ものづくり補助金平成27年度製造業群馬県

樹脂リサイクルの生産性向上とQCD改善のための設備投資計画

東京山陽プラス株式会社

成果脱気箇所数 1カ所→3カ所

この事例のポイント

  • 販売単価が下落しているため、仕入れ単価を下げて製造原価を引き下げる必要があった。
  • 複合スクリーンチェンジャーを備えた再生プラスチック2段式押出機を導入した。
  • 脱気箇所数 1カ所→3カ所。新規設備は連続運転が可能になったため、従来停止していた長ペレットの発生が事実上なくなった。

事業者のプロフィール

事業者名東京山陽プラス株式会社
所在地群馬県 春日部市
業種プラスチック製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数63人
資本金5,000万円
設立1971年

事業の背景

プラスチックのマテリアルリサイクルでは、雨水貯留槽や自動車部材向けの高品質材料の需要が増している。一方で供給過剰などにより販売単価が下落中である。マテリアルリサイクル量は200万トンを超える水準で、市場規模は約1,800億円で安定している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算販売単価が下落しているため、仕入れ単価を下げて製造原価を引き下げる必要があった。
  • 生産能力藤岡工場の現有設備では低価格のスクラップ材料をリサイクルできなかった。
  • 生産能力現有設備は生産性が低く、高品質ペレットの生産もできなかった。

やったこと

複合スクリーンチェンジャーを備えた再生プラスチック2段式押出機を導入した。新規設備で各種の添加剤や着色剤を配合し、12通りの試作品を設計・開発した。添加剤は材料の発泡やシルバーの発生を抑える改質剤を用い、汚れ具合に応じて使用なし、1%、3%、5%の4パターンとした。着色剤は自動車向け、雨水貯留槽向け、建材向けなどの用途に合わせ黒色とし、CBMB(カーボンブラックマスターバッチ)を選択した。試作したペレットについて、長ペレットの排除、脱気の徹底、汚れた材料の生産性向上の3つの技術的課題が解決でき、顧客に問題なく販売できるかを評価・検証した。

加工機再生プラスチック2段式押出機

新しい製品・サービス:低価格のリサイクル材料を用いた高品質なリサイクルペレット(自動車・雨水貯留槽・建材向け)

事業の効果

  • 脱気箇所数 1カ所→3カ所

新規設備は連続運転が可能になったため、従来停止していた長ペレットの発生が事実上なくなった。脱気箇所が増えて脱気能力は4倍となり、高品質ペレットを安定して作れるようになった。8時間稼働時の1時間あたりのペレット生産数量は、従来の既存設備と比べて5倍以上に増えた。これにより低価格のリサイクル材料からも高品質ペレットを生産でき、製造原価の引き下げと販路の拡大につながる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存設備の脱気不足や長ペレット問題を解決する設備導入と読めるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    低価格材料のリサイクル需要増や販売単価下落に言及し、既存設備の限界を示しているが、自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    仕入れ単価引下げの必要性と設備では低価格スクラップを扱えない課題を示し、新規設備で脱気3カ所や生産数量5倍以上という実効性の高い改善を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    脱気能力4倍、生産数量5倍以上、事業開始5年後の売上規模2億1,811万円と数字で目標が示され、試作検証の裏付けもある。

  • 事業を進める体制2

    試作12通りの設計・開発や評価検証を行ったとあるが、従業員63人のうち体制や人材、事務処理能力については記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは国内成形業者と東南アジアの海外業者と明示され、高品質ペレットの需要増や顧客に問題なく販売できる品質の検証も書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作と検証の流れや技術的課題の解決方法は示されているが、中長期のスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    マテリアルリサイクル市場約1,800億円、年200万トン規模で、高水準の高品質ペレット生産を目指す点が示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    マテリアルリサイクル量の拡大によるサーマルリサイクル削減など、国内・東南アジアの市場への貢献が具体的に書かれている。

  • 費用対効果3

    生産数量5倍や脱気能力4倍など効果は数字で示されるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    新規の2段式押出機と自動メッシュ交換による技術革新は読み取れるが、サプライチェーンへの波及の記載は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    マテリアルリサイクルへの転換を促す記述があり、構造転換への寄与がうかがえるが、政策面との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

事業開始5年後の売上規模を2億1,811万円と予測している。ターゲットは国内のプラスチック成形業者と、東南アジアを中心とした海外のプラスチック業者である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。