ものづくり補助金平成27年度製造業富山県

医薬品PTP包装の裁断用金型ユニット製造における精密加工工程の高度化及び包装品質の安定性向上

タカタ精密工業株式会社

この事例のポイント

  • 医薬品産業向けの機械部品や刃物の製造に新たに取り組むことになり、高いレベルでの品質に対応する必要があった。
  • 平成26年度の補助金でCNC超精密研削盤を導入し、裁断性能や耐久性に優れた高品質な機械刃物の製造が可能になった。
  • 高精度CNC3次元測定機の導入により、金型ユニットの全周を一度に測定でき、正確な数値化と評価に基づいて品質が安定し、裁断性能が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名タカタ精密工業株式会社
所在地富山県 中新川郡立山町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

当社は昭和59年に創業し、汎用研削盤1台でスタートした金型部品メーカーである。現在は精密加工メーカーとして、自動車や電子、省力化機械などの部品や工作機械向けの機械刃物、治工具、刻印、歯車などを手掛けている。展示会や商談会に年5~6回参加して販路開拓に努めており、受注取引先数は平成23年の月平均約20社から27年には40社以上へ増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力医薬品産業向けの機械部品や刃物の製造に新たに取り組むことになり、高いレベルでの品質に対応する必要があった。
  • 品質・精度医薬品PTP包装の裁断に用いる金型ユニットは、ミクロン単位の誤差で刃の切れ味や裁断面の品質が左右されるため、品質の安定化が欠かせなかった。
  • 人手・技能職人の手で加工された製品や設計図面のない製品は、測定して設計データにフィードバックする手段が十分でなかった。

やったこと

平成26年度の補助金でCNC超精密研削盤を導入し、裁断性能や耐久性に優れた高品質な機械刃物の製造が可能になった。平成27年度の補助金で高精度CNC3次元測定機を導入し、立体形状部品を3Dで迅速かつ正確に測定して数値化できるようにした。これにより、これまで別々に測定していた金型ユニットの全周の測定が可能になり、正確な数値化や評価を基に品質の安定化を図った。また、測定データを3次元設計データとして設計部門へフィードバックできるようになり、先に導入した研削盤と合わせてデジタルものづくりの技術基盤を整えた。

加工機CNC超精密研削盤
検査測定高精度CNC3次元測定機

新しい製品・サービス:医薬品PTP包装の裁断用金型ユニット

事業の効果

高精度CNC3次元測定機の導入により、金型ユニットの全周を一度に測定でき、正確な数値化と評価に基づいて品質が安定し、裁断性能が向上した。測定を自社で行うことで工程管理がしやすくなり、短納期につながった。また、測定時間や費用が把握できるようになり、コストの低減が図られた。技術基盤が整ったことで、これまで見送っていた案件も含め幅広い製品の受注・製作に対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成26年度に採択されたCNC超精密研削盤導入を経て、医薬品向け機械刃物へ展開しており、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    裁断性能や耐久性に優れた機械刃物を製造できるようになったと記載があるが、市場動向や自社の強み・弱みを比較する記述は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    取引先の高品質・高耐久の要望に応じる課題認識は読めるが、高付加価値化の数値目標や事業計画の詳細は記載されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値の創出や賃上げを実現する数値目標は記載されていない。コスト低減や受注増の表現はあるが目標値ではない。

  • 事業を進める体制3

    従業員18人の企業で、職人の手加工から3次元測定まで自社で行う体制が示されているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医薬品PTP包装の金型ユニットを、ミクロン単位の誤差や裁断性能向上など具体的な価値とともに、取引先からの受注という形で示している。

  • 事業化までの道筋3

    3次元測定の導入、設計へのフィードバック、長寿命化に向けた協議中など今後の進め方はあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医薬品PTP包装の裁断用金型ユニットを高精度に製造する点で、同分野で高水準の高付加価値化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元医薬品メーカーや化粧品・ジュエリー分野への展開はうかがえるが、経済波及や雇用創出の具体的な数値は記載されていない。

  • 費用対効果3

    CNC超精密研削盤の導入によりコストの低減が図られたと記載があるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    3次元測定データを設計へフィードバックするデジタルものづくりの基盤整備はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は記載されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地元富山の医薬品メーカーに対し地の利を生かした販路拡大を進めると記載があるが、地域経済への波及効果の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地元富山の医薬品メーカーに対し、技術力に加えて現場対応の迅速性や搬送の利便性などの地の利をアピールして販路拡大を図る。化粧品やジュエリーなど新しい分野からも依頼があり、技術を幅広く水平展開して積極的に取り組む。

  • 目標:受注取引先数 20社→40社

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。