ものづくり補助金平成29年度製造業群馬県

宇宙・航空機向けギヤー部品の革新的検査体制の構築

株式会社町田ギヤー製作所

成果部品1個当たりの測定時間 60分→2.33分

この事例のポイント

  • 宇宙・航空分野では加工部品の全数検査が要求され、検査工数が大幅に増える見込みだが、現状の検査体制では対応しきれない。
  • 幾何形状自動認識機能や複数個同時自動測定機能を有する高精度三次元座標測定機を導入した。
  • 部品1個当たりの測定時間 60分→2.33分。プログラムによる自動測定で、部品1個当たりの測定時間が従来機比96%短縮され、目標の1個5分をクリアした。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社町田ギヤー製作所
所在地群馬県 高崎市
業種はん用機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数55人
資本金1,000万円
設立1949年

事業の背景

当社は建設機械、農業機械、印刷機械などの部品向けに歯車部品と付随する金属加工部品を製造するギヤー専業メーカーである。2015年に航空・宇宙・防衛分野の品質マネジメントシステム「JIS Q 9100」を取得して宇宙産業分野に参入し、H2Aロケットや次期基幹ロケットH3のエンジン関連部品などを受注している。宇宙・航空機分野でのギヤー加工に対応できる企業は限られ、引き合いが増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力宇宙・航空分野では加工部品の全数検査が要求され、検査工数が大幅に増える見込みだが、現状の検査体制では対応しきれない。
  • 人手・技能検査には熟練検査員への依存が大きく、超高精度の測定にも対応しなければならなかった。
  • 生産能力航空分野の大手メーカーからの精密ギヤー製作依頼に検査能力が不足して応えられず、受注機会を逃していた。

やったこと

幾何形状自動認識機能や複数個同時自動測定機能を有する高精度三次元座標測定機を導入した。12個同時に測定でき、測定器に固定でき、ある程度の強度をもつ治具を設計製作し、治具の重量を抑えるために素材を選定し、取り回しを良くするために取っ手を付ける改良を行った。導入済みのCATIA V5のCADデータを活用して測定プログラムを作成し、品質保証部門の検査スタッフに技術を習得させる講座を実施した。超高精度測定に対応するため、三次元座標測定機の測定作業者をメーカーによる教育訓練でスキルアップさせた。

検査測定高精度三次元座標測定機
その他測定用治具
ソフトCATIA V5

事業の効果

  • 部品1個当たりの測定時間 60分→2.33分

プログラムによる自動測定で、部品1個当たりの測定時間が従来機比96%短縮され、目標の1個5分をクリアした。熟練検査員に頼らない検査方法が確立され、24時間稼働の検査体制が整った。これにより宇宙・航空分野の全数検査依頼に十分対応できるようになった。国内の宇宙産業メーカーとの取引拡大や、航空機分野での受注拡大が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    2015年のJIS Q 9100認証取得と宇宙分野参入、CATIA V5導入という過去の取組の延長線上に検査体制強化が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    宇宙産業の市場規模倍増目標や国内宇宙メーカーとの取引開始を踏まえ、宇宙・航空分野の全数検査に対応できる強みが示されている。

  • 課題の認識と解決4

    従来機1個約1時間の検査時間を2分20秒に短縮し、検査能力不足で受注できなかった課題を解消する方向が数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1個5分の目標をクリアし、96%の時間短縮と1億500万円の売上見込みが数字で示されている。賃上げ目標の記載はない。

  • 事業を進める体制3

    メーカーによる教育訓練や品質保証部門検査スタッフへの技術習得講座の実施が書かれている。人員数や事務体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    宇宙・航空分野の全数検査依頼や大手メーカーからのジェットエンジン向け等の製作依頼が多いことが書かれ、顧客ニーズは裏付けられている。

  • 事業化までの道筋3

    治具設計やCATIAデータ活用の測定プログラム作成など方法は書かれているが、中長期のスケジュールや課題解決の時期は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    宇宙・航空分野のギヤー加工は対応できる企業が限られ、引き合いが増加中と書かれており、高水準の専門性がうかがえる。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    宇宙基本計画の累計5兆円目標や市場規模倍増目標に触れ、国の産業政策との関連が示されている。

  • 費用対効果3

    測定時間を96%短縮したと数字で示されているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献4

    自動認識機能付き3次元座標測定機やCATIAデータを用いた測定プログラムが記載され、デジタル技術の活用がうかがえる。

政策面60%
  • 成長分野への進出4

    宇宙・航空分野という今後拡大する産業への進出として書かれ、日本の成長分野への参入が示されている。

  • 地域経済への波及2

    高崎市に所在することは書かれているが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業で十分な検査体制が整ったことから受注を拡大でき、将来的には1億500万円の売上を見込む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。