ものづくり補助金平成27年度学術研究、専門・技術サービス業石川県

開発設計プロセスにおける最適化手法確立によるものづくり技術の革新

株式会社アルパイン設計事務所

成果変形量は21.5%減

この事例のポイント

  • 熱・流体解析と構造解析のデータに互換性がなく、解析結果をものづくりに反映する際に効率が阻害されている。
  • 熱流体解析とデータ互換のある構造解析ソフトを購入し、寸法および形状の最適化を求めるツールによる設計手法を確認した。
  • 変形量は21.5%減。最適化手法の確立により、圧力チャンバーのリブ形状を変形が少なく軽量な設計に絞り込めた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルパイン設計事務所
所在地石川県 金沢市
業種技術サービス業
従業員数66人
資本金3,700万円
設立1986年

事業の背景

当社は平成25年度・26年度補正ものづくり補助金事業で、一般設計者が敬遠する熱・流体解析および構造・熱流体連成解析を中心に解析技術の高度化に取り組んできた。その結果、解析精度は向上したが、解析結果をものづくりに適用する際の効率化を阻害する要因が新たに判明した。当社取引先にも経験や勘、実験による検証で設計しているケースが多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力熱・流体解析と構造解析のデータに互換性がなく、解析結果をものづくりに反映する際に効率が阻害されている。
  • 人手・技能解析結果を最適な形状に落とし込むため、検討の繰り返しが必要になっている。
  • 納期・工程経験や勘、実験による検証で設計するため、試行錯誤や実験の繰り返しで設計期間が長くなっている。

やったこと

熱流体解析とデータ互換のある構造解析ソフトを購入し、寸法および形状の最適化を求めるツールによる設計手法を確認した。事例として圧力チャンバーのリブ最適形状を、トポロジー最適化(位相最適化)およびリブ位置と寸法を変数とするパラメータ最適化(寸法最適化)により求めた。初期モデルはシンプルな容器とし、トポロジー最適化で厚みや大まかな形状を求めて現行リブの妥当性を確認した。パラメータ最適化では、圧力をかけた際の変形量と重量を評価しながら、最も変形が少なく軽量な条件を見出した。

ソフト熱流体解析とデータ互換のある構造解析ソフトウェア
ソフト寸法および形状の最適化ツール(最適化設計ツール)

事業の効果

  • 変形量は21.5%減
  • 重量は9.1%削減

最適化手法の確立により、圧力チャンバーのリブ形状を変形が少なく軽量な設計に絞り込めた。変形量は21.5%減、重量は9.1%削減できた。熱流体−構造連成解析も実施できるようになり、ノウハウも蓄積された。今後は開発期間の短縮と設計品質の向上を通じて、取引先の設計支援や解析業務のビジネス拡大につなげたいとしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25・26年度補正ものづくり補助金での解析技術高度化の延長として位置づけられ、一貫性は読み取れるが経営戦略としての明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    お客様の設計効率化や解析業務のビジネス拡大は触れられているが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    解析データ互換性やリブ形状の検討繰り返しという課題を挙げ、最適化設計で設計期間短縮・品質向上を図ると述べている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    変形量は21.5%減、重量は9.1%削減と数値で目標と成果が示され、高付加価値化の裏付けもある。

  • 事業を進める体制3

    平成25〜26年度に続く補助事業の遂行実績や会議風景はあるが、従業員66人以外の具体的な人材・体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先が経験や勘、実験で設計していることが多いという顧客ニーズは示されるが、顧客ターゲットの整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望で開発期間短縮や事前解析情報の設計活用を述べるが、スケジュールや中長期の検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    熱流体・構造連成解析は一般設計者が躊躇する技術と述べられるが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    補助金投入額と付加価値増加の関係は示されず、軽量化や変形量削減の成果のみが具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    熱流体・構造連成解析や最適化設計というデジタル技術の活用は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は限定的。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    富山県小矢部事務所や石川県金沢の所在はわかるが、地域特性を活かした価値創出や雇用効果の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

解析で得た情報を設計に生かす方法で、取引先の設計支援をさらに進められると考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。