ものづくり補助金平成24年度大阪府

小径断熱冷却スプルーブッシュの試作開発

株式会社新日本テック

この事例のポイント

  • 電子機器の小型化に伴い、超精密金型部品の微細精密化のニーズが高まっている。
  • ノズルと金型の間に配置するスプルーブッシュに装着でき、熱を遮蔽する「遮熱hat」を試作開発した。
  • 実験により遮熱効果を実証し、連続成形55分後の金型温度を2.52℃抑制できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新日本テック
所在地大阪府 大阪市鶴見区
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数75人
資本金1億円
設立1953年

事業の背景

同社は1975年に金型部門を設立し、電子部品向けの金型分野で実績を重ねてきた。2010年に特許を取得した冷却スプルーブッシュは、樹脂の糸引きと熱溜りを解消し、小物成形品の成形時間を大幅に短縮した。近年は電子機器の小型化により、超精密金型部品の微細精密化のニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術電子機器の小型化に伴い、超精密金型部品の微細精密化のニーズが高まっている。
  • 品質・精度低粘度で流動性のよい樹脂を使うと、射出成形機のノズルから金型へ熱が移動し、金型の微妙な温度制御が難しい。
  • 生産能力ノズルの熱が金型に奪われて成形の固化時間が延び、生産性が低下している。

やったこと

ノズルと金型の間に配置するスプルーブッシュに装着でき、熱を遮蔽する「遮熱hat」を試作開発した。外部部品は熱伝導率の低いステンレスで製作し、内部にはノズルからの圧力に耐えるステンレス製メッシュを配置した。メッシュの空隙部にはバルーンを含有する遮熱層を設けた。この遮熱hatをスプルーブッシュに両面テープで貼り付けるだけで、ノズルと金型間の熱移動を抑制できる。3層構造とすることで、射出成形機のノズルタッチ力に耐える強度も確保した。

新しい製品・サービス:遮熱hat

事業の効果

実験により遮熱効果を実証し、連続成形55分後の金型温度を2.52℃抑制できた。3層構造により射出成形機のノズルタッチ力に耐える強度を確保し、消費電力量を22.4%削減して毎時758円の節約となる省エネ・経済効果も得られた。また樹脂の糸引きを大幅に低減でき、安定した成形と生産性の改善も期待できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1975年に金型部門を設立し、冷却スプルーブッシュから遮熱hatへ続く機能性金型部品の開発という過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電子部品・精密光学レンズ分野の微細精密化ニーズと、特許取得済みの冷却スプルーブッシュという自社の強みが示されている。

  • 課題の認識と解決3

    ノズルから金型への熱移動による温度制御の難しさという課題が示され、遮熱hatで解決する方向が記載されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1年目の販売数1,200個、販売価格9,800円(税抜)と目標値が具体的に示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員75人、資本金1億円の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力は記載されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金属製で熱を遮蔽する遮熱hatの特徴、販売先の成形メーカーや海外企業といったターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    展示会やホームページ等での知名度向上、金型とのセット販売など今後の進め方は示されているが、スケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ノズルと金型間の熱を遮る遮熱hatは、画期的な新商品と位置付けられ、高付加価値・高価格の製品であることが示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外企業も含む国内外の需要開拓が示されるが、雇用創出や波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果4

    消費電力量を22.4%削減、毎時758円の節約、金型温度を2.52℃抑制と数値で費用対効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    3層構造の金属部品という新規開発が示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

展示会、ホームページ、リーフレット、メディアなどを活用して知名度を向上させ、国内外の需要を開拓する。遮熱hatと金型のセット販売も目指す。販売価格は9,800円(税抜)を想定し、1年目の販売数は1,200個を目標とする。今後は多様な成形条件に合う遮熱hatの試作開発にも取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。