ものづくり補助金平成24年度大阪府

トルクレンチ内蔵型十字レンチの試作開発

フラッシュ精機株式会社

この事例のポイント

  • 自動車の販売台数減少と工具の買替え需要の低迷により、売上の確保が難しくなっている。
  • エンドユーザーの購入傾向や実際の声を調査し、現状製品の使い勝手や課題点を把握した。
  • 十字レンチとトルクレンチの持ち替えが不要となり、タイヤ交換の作業を一連の動作で済ませられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名フラッシュ精機株式会社
所在地大阪府 阪南市
業種はん用機械器具製造業
技術分野金型
従業員数25人
資本金4,960万円
設立1897年

事業の背景

日本のモータリゼーションに伴い自動車の販売台数は右肩上がりで、整備需要も盛んだった。しかし販売台数が減り、性能の良い製品が出回るようになってからは工具の買替え需要が減少している。同社はソケットレンチ等を製造しており、売上確保に苦慮している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車の販売台数減少と工具の買替え需要の低迷により、売上の確保が難しくなっている。
  • 人手・技能タイヤ交換時に十字レンチとトルクレンチを使い分けるため、工具の持ち替えで作業が二度手間になり能率が悪い。

やったこと

エンドユーザーの購入傾向や実際の声を調査し、現状製品の使い勝手や課題点を把握した。タイヤ交換では十字レンチとトルクレンチを併用する大半のユーザーが二度手間になっていることがわかり、十字レンチに単能型トルクレンチを内蔵させる製品の開発に着手した。機構部分の設計に時間を要し図面の書き直しなどに対応した。デザイナーをプロジェクトに参加させ、デザイン性の向上にも取り組んだ。

新しい製品・サービス:十字レンチに単能型トルクレンチを内蔵させた工具

事業の効果

十字レンチとトルクレンチの持ち替えが不要となり、タイヤ交換の作業を一連の動作で済ませられるようになった。試作品は既存の得意先数社に使用してもらい、まずまずの好反応を得ている。一方で安全性の保証と量産時の生産プロセス構築が課題として残っており、改良を加えたうえで販売は今しばらく後になる見通しである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    1897年創業の老舗で、買替え需要減少を受けユーザー調査から十字レンチ開発に着手した経緯が書かれており、既存事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    安全への配慮が企業文化で、得意先評価も高いと書かれる一方、競争優位の定量的な根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    タイヤ交換時の十字レンチとトルクレンチの二度作業という課題を特定し、一体化した製品で作業を一連化する解決策が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    事業計画は自力で作成し、デザイナーや公的機関とも連携したと書かれるが、体制や人材の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ユーザーの声を基に使い勝手を改善した点や得意先の好反応は書かれるが、顧客ターゲットや価格の整理は示されていない。

  • 事業化までの道筋3

    安全性の検証と外注を含む量産プロセスの構築が課題と示され、販売は今しばらく後と時期の方針は書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    十字レンチにトルクレンチを内蔵する製品で、既存製品との差別化が示されるが、市場の普及度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    中小企業が生き残る道筋を国や自治体が示すという代表の言葉はあるが、波及効果や雇用創出の具体は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は書かれておらず、一連動作化という工程改善にとどまるため、サプライチェーンへの貢献はうかがえない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大阪府阪南市の立地が示されるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及はわずかにしかない。

今後の展望

安全性の検証を重ねたうえで販売を進める。リーマンショック以降は売上が回復しつつあるが以前の水準には戻っておらず、日本市場にこだわらず商社経由の海外販売にも力を入れる。2017年の創業120周年を機に新たな飛躍を目指す。

事業者の声

ユーザーに事故があってからでは本末転倒。安全確保が最も大事

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。