ものづくり補助金平成24年度大阪府

インターネットを利用した21世紀型ものづくり一貫生産受託ビジネスモデル

株式会社可門プリントラボ

この事例のポイント

  • 自社で企画・設計した漆喰消臭マルチスタンドを市場に投入するにあたり、販売の流通経路を広げる必要があった。
  • ものづくり企業と市場ニーズをマッチングするサイトを立ち上げ、マーケティング結果をもとに製品化を判断できる体制を構築した。
  • マーケティングを行える体制を構築したことで、製品化の判断と量産へのつなげ方が明確になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社可門プリントラボ
所在地大阪府 東大阪市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数9人
資本金1億円
設立1981年

事業の背景

1956年に自転車用シールラベルで創業し、自転車の国内製造の衰退を受けて1990年に自動車用樹脂部品、1999年に薄型テレビの電磁波バリアシートなどへ参入して事業転換を繰り返してきた。現在は医療・介護・スポーツ用品などのニッチで付加価値の高い分野も手がけている。主な取引先は日用雑貨品・スポーツ用品・介護用品などのメーカーである。樹脂業界で二次元と三次元の両方の技術を持つ競合は少ない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術自社で企画・設計した漆喰消臭マルチスタンドを市場に投入するにあたり、販売の流通経路を広げる必要があった。
  • 人手・技能マーケティングや商品化を苦手とする中小製造業の製品を、自社で市場ニーズを捉えて製品化につなげる体制がなかった。
  • 生産能力試作に時間がかかり、試作を効率化して迅速に対応できる設備が不足していた。

やったこと

ものづくり企業と市場ニーズをマッチングするサイトを立ち上げ、マーケティング結果をもとに製品化を判断できる体制を構築した。試作を効率化するため三次元切削機を導入した。同目的でオンデマンド印刷機も導入し、試作の迅速化と小ロット対応を進めた。プレスの加圧能力を高め、抜きやエンボスなどの二次元加工と三次元加工の対応幅を広げた。

新しい製品・サービス:漆喰消臭マルチスタンド(除湿や消臭効果のある漆喰を樹脂にコーティングした素材で、折り曲げ方を変えるとスリッパスタンド、ハンガー、シューズテーパーになる製品)

事業の効果

マーケティングを行える体制を構築したことで、製品化の判断と量産へのつなげ方が明確になった。三次元切削機とオンデマンド印刷機の導入により試作が迅速になり、二次元と三次元の両方に対応できる強みが市場で差別化につながる見込みである。物販サイトと大手WEB販売サイトの2本立てで商流を拡大する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性二次元と三次元の両方に対応できる点や、医療・介護・スポーツ用品などニッチ分野を手がける強みが具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値樹脂業界で二次元と三次元の両方を持つ競合が少ないことや、ニッチトップの顧客との取引が書かれ、差別化が明確である。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標プレスの金型レス加工でコストを10分の1以下に抑えた事例はあるが、補助事業の付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来、自転車用シールラベルから自動車部品・薄型テレビ部材へと事業転換を重ねた経緯が書かれ、樹脂加工の軸は一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    二次元と三次元の両方に対応できる点や、医療・介護・スポーツ用品などニッチ分野を手がける強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    試作や小ロット量産の効率化、マーケティング不得手という課題認識が書かれているが、数値目標を伴う事業計画は読み取れない。

事業の実現可能性2.4
  • 付加価値・賃上げの目標2

    プレスの金型レス加工でコストを10分の1以下に抑えた事例はあるが、補助事業の付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員9名の会社であることは書かれているが、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療・介護・スポーツ用品などの顧客像と、設計・開発を支援する価値提供が書かれているが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    サイト立ち上げや物販サイトの来春市場投入予定は書かれているが、中長期の検証や課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    樹脂業界で二次元と三次元の両方を持つ競合が少ないことや、ニッチトップの顧客との取引が書かれ、差別化が明確である。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    国内中小製造業の活性化や製造業のマーケティング支援という意図はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    部材を金型レス加工に変えてコストを10分の1以下に抑えた事例があり、費用対効果の一端は読み取れるが補助金額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    マッチングサイトによるビジネスモデルは書かれているが、先端的デジタル技術の活用度やサプライチェーンへの貢献は具体的ではない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    東大阪市の中小製造業との連携を掲げるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への具体的な効果は書かれていない。

今後の展望

来春に漆喰消臭マルチスタンドを大手WEB販売サイトを通じて市場投入し、自社サイトと合わせて商流を拡大する計画である。

事業者の声

新時代の令和は、これまでの物質的な価値提供に磨きをかけるとともに、目に見えない価値を付加して、お客様に提供する企業へと成長して参りたいと考えております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。