ものづくり補助金平成24年度大阪府

産業用熱交換器における熱交換能力向上及び耐久性向上を目的とする試作開発

境川工業株式会社

この事例のポイント

  • 既存の熱交換器はコンパクトにすると機能性が失われ、材質を軽くするとコストが掛かるという、何かを追求すると何かを我慢する構図があった。
  • “コンパクトで安くて軽い”をコンセプトに製品開発を進めた。
  • 開発した熱交換器は熱交換能力と耐久性が向上し、比較的コンパクトな製品が完成して目指していたものに近い成果を得られた。

事業者のプロフィール

事業者名境川工業株式会社
所在地大阪府 堺市
技術分野切削加工
従業員数40人
資本金1,200万円
設立1947年

事業の背景

1947年創業のフィンチューブ式熱交換器の専門メーカーで、プレートフィンヒーター、熱媒体油用コイル、エロフィンヒーター・温水ヒーターなどの加熱用コイルが主力製品である。冷却コイル(ウォーターコイル、ブラインコイル)も手掛け、製品は国内各地の化学機械メーカーなどの産業用機械メーカーに納品され、一部は海外へも輸出されている。営業と技術の密な連携によるバリューエンジニアリングを積極的に行っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の熱交換器はコンパクトにすると機能性が失われ、材質を軽くするとコストが掛かるという、何かを追求すると何かを我慢する構図があった。
  • 品質・精度同社の熱交換器が使用される環境は過酷な場所が多く、耐久性の向上が不可避だった。

やったこと

“コンパクトで安くて軽い”をコンセプトに製品開発を進めた。フィン形状の高度化と管板の高精度加工技術の確立により、熱交換器のさらなる小型化と熱交換能力・耐久性の向上に挑んだ。補助金は機械設備の導入と材料の購入に充当した。社長を中心とする数人で試作開発を進め、能力テストを行い、試行錯誤を繰り返した。

新しい製品・サービス:フィン形状を高度化し、管板の高精度加工技術を用いた、熱交換能力と耐久性を向上させた小型の産業用熱交換器。

事業の効果

開発した熱交換器は熱交換能力と耐久性が向上し、比較的コンパクトな製品が完成して目指していたものに近い成果を得られた。得意先に使ってもらった結果、設置スペースが確保しやすく使い勝手が良いなどの評価を得ている。今後は既存の得意先を中心に販売し、新たな販売先の開拓にも力を入れる。一方で初期不良が既存品より出やすく、改善が課題となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1947年創業の熱交換器専門メーカーで、開発の継続が読み取れるが、過去の取組との一貫性を示す具体的記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    短納期と中堅社員の対応力が強みとされ、顧客の要望への対応力が示されるが、競争優位の数値的根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    小型化・能力向上・耐久性向上という課題認識と量産化の方針は読めるが、高付加価値化の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、引合い増加の傾向がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    社長を中心に数人で試作開発を進め、40人規模で中堅社員が多いと書かれているが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    コンパクトで安くて軽いという製品コンセプトと、得意先での評価が書かれているが、ターゲットの明確な整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は量産化や海外販売を目指すと書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    産業用熱交換器は一般的な普及度が高く、高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    開発費用対効果の課題が残るとされ、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    堺市の企業であることは読めるが、地域特性を活かした雇用創出の記述は乏しい。

今後の展望

地道な製品改良を進めつつ量産化に移行し、海外市場へも間接的に売り込む販売展開を目指す。産業用熱交換器に特化し、従業員の能力向上と得意先からのリピート受注に注力して、小さくても強い会社を目指す。2015年に入り前年をやや上回る引合いを得ており、2015年3月から社長に就任した経営手腕に期待がかかる。

事業者の声

得意先の要望に常に耳を傾けている社員が多いからこそ、求められている製品イメージ、ゴールが暗黙の了解で共有されていたことが、成功の鍵となった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。