ものづくり補助金平成27年度製造業石川県

北陸初「超高精細な販促ポップ/ディスプレイ」自社一貫生産体制の構築

ハヤシ印刷紙工株式会社

この事例のポイント

  • 顧客は高いコストパフォーマンスを求めており、注文を受けるだけの受け身の姿勢では生き残れない印刷業者選別の時代に入っている。
  • 導入したインクジェットプリンタと色調管理システムの試運転を行い、問題がないか確認した。
  • 事業の成果として、発泡スチロール、合板、アクリルボード、フィルムなど様々な素材で等しく高精細な印刷を実現できた。

事業者のプロフィール

事業者名ハヤシ印刷紙工株式会社
所在地石川県 金沢市
業種印刷・同関連業
技術分野表面処理
従業員数27人
資本金3,000万円
設立1975年

事業の背景

当社の主要製品はチラシ、カタログ、ポスターなどの広告媒体で、昭和23年の創業以来、高精細印刷を強みとしてきた。近年は顧客が高いコストパフォーマンスを求めるようになり、受け身で注文に対応するだけでは生き残れない厳しい印刷業者選別の時代に入っている。看板業者が担ってきた電飾サインやデザイン什器を含め、複数の広告媒体でトータルに提案できれば顧客の固定化につながるため、超高精細な販促ポップ/ディスプレイに着目した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑顧客は高いコストパフォーマンスを求めており、注文を受けるだけの受け身の姿勢では生き残れない印刷業者選別の時代に入っている。
  • 生産能力既存のUV印刷機では印刷サイズが四六半裁(788mm×545mm)が上限で、より大きなサイズや多様な素材への印刷に対応できなかった。
  • 品質・精度複数の媒体で同じ明るさ・色合い・鮮明さを表現するため、より高いレベルの色調管理を実現する必要があった。
  • 人手・技能高度な色調管理を担える専門スタッフが不足しており、色調管理専門スタッフを育成する必要があった。

やったこと

導入したインクジェットプリンタと色調管理システムの試運転を行い、問題がないか確認した。試作する製品アイテムと仕様を決定し、1デザインを発泡スチロール、合板、アクリルボード、フィルムの4アイテムに展開して試作した。試作品は色調管理システムで定量的に評価するとともに、視覚的効果(使用感)を定性的に評価し、改良点を明確化した。試作条件を再設定して再度試作し、評価して問題が解決されたかを確認した。カラー属性ファイル(プロファイル)を用いたデバイス間の色データ変換により、正確で安定した色再現性を高める技術を確立した。色調管理専門スタッフ1名を業務経験や適性を踏まえて選び、職場内外で研修を実施して育成した。

加工機UVインクジェットプリンタ
ソフト色調管理システム

新しい製品・サービス:超高精細な販促ポップ/ディスプレイ(ポップ、電飾サイン、デザイン什器、フロアサイン、ウインドウグラフィック、小ロット大型ポスター)

事業の効果

事業の成果として、発泡スチロール、合板、アクリルボード、フィルムなど様々な素材で等しく高精細な印刷を実現できた。印刷条件(温度、湿度、印圧、インク選定、機械のコンディション、素材とのマッチングなど)を明確化し、1つの広告デザインを素材やサイズの異なる複数の媒体に同じ明るさ・色合い・鮮明さで展開できるようになった。色調管理の技術と専門スタッフの育成により、提案力の向上も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    高精細印刷という強みを活かし、超高精細な販促ポップ/ディスプレイへ展開する経緯が書かれ、既存事業との連続性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    印刷業者選別の時代という外部環境と高精細印刷の強みに触れているが、市場規模や競合との比較の数字は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    顧客の高コストパフォーマンス要求への対応として提案力向上を挙げるが、具体的な売上目標や数値計画は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    色調管理の技術者1名を養成し、職場内外で研修を実施したと記載があり、人材面の体制はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の販促ニーズ、トータル提案による認知度向上や顧客固定化の効果が説明され、選ばれる理由の方向性は読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作、評価、条件再設定、再試作という段階的な進め方と、今後の生産体制構築の方向が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ウインドウフィルムや多素材の超高精細印刷を、従来の上限四六半裁を超える能力で実現する点が具体的に書かれ、差別化が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域経済への波及や雇用創出などの公的意義はほぼ書かれず、顧客の販売促進支援という民間目的が中心に読める。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    色調管理のプロファイル活用やデジタルカッティングとの融合を挙げ、デジタル技術の活用が読み取れるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    デジタル色調管理や多素材印刷など成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に言及する記述はない。

  • 地域経済への波及3

    北陸初の超高精細販促物の一貫生産体制という地域での取組が示され、地域性はうかがえるが経済成長への効果は数値で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業の成果として、フィルムや合板などへ高精細印刷を施した販促物を製品化し、販路拡大に取り組んでいる。ウインドウフィルムは高いアイキャッチ効果から小売店のウインドウディスプレイに採用された。今後は、様々な素材や媒体で高精細を実現する印刷技術と色調管理のノウハウに、デジタルカッティングマシンの能力を融合し、販促物一式を短納期で提供できる生産体制の構築に取り組みたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。