ものづくり補助金平成27年度製造業千葉県

独自のカーボンロール技術を高度化し、併せてプロペラシャフトの一貫製造技術の確立

サンレイ工機株式会社

成果納期(加工時間) 14日→5日

この事例のポイント

  • カーボンロールやプロペラシャフトの両端に付く金属製の軸などの部品は、外注加工に頼らざるを得ない状況だった。
  • 最新鋭の複合加工機を導入し、これまで外注していた金属部品の加工を社内で行えるようにした。
  • 納期(加工時間) 14日→5日。金属軸の内製化という当初の目標を達成し、利益も上げている。

事業者のプロフィール

事業者名サンレイ工機株式会社
所在地千葉県 市川市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,複合・新機能材料
従業員数35人
資本金4,000万円
設立1969年

事業の背景

当社は独自のクラッド法などで製造するカーボンクラッドロールを主力とし、液晶パネルや燃料電池向けの高機能フィルム製造ラインに多数採用されている。ロール面長が5mを超える大型品は国内外で当社のみが製造に成功しており、日本の高機能フィルムの高品質化と競争力確保に貢献している。ロール製造で培った技術を応用し、国内自動車レース最高峰GT500マシン向けのカーボンプロペラシャフトも製造している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力カーボンロールやプロペラシャフトの両端に付く金属製の軸などの部品は、外注加工に頼らざるを得ない状況だった。
  • 納期・工程外注加工では金属部品の納期(加工時間)が14日かかっており、短納期での製品製造が課題だった。

やったこと

最新鋭の複合加工機を導入し、これまで外注していた金属部品の加工を社内で行えるようにした。実機が納入されるまでに所定の教育訓練を終えたオペレーター2名が担当し、人材を育成した。まず同一形状の軸を連続して加工できるようプログラムをセットし、刃物や工具類を選定した。試作から本稼働までを半年間で取り組み、精度を確立した。

加工機導入複合加工機(最新鋭複合加工機)

事業の効果

  • 納期(加工時間) 14日→5日

金属軸の内製化という当初の目標を達成し、利益も上げている。加工精度は従来の外注加工を上回るものを製作できるようになり、納期短縮により従来以上の受注にも対応できるようになった。導入した実機はフル稼働が続いている。事業が評価され、千葉県から千葉ものづくり認定製品の認定を受け、販路拡大の支援も受けている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    カーボンロール製造で培った技術をプロペラシャフトに応用し、金属軸の内製化へ進む一貫した流れが事例に具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    液晶・燃料電池向けフィルム用ロールで日本が世界で圧倒的シェアを保持と記載され、独自技術による競争優位が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    外注加工の納期14日を5日に短縮し、内製化で従来以上の受注に対応できた点から課題と解決策が具体的に読める。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    納期短縮や金属軸の内製化は達成とあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず具体性が薄い。

  • 事業を進める体制3

    オペレーター2名の教育訓練を実施したとあるが、人員体制や事務処理能力の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽量で低たわみ高剛性、鉄の1/5の軽さという特徴と、液晶・リチウムイオン電池セパレーター向けの用途が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は量産品向けセパレーター製造装置用ロールへ展開し、プロペラシャフト部品を2.5倍に増産する方針はあるが、遂行方法や課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    事業実施後に利益が上がっていると記載があるだけで、資金調達や財務状況の具体的な情報は書かれていない。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    面長5mを超える大型カーボンロールを国内外で当社のみが製造に成功と明記され、高水準の高付加価値分野であることが数字つきで読める。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    日本の高機能フィルムの高品質化と競争力確保に貢献とあるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加分は書かれておらず、費用対効果を判断する数値がほぼない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は記載がなく、リチウムイオン電池セパレーター向け量産品への展開が示されるにとどまる。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    電気自動車の増加に伴うリチウムイオンバッテリー構成品の需要増に対応する記載があり、成長分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    千葉県の認定製品や県による販路拡大支援があり地域との関わりはうかがえるが、地域経済への波及効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はより多くの軸加工を内製化していく。電気自動車の増加によりリチウムイオンバッテリーのセパレーター製造装置向けの量産品カーボンロールの要求が高まっているため、その対応を進める。自動車レースのカテゴリーが欧州と共通になる見通しから、カーボンプロペラシャフト用の金属部品も現在の2.5倍程度に増産が見込まれ、これらも手がけていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。