

当社は金属製流体継手の設計・製造を主体に、オリジナル製品をFA市場全般に供給してきた。近年は金属製回転流体継手の出荷量が増大し、その多くは大手生産財商社を通じて工業機械製品の部品としてエンドユーザーに供給されている。黄銅製・大流量モデルやステンレス製・標準流量モデルが順調に市場に浸透し伸長しており、ステンレス製品と大流量モデルに商品ニーズがあると判断した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術流体回転継手において大流量・ステンレス化が課題となっていた。
  • 生産能力従来品より大流量を確保するため、内空域を増やす構造の検討が必要だった。

やったこと

市場ニーズに応えるため内空域を増やす構造を検討し、試作品の詳細設計を行った。その結果、外観形状は従来品より7%大きくなったが流量は大幅に増加した。機械剛性の高い主軸台移動型CNC自動旋盤を導入し、詳細設計に見合う工具を選択して、タイミング・回転・送り等のNCプログラムを設計した。工具・プログラム・精度を確認しながら加工し、ステンレス仕様の部品を組み立てて異常を確認、図面やプログラムを調整した。最後に全体寸法精度、回転トルク、流体密閉検査、クラッシュテストを行い、量産化に向けて図面・プログラム・工具を見直した。

加工機主軸台移動型CNC自動旋盤

新しい製品・サービス:ロボット産業向け「大流量・ステンレス仕様」流体回転継手

事業の効果

  • 流量 25L/min→28L/min
  • 加工時間 20分→18.5分
  • 回転トルク値 20N.m→0.5N.m

内空域の確保により大流量化を達成し、ステンレス化による製品強度の向上も実現した。目標精度を満たし、3MPaの試験でも流体漏れがなく十分なシール性と回転を確保した。手で簡単に回転できる軽さとなり、加工時間も目標を下回った。今後はプログラム改良によりさらなるリードタイム短縮を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    金属製回転流体継手の出荷増と既存製品群の伸長を根拠に、ステンレス・大流量モデル開発を位置付けている。過去の製品群との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ステンレス製と大流量モデルの需要増、既存2製品の市場浸透を数字なしで挙げ、自社の金属製流体継手の設計製造力を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    従来品の流量が課題として示され、内空域拡大で流量を28L/minへ約3.7倍に引き上げる具体的な解決策が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    流量25L/min以上、加工時間20分以下などの目標値と結果が示され、リードタイム短縮の見込みも述べられている。ただし賃上げや付加価値額の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    社内設備での加工・組立・検査と群馬県立産業技術センターの測定利用は読み取れるが、従業員6人の体制や人材配置の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ロボット産業向けでステンレス・大流量の価値は示されるが、顧客ターゲットの具体像や選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    量産化に向けた図面・プログラム・工具の見直しと今後のプログラム改良によるリードタイム短縮が書かれているが、中長期スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ステンレス製・大流量の回転流体継手で従来品比3.7倍の流量を実現したとあり、同分野での高付加価値化が読み取れるが、市場の普及度の比較データは乏しい。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    経済産業省が急伸すると予測するロボット産業向けに販路を広げる点は書かれているが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金額や投資額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    ロボット産業という成長分野への進出が明記され、市場予測の図も掲載されているが、構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ロボット産業への販路拡大を目指し、既存チャンネルを使ってFA市場全般にプロモーションを仕掛ける。ロボット産業の製造分野には特に積極的に展示会やDMを中心に、大手カタログ販売会社へ試作品の掲載をアプローチする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。