ものづくり補助金平成27年度製造業新潟県

装飾キット開発、提供による小規模中小企業の展示会出展促進事業

切り文字屋オッケイ株式会社

この事例のポイント

  • インターネット販売は地域を問わず顧客を集められる一方、小ロットで単価が安めで、検索順位の変動により売上に即影響が出るなど不確定要素が多い。
  • 地元の展示会に出展したところ、看板やカッティングシートではなく、ブースの展示方法に関する質問が多いことに気づいた。
  • 試作品を自ら展示会で検証し続けたことで、完成度の高いパッケージ商品を生み出すことができた。

事業者のプロフィール

事業者名切り文字屋オッケイ株式会社
所在地新潟県 燕市
業種印刷・同関連業
技術分野デザイン,製造環境
設立2004年

事業の背景

2004年に彫刻業の一部門として創業し、看板や窓、プレートなどに貼る文字やイラストを切り出すカッティングシール・シートをインターネットで販売してきた。当時は個人客が中心だったが、女性スタッフのきめ細やかなサポートや事例・パンフレット、動画による設置方法の説明などが評判となり、口コミで法人顧客が増えた。新潟県燕三条は製造事業所が約5千社あり、展示会・見本市への出展で新規開拓や販路拡大を望む事業者も多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信インターネット販売は地域を問わず顧客を集められる一方、小ロットで単価が安めで、検索順位の変動により売上に即影響が出るなど不確定要素が多い。
  • コスト・採算中小規模の事業者にとって展示会は、限られた予算の中で出展料を払い、ブースを制作し、人員を配置するなど負担が少なくない。

やったこと

地元の展示会に出展したところ、看板やカッティングシートではなく、ブースの展示方法に関する質問が多いことに気づいた。小規模事業者の「低コスト」「コンパクトに収納できる」「設置に人手がかからない」というニーズを基に、ブースの壁をまるごとプリントした布で覆う「ブースラッピング」を考案した。クロス印刷は自社所有の設備で行えるが、社名や商品名プレート等のディスプレイツールを制作するため、補助金でレーザー加工機を導入した。試作品を複数作り、自ら展示会に出展して試作品の使い勝手を検証し続けた。

加工機レーザー加工機

新しい製品・サービス:ブースラッピング(展示会出展キット)

事業の効果

試作品を自ら展示会で検証し続けたことで、完成度の高いパッケージ商品を生み出すことができた。展示会用の「ブースラッピング」商品は、単価が高く利益率も高いとされている。展示会サポートを、会社の経営の柱の一つに育てていく方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    2004年創業のカッティングシート事業から展示会サポートへ広げた経緯はうかがえるが、経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    展示会出展数の増加や中小事業者の負担感、燕三条の製造事業所約5千社など市場環境の記述はあるが、自社の強み・弱みとの関係は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    展示会の負担感という課題と、低コストで装飾できるブースラッピングという解決策は示されているが、高付加価値化や成長への定量的な計画はない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    試作品を何度も作り自ら展示会で検証したこと、女性スタッフのサポートがあることはうかがえるが、体制や人材の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低コスト、コンパクトに収納、設置に人手がかからないという顧客ニーズを整理し、ブースラッピングとして製品化した経緯が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作品を展示会で使い勝手を検証し続けたことで完成度を高めたとの記述はあるが、中長期のスケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    展示会ブースの布ラッピングという分野の普及度は書かれていないが、低コストで装飾できる商品化の点は一定の新規性がうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    展示会・見本市の市場拡大や中小事業者の負担感、地元企業との繋がりに触れているが、国が補助する積極的理由としての記述は乏しい。

  • 費用対効果2

    補助金でレーザー加工機を導入したことは書かれているが、投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    電話やメールで全国の顧客に対応する仕組みはあるが、デジタル技術の活用や地域・サプライチェーンへの貢献の記述は限られる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    新潟県燕三条のものづくりのまちで地元企業との繋がりを深める点は書かれているが、雇用創出や地域成長の数値は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

これを機に地元企業との繋がりも深め、展示会サポートを経営の柱の一つに育てていきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。