ものづくり補助金平成27年度製造業福井県

飲料水向け樹脂繊維フィルターの試作開発

株式会社フクトミ

成果溶着後の寸法精度は0.1mm以下を保つことができるようになった。

この事例のポイント

  • 既存の熱処理溶着では樹脂繊維を溶かす際に糸引きが発生することがあり、除去作業と全数選別が必要だった。
  • 樹脂繊維フィルター超音波溶着機を導入し、試作品の樹脂繊維フィルターを超音波溶着機で溶着する試作開発を行った。
  • 溶着後の寸法精度は0.1mm以下を保つことができるようになった。超音波溶着機の導入により、糸引きがなくなり、除去作業や全数選別が不要になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フクトミ
所在地福井県 勝山市
業種繊維工業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数10人
資本金800万円
設立2009年

事業の背景

株式会社フクトミは2009年設立の繊維加工会社で、自動車のオイルフィルターやコーヒー・茶葉の抽出フィルターなどメッシュ生地を使ったフィルター加工を得意としている。樹脂繊維製フィルターの需要が増え、顧客からの溶着強度や低コスト化の要求が高まっていた。飲料メーカーからの受注もあったが、超音波溶着が必要な製品は外注していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の熱処理溶着では樹脂繊維を溶かす際に糸引きが発生することがあり、除去作業と全数選別が必要だった。
  • 人手・技能熱処理溶着の機械稼働時に人員配置が必要で、安全性の面でも課題が多かった。
  • 生産能力超音波溶着が必要な一部製品は外注に頼っており、社内で一貫生産できていなかった。
  • 品質・精度異物混入に関する規制が厳しくなる中、溶着強度や品質の向上が求められていた。

やったこと

樹脂繊維フィルター超音波溶着機を導入し、試作品の樹脂繊維フィルターを超音波溶着機で溶着する試作開発を行った。その結果、糸引きは皆無となった。高い溶着強度で0.1mm以下の寸法精度を保つ異物ゼロの樹脂繊維フィルターの作製に成功した。熱処理溶着では得られない溶着強度の高いフィルターを社内で一貫生産できる体制が整った。立体形状のフィルターも製作可能になった。

  • 加工機樹脂繊維フィルター超音波溶着機

新しい製品・サービス:取引先企業のニーズを捉えた新商品の開発を検討している。

事業の効果

  • 溶着後の寸法精度は0.1mm以下を保つことができるようになった。
  • 超音波溶着により糸引きは皆無になった。

超音波溶着機の導入により、糸引きがなくなり、除去作業や全数選別が不要になった。溶着強度が高く、寸法精度が上がったことで歩留まりも向上し、高品質の製品を安定して供給できるようになった。スピードアップと無人化も可能になり、多品種・短納期・高精密・小ロットの生産体制が強化された。立体形状の製品にも対応でき、顧客からの信頼獲得につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決熱処理溶着の糸引き除去・全数選別という課題を認識し、超音波溶着機導入で解消、歩留まり向上や無人化まで記載されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性糸引きが皆無になり、熱処理では得られない溶着強度や寸法精度0.1mm以下を実現した点から、自社の強みの発揮が読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け異物ゼロや高精度、多品種・短納期・小ロットへの対応、立体形状加工など、顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員10名で女性従業員が多く活躍する旨はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しい。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の熱処理溶着では糸引き不具合があり、超音波溶着機導入が新技術獲得と品質向上の目標に沿うと読めるが、過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    糸引きが皆無になり、熱処理では得られない溶着強度や寸法精度0.1mm以下を実現した点から、自社の強みの発揮が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    熱処理溶着の糸引き除去・全数選別という課題を認識し、超音波溶着機導入で解消、歩留まり向上や無人化まで記載されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    ロス率の大幅軽減や生産効率向上は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10名で女性従業員が多く活躍する旨はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    異物ゼロや高精度、多品種・短納期・小ロットへの対応、立体形状加工など、顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として新商品開発の検討は書かれているが、遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    樹脂繊維フィルターの立体加工で高精度化を図る点はうかがえるが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地元勝山市の女性雇用に触れているが、川上・川下への波及効果や社会的インフラとしての国の補助理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    ロス率の大幅軽減や生産性向上は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    超音波溶着という新技術の導入は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    勝山市の女性が多く活躍し月産300万個を生産する点から地域雇用への寄与はうかがえるが、地域経済成長への言及は薄い。

今後の展望

新技術と品質・納期の安定化を武器に、新商品開発を検討している。売上高、経常利益、付加価値額の増加を目標とし、収益率の向上による経営基盤の強化を期待している。

事業者の声

「できない」とは絶対に言わない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。