ものづくり補助金平成24年度大阪府

1-5m?/分という超微少流量の計測・自動安定化制御機の試作開発

日東商事株式会社

この事例のポイント

  • 原型機の微少流量計測部の流量センサーは手作りのため不安定で、取扱いも難しかった。
  • 0.1~50ml/分の超微少流量を計測し自動で安定化制御するため、デジタル設定、リアルタイム監視、非接触計測の機能を備えた装置を試作開発した。
  • 原型機の流量センサーを再設計したことで精度の確認と安定した動作が得られ、取扱いも容易になった。

事業者のプロフィール

事業者名日東商事株式会社
所在地大阪府 大阪市北区
業種各種商品卸売業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数56人
資本金2,500万円
設立1947年

事業の背景

1947年創業の老舗商社で、自社内に製造部門と研究部門を持ち、顧客や市場ニーズに応じた開発力を強みとしている。保有特許は11件にのぼる。主力の自社製品トフマクは刃物用非粘着コーティング剤として開発された薄膜で、施工、溶液販売、提案、試作、量産まで対応でき、小ロットにも対応できることが強みである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度原型機の微少流量計測部の流量センサーは手作りのため不安定で、取扱いも難しかった。
  • 品質・精度トフマクを刃物に均一に塗布するには超微少量を安定して吐出する必要があるが、その制御が安定していなかった。

やったこと

0.1~50ml/分の超微少流量を計測し自動で安定化制御するため、デジタル設定、リアルタイム監視、非接触計測の機能を備えた装置を試作開発した。原型機の流量センサーは精度要件を詳細に分析して再設計し、精度確認と安定動作を得て取扱いも容易にした。微少流量の調節器として電子制御ニードルバルブと高速電磁弁を試作し、電子制御ニードルバルブでは0.01ml/分クラスの調節も可能にして、粘度や目標流量範囲に応じて使い分けられるようにした。流量制御機本体は高速動作化と操作性の改善に取り組み、目標流量値をデジタル設定すると初期流量を厳密に設定しなくても自動で目標値に安定するようにした。溶液タンク、配管、制御装置を実装した持ち運び可能な機器ケースを試作し、2014年12月の機能性コーティングフェア2014と2015年1月のコンバーテック2015で展示した。

新しい製品・サービス:超微少流量の計測・自動安定化制御機

事業の効果

原型機の流量センサーを再設計したことで精度の確認と安定した動作が得られ、取扱いも容易になった。電子制御ニードルバルブでは0.01ml/分クラスの安定した流量調節が可能になった。目標流量値をデジタルで設定すれば誰でも容易に操作でき、当初の目標を上回る性能と操作性を実現した。展示会では多くの企業が関心を示し、今後の案件化が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性超微少流量0.1〜50ml/分の計測制御と0.01ml/分クラスの調節が可能とし、商社機能と特許11件を強みとして挙げ、競争優位を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けトフマクの切れ味持続や切断粉減少の特長を示し、顧客ニーズに応じた機器ケースを展示会で披露して関心を集めた。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標当初目標を上回る性能と操作性を実現したと述べるが、付加価値額や賃上げにつながる数値目標は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    1947年創業でトフマク事業の製造ラインに原型機を導入済み。既存製品の延長として新規事業を位置付けており、過去の取組との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    超微少流量0.1〜50ml/分の計測制御と0.01ml/分クラスの調節が可能とし、商社機能と特許11件を強みとして挙げ、競争優位を示している。

  • 課題の認識と解決3

    微少流量のコントロールに悩む顧客をリサーチし課題解決型営業を行うとしており、課題認識と製品化の方向性が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    当初目標を上回る性能と操作性を実現したと述べるが、付加価値額や賃上げにつながる数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    製造・研究部門を自社内に持ち、内製開発で原型機を試作し、複数回の試作を行った実績がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    トフマクの切れ味持続や切断粉減少の特長を示し、顧客ニーズに応じた機器ケースを展示会で披露して関心を集めた。

  • 事業化までの道筋3

    原型機の精度要件を分析して再設計試作し、今後はセット販売と一部機能販売を視野に入れる展開計画を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    超微少流量の計測・自動安定化制御機は汎用的な普及品ではなく、0.01ml/分クラスの調節を実現した点で高水準の性能を持つ。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    雇用や波及効果、社会的インフラへの貢献など国が補助する積極的理由は事例中で示されていない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル設定、リアルタイム監視、非接触計測を実装した装置で、トフマク製造ラインの品質向上に貢献する形になっている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    機能性コーティングや微少流量制御の新規事業化を述べるが、成長分野への進出や構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    大阪市北区の企業で地域の特性や雇用・地域経済成長への言及は乏しく、地域牽引の効果は読み取りが弱い。

今後の展望

今後は微少流量の制御に悩む顧客を課題解決型で営業し、セット販売に加えて一部機能のみの販売も視野に入れ、より柔軟な営業活動を展開していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。