ものづくり補助金平成24年度大阪府

一般住宅、介護施設用の静音・快適な自閉引戸ユニットの開発

株式会社SKB

この事例のポイント

  • 引き戸クローザーはインテリアに合わないデザインが多く、操作音も耳障りとなっていた。
  • 介護施設や一般住宅で使える引き戸クローザーの開発に着手し、開閉時の静音性確保と施工時の職人の負担軽減を重視した。
  • 静音性を実現し、既存製品をバージョンアップさせた引き戸クローザー「RCM」を2015年8月時点で発表予定とした。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社SKB
所在地大阪府 東大阪市
業種はん用機械器具製造業
技術分野金属プレス加工
従業員数95人
資本金8,000万円
設立1970年

事業の背景

1970年創業の機能金物メーカーで、セーフティーストッパーや引き戸クローザーなど住宅用機能金物を扱う。内装建材業界、サッシ建材業界、産業機器金物業界のトップ企業が主な取引先で、現在はそれらからのOEM受注が多い。2015年からオリジナルブランド「kuuki」を立ち上げたが、現段階では戸当りのみの取扱いである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術引き戸クローザーはインテリアに合わないデザインが多く、操作音も耳障りとなっていた。
  • 生産能力引き戸クローザー自体が重く構造も複雑で、施工者の取付けに手間が掛かっていた。
  • 新製品・新技術高齢化を背景に、介護や住宅リフォーム分野で安心・安全で快適な引き戸クローザーの需要が高まりつつあった。

やったこと

介護施設や一般住宅で使える引き戸クローザーの開発に着手し、開閉時の静音性確保と施工時の職人の負担軽減を重視した。素材選択から構造までコンピュータ上で何度もシミュレーションを行い、軽い部材の厳選や構造の簡易化で対応した。新たに音響解析ソフトウェアを導入し、部品をコンピュータ上で組み立てる形で設計開発を行った。実際のコストを掛けずに製品の形を作れ、モデル化できたため従前よりスピーディーに開発できた。音の分野は経験が少なく文献や学会誌を読み、音に関する専門的な知見を蓄積した。

新しい製品・サービス:静音性を考慮した引き戸クローザー「RCM」

事業の効果

静音性を実現し、既存製品をバージョンアップさせた引き戸クローザー「RCM」を2015年8月時点で発表予定とした。ブレーキや走行性もグレードアップしている。取付けについても施工現場から一定の評価を得ており、業界内の口コミによる広がりを期待している。価格面では他社製品に比べ、性能面を重視する取扱い企業からの反応が良いとされる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.5 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    強み・弱みを踏まえた優位性特許400件超と300工場との協力体制を強みとし、OEM依存からオリジナル製品への転換で低価格競争を避ける方針が明確。
  • 4
    これまでの取組との一貫性1970年創業から機能金物を継続し、2015年からオリジナルブランドkuukiを立ち上げ、既存の技術を応用する方針が一貫している。
  • 4
    課題の認識と解決OEM依存と低価格競争のリスクを課題に挙げ、オリジナル製品開発と商社への販路開拓で付加価値向上を図る計画。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値向上を掲げるが、具体的な売上や付加価値額、賃上げの目標値が示されていない。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    1970年創業から機能金物を継続し、2015年からオリジナルブランドkuukiを立ち上げ、既存の技術を応用する方針が一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    特許400件超と300工場との協力体制を強みとし、OEM依存からオリジナル製品への転換で低価格競争を避ける方針が明確。

  • 課題の認識と解決4

    OEM依存と低価格競争のリスクを課題に挙げ、オリジナル製品開発と商社への販路開拓で付加価値向上を図る計画。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値向上を掲げるが、具体的な売上や付加価値額、賃上げの目標値が示されていない。

  • 事業を進める体制4

    設計と製造の現場が近接し、開発者が自ら組み立て検証する体制と、300工場との協力体制がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    施工者の重さと操作音、介護・リフォーム分野の需要増というニーズを整理し、静音・軽量を選ばれる理由としている。

  • 事業化までの道筋3

    シミュレーションで静音化を進め、商社開拓や海外展開を中長期の方針として示している。スケジュールは詳細でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    音の静音化を新たな引き戸クローザーで実現し、デザイン性を高めたオリジナル製品で価格競争を避ける方針が示されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    高齢化に伴う介護福祉・住宅リフォーム分野での安心・快適な製品需要の高まりに対応する点が示されている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    コンピュータシミュレーションと音響解析ソフトを用いた設計開発で、開発の効率化を図っている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    東大阪市の機能金物メーカーとして、技術開発力を活かした高付加価値製品で事業を展開している。

今後の展望

製品の付加価値向上により低価格競争のリスクを減らし、機能性とデザイン性を備えたオリジナル製品を開発する。既存の特許技術を応用し、既存取引先にこだわらず商社への販売に注力する。全国の建築関連商社を開拓し、中長期的には海外展開も視野に入れる。

事業者の声

コンピュータ技術の向上により、開発の精度は高まりつつあるが、開発は機械によるのではなく、人間の意思、そして手と汗から生まれるもの

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。