ものづくり補助金平成27年度製造業山梨県

世界に通用する新たな日本酒造りの為の高度生産性製麹技術の確立

山梨銘醸株式会社

成果最適条件として精米歩合37%を導き出した

この事例のポイント

  • 質の高い麹を安定して造れる製麹技術が確立されていなかった。
  • 高度生産性向上型の最新モデルの製麹装置を導入し、製麹試験を行った。
  • 最適条件として精米歩合37%を導き出した。新たな製麹技術により、質の高い麹を安定して造ることが可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名山梨銘醸株式会社
所在地山梨県 北杜市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数19人
資本金1,500万円
設立1926年

事業の背景

白州の地の水を使い1750年に酒蔵を起こした山梨銘醸は、260年以上にわたり伝統の技と最新の設備を取り入れて独自の味わいを追求してきた。日本酒の製造・販売を行い、酒は『七賢』の名で知られ、近年はスパークリング日本酒も展開している。同社は新たな需要の掘り起こしを狙い、補助事業を活用してスパークリング日本酒の開発に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力質の高い麹を安定して造れる製麹技術が確立されていなかった。
  • 品質・精度製麹の諸条件を画一化できず、すべての酒を高品質に安定提供することが難しかった。
  • 新製品・新技術新たな需要を開拓するため、日本酒では採用の少ない瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒の開発が必要だった。

やったこと

高度生産性向上型の最新モデルの製麹装置を導入し、製麹試験を行った。複数の精米歩合と麹菌を用いて試験を重ね、精米歩合、製麹時間、吸湿率に応じて生成する酵素の働きの違いを検証した。その結果、精米歩合37%、製麹時間32時間、吸湿率7%が最も好条件であることを導き出した。最新装置はインバーター制御による通風装置が完備されており、米麹の吸湿機能が高まって酵素の働きが高い高品質な麹を実現している。また除湿加湿装置も完備している。この製麹技術により、瓶内二次発酵のスパークリング日本酒『山ノ霞』『星ノ輝』『杜の奏』を商品化した。

加工機高度生産性向上型の最新モデル製麹装置(インバーター制御の通風装置、除湿加湿装置付き)

新しい製品・サービス:瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒『山ノ霞』『星ノ輝』『杜の奏』

事業の効果

  • 最適条件として精米歩合37%を導き出した
  • 最適条件として製麹時間32時間を導き出した
  • 最適条件として吸湿率7%を導き出した

新たな製麹技術により、質の高い麹を安定して造ることが可能になった。スパークリング日本酒の販売数は年々増加し、現在は商品群にまで成長している。製麹技術で余分な処理が不要になり、より研ぎ澄まされた味わいを実現した。今後は高価格帯の商品でブランド力を育て、新たな顧客を開拓していく計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    6年前のものづくり補助金でスパークリング日本酒の開発に着手し、2015年発売から第3弾まで継続して商品化している点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    独自性と新規性を強みとし、採用の少ない瓶内二次発酵を施した点や、同業との顧客争いを避けて新規開拓する姿勢が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    麹の品質が安定しないという課題を、精米歩合37%・製麹時間32時間・吸湿率7%などの数値化で解決したことが読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化への言及はあるが、具体的な目標値や賃上げ目標は示されていないため、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制2

    従業員19人との記載はあるが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理の体制についての記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    麹の品質を活かした味わいと、消費者から賛同を得られる商品という価値・選ばれる理由が語られている。

  • 事業化までの道筋3

    毎年古酒の種類を変えて10月1日に2000本限定で発売する計画が示されているが、課題解決の方法や詳細な工程は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高価格帯の『EXPRESSION』を展開し、採用の少ない瓶内二次発酵を用いるなど、同分野で高付加価値化を図る取組が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    伝統の継承や新たな需要創出への言及はあるが、経済波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は具体的に読み取れない。

  • 費用対効果2

    スパークリング日本酒の販売数が年々増加しているとあるが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    最新の高度生産性向上型製麹装置とインバーター制御を導入し、製麹条件を数値化した技術革新が読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    スパークリング日本酒という新たな需要の開拓はうかがえるが、成長分野への進出による構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    白州の地の甲斐駒ケ岳の伏流水を仕込み水に使う地域資源の活用が読み取れるが、地域の雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

同じ業界で顧客を取り合うのではなく新たな開拓をしていくことが必要であり、今後は毎年古酒の種類を変えて10月1日に限定2000本で発売していく計画である。

事業者の声

ものづくりには必要だと思います

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。