ものづくり補助金平成27年度製造業福井県

IoT社会に貢献する電子部品メッキ処理工程向けチタン製品の精密加工技術開発事業

株式会社鯖江工業所

成果加工時間 34時間→8時間

この事例のポイント

  • チタン材は硬度と耐熱性に優れる反面、加工が非常に難しく、加工には高い技術を要する。
  • チタン材の加工に対応するため、複合的な機能を備えた最新のCNC旋盤を導入した。
  • 加工時間 34時間→8時間。加工時間の短縮と作業工程の簡略化により、人件費部分の製造コストが下がり、部品1個当たりのコストが大幅に削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社鯖江工業所
所在地福井県 鯖江市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工

事業の背景

鯖江工業所は、顧客メーカーの製造工程で省力化を図るための機器・装置を、要望に沿って設計・製作している。IoTが加速する近年は、電子部品の製造関連企業からの依頼が増えている。自動車や通信機器に搭載される電子部品の多くにはメッキ処理が行われ、その処理ラインの製造ではチタン材の加工が避けて通れない。今後もメッキ処理部品以外でチタン材加工の需要が増えると見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能チタン材は硬度と耐熱性に優れる反面、加工が非常に難しく、加工には高い技術を要する。
  • 生産能力大きなチタン材の加工は難易度が高く、1社だけですべてを行うことは難しかった。
  • 納期・工程チタン材の加工は外注に頼ったり、作業を2度に分けて対応していた。
  • コスト・採算加工時間が長く、部品1個当たりの製造コストが高かった。

やったこと

チタン材の加工に対応するため、複合的な機能を備えた最新のCNC旋盤を導入した。旋削や穴開けなどを行える機種で、チップの交換時期も教えてくれる。自動プログラミング機能により、誰が操作しても均一な品質の製品を一定のスピードで生産できるようになった。導入した複合旋削加工機能を活用し、目標を上回る7〜8μmの誤差で安定して加工できるようになった。小さなチタン材はメガネ製造の現場で加工されてきたが、大きなものは難易度が高いため、今回の導入で社内対応が可能になった。

事業の効果

  • 加工時間 34時間→8時間
  • 部品1個当たりの製造コスト 347,300円→253,700円

加工時間の短縮と作業工程の簡略化により、人件費部分の製造コストが下がり、部品1個当たりのコストが大幅に削減された。加工精度も目標を上回り、外注や二度の作業が不要になって社内でスピーディーに処理できるようになった。これによりチタン材の加工が社内で対応可能になり、顧客の要求に柔軟に応えられる体制が整った。今後は受注する分野がさらに広がることが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性チタン加工は難度が高く、メガネ分野の小物加工の蓄積がある一方、大物は1社では難しかったと書かれ、その中で同社が大物加工に挑戦して成功した点が強みとして読み取れる。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標部品1個当たり347,300円が253,700円へ下がり、加工時間は34時間から8時間に削減された実績が示されており、目標達成の見込みが高い。
  • 4
    新しさ・高付加価値チタンは硬度や耐熱性に優れる一方、加工が難しく、大きなチタン材の加工は地域でも難度が高いとされ、高い技術を要する分野であることが読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制操作者による品質のばらつきを抑える自動プログラミング機能が導入されたとあるが、人材や事務処理体制についての記述は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    省力化機器の設計・製作を本業とし、近年増えた電子部品関連の依頼に応えるためチタン加工用CNC旋盤を導入したと書かれており、事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    チタン加工は難度が高く、メガネ分野の小物加工の蓄積がある一方、大物は1社では難しかったと書かれ、その中で同社が大物加工に挑戦して成功した点が強みとして読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    外注や2度分けの工程が一度で済むようになり、人件費を含むコストを下げた点から、課題を認識し解決する計画となっていることが読み取れる。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標4

    部品1個当たり347,300円が253,700円へ下がり、加工時間は34時間から8時間に削減された実績が示されており、目標達成の見込みが高い。

  • 事業を進める体制2

    操作者による品質のばらつきを抑える自動プログラミング機能が導入されたとあるが、人材や事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    メッキ処理ラインの製造で避けられないチタン加工の需要があり、今後も増えると見込まれると書かれ、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋2

    今後チタン加工の受注分野が広がることが期待されると書かれているが、遂行方法やスケジュールの具体的な記述はない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    チタンは硬度や耐熱性に優れる一方、加工が難しく、大きなチタン材の加工は地域でも難度が高いとされ、高い技術を要する分野であることが読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    チタン材加工を社内で可能にし、地元のチタン関連企業への波及や受注分野の拡大が期待されると書かれており、地域への波及効果が読み取れる。

  • 費用対効果4

    加工時間を34時間から8時間に削減し、部品1個のコストを約9万円下げたとあり、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    複合旋削やプログラミング機能の活用は示されるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    IoTが加速する製造業で必須となるチタン材加工を社内で可能にしたと書かれ、製造業の高度化という成長分野への進出が読み取れる。

  • 地域経済への波及3

    鯖江のメガネ産業で培われたチタン加工の地域の強みを生かし、大物加工に挑戦して地元企業への発奮材料になると書かれている。

今後の展望

今後は受注する分野がさらに広がることが期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。